詩『翼がつくる秒速』

唐突とうとつ

武器にして

鳥たちと

飛んでみたい。

穴のいたボートから

水をき出すように

絶えず

生まれてくる恐怖心を

体から

掻き出しながら。

老いては

生まれてくる季節を

全身をアンテナにして

感じてみたい。

干上ひあがって

のどが声を失わないように

次の水のほとりまで

質問にあふれても

口には

居留守いるすを使わせるから。

体温をもってしても

温かいと感じる気温に

かされながら

青く塗られた海にも

触れてみたい。

鳥たちと

飛んでみたい。

地球のかたちを

変えるようなものを

空から

投げたりしないから。


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