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ショートエッセイ集

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短いのばかりをまとめてみました。お気軽にどうぞ!
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記事一覧

「味覚が変わったよ」

 これまでにも書いてきたとおり、家族の中に「霊感」と呼ばれる能力を備えた者が複数いて、超…

「アトムの人形 ~ 4年前の日記より」

 令和2年 2月24日 月曜日 振替休日  ほんのさっきまで、今日は普通の月曜日だと思っ…

「ト音記号 ~ 4年前の日記より」

 2020年1月8日  今日は、よく歩いた。合計2時間48分。  バイク故障のため仕方ない。 …

「レッスンの想い出 ~ 結婚式に招かれて*その2」

 長野市のレッスン室に、社会人の女性がピアノを習いに来ていた。  どんな仕事をしてたかは…

「レッスンの想い出 ~ 結婚式に招かれて」

 放送大学「心理学概論」を見ていたときに思った。講師の森津太子さんの目元が、誰かに似てい…

「レッスンの想い出 ~ 小学生の姉妹」

 嬉しいことがあった。  30年近く長野県に住んでいて、その間、ピアノ指導や作曲を生業と…

「すったもんだの仲裁日記 ~ めどうの天文館夜話」

 5年ほど前のことになる。  まだコロナが流行する前、夜の街が華やいでいた頃。僕自身、まだ癌が発覚する前で、天文館繁華街のとあるマジックバーで、マジシャンとして働いていた。  そんなある夜、馴染み客の男性が、女性連れでやってきた。男性は、その店のマスターの高校の後輩である。  はじめのうちは、いつものように和やかに飲んでいたのだが、次第に雲行きがあやしくなってきた。  マスター以外に、もうひとり、ホスト上がりのスタッフがいて、その夜はいつになく少し酒が回り始めていた。2人

「ふと思い出したこと ~ 若き日の伯母のこと」

 亡き母のお姉さんが、生前に言ったひとこと。  新婚旅行のとき、列車の窓から雪景色が見え…

「20歳をなぜ(はたち)と言うのか?」

 20歳をなぜ「はたち」と言うのか?  改めて振り返ってみると、幼き頃そんな疑問を持ったよ…

「近所のコンビニでのトラブル ~ 抗がん剤治療を受けていた頃の日記より」

 5年前、がん手術を受けた後、半年以上に亙る抗がん剤治療を受けました。その間、「体がだる…

「小川文明氏との語らい ~ 15年前の日記より」

 ロック・キーボード・プレイヤーとして活躍しておられた故・小川文明氏と語り合った夜の日記…

「黒田先生という人」

 小学校3年生のときの担任の先生は、ちょっと変わった感じの人だった。黒田先生といったが、…

「昭和のアイドル松田聖子について」

 いつだったか思い出せないぐらい、かなり以前のことになりますが、あるQ&Aサイトに、以下の…

ショートエッセイ「おっと、その手には乗りませんよ」

 自分がまだ30代そこそこで、長野県上田市のある町で1人暮らしをしていた頃の話。  静かな平日の午前中、ピアノの練習をしていると、玄関のドアをノックする音が聞こえた。  ドアを開けると、警察官の制服を着た体格の良い男が立っていた。挨拶のひと言もなく、こちらには目をくれず、左手に書類を挟んだボードを持ち、そこに何やら書き込んでいる。  何か事件でもあったのかと、反射的に身構えた。黒縁のメガネをかけていたので、斜めに落とされた視線から表情も読み取りにくく、それがまた、心理的な距