詩『涼しげに割れる炎』

赤くて

透明な

ガラスの炎。

風に

揺らめき

すずしさを

かなでる。

ここまでの

屋根の下も

これまでの

足跡も

きちんと

人数分。

心が

手に取った画材で

描き上げた

一枚も同じものがない

風景画。

体の

いつかのどこかには

生息することもある

絶縁願望。

お互いに

まだ

燃えたまま。

できることなら

その息で粉々こなごなにして

季節の風に

遊び相手として

紹介しないままで。


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