詩『キャスト 人間』

他人に

最期さいご

手渡して

奪われた

自由。

えにもてあそばれた

大蛇のように

からみつく

拘束。

頭の中で

何を考えてもいいことが

自由なら

私は自由。

見上げれば

草原。

足元にある空が

刻々と変える

空模様。

夢中で頬張ほおば

空想から出れば

他国との争いに

転がり落ちた

この国。

石ころのように

地面に馴染なじ

味方と呼ばれた

たくさんの国民。

大口をけた

解放の機会。

他の国民を

追い抜き

先頭に配置される

光栄か

玉砕ぎょくさい

スコープの中で

結末を書き終える

敵と名付けられた

人間。

極刑きょっけいに匹敵する数を

空の上へと

送り届け

程なくしてもらえた

不完全な自由。

食用でもなく

同族の炎に

水をけ合う

生物たち。

空から舞う貨幣が

火花に

変わってゆく舞台

「惑星 地球」。


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