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ピクミンが運んできたもの

#最近の学び

皆さん、こんにちは。最近は雨が少なくてポカポカしててしてていいですね。僕が子供のころ、といっても15年位前だがその時には11月というと震えるような寒さだった気がするが気のせいだろうか?氷や霜柱があったような気がするけどなぁ。

さてさて、本題に入ろう。
これを読んでいる人は一番くじをしたことはあるだろうか?一番くじはキャラクターのグッズが当たるはずれのないくじだ。2003年にセブンイレブンでポケモン一番くじが行われてそれ以降様々な漫画、アニメ、ゲームなど様々なキャラクターで一番くじが行われている。定番の"ワンピース"や"ガンダム"、今はやりの"呪術廻戦"、変わったものだと"動物ビスケット"などがあったりする。

以前僕は"スプラトゥーン"の一番くじをしたことがあるのだがどうにも芳しい結果が出なかった。

一番くじは基本的にA賞からF賞やG賞(時にはH賞あたりまであるときもある)まであり、一番最後のくじを買うとラストワン賞と呼ばれるものがもらえるのだ。"スプラトゥーン"の時はラストワン賞のコジャケのぬいぐるみが欲しかったのだが人気コンテンツのため即座に売り切れてしまった。
そもそも一番くじは通常のくじのように一人が2,3個のくじを引くというようなものではないのだ。人気のA賞やB賞、ラストワン賞を確実に入手できるように10個や20個購入されることは非常に多い。特に残り10個程度ならまとめて買われてしまうのだ。したがって人気コンテンツの場合購入者数は数人であるにも関わらず売り切れということも多いのだ。
(誤解を防ぐために言っておくが、特に人が大勢駆けつける都内の店舗によってはまとめ買いを禁止にしていたりするし、一番くじといっても不人気なコンテンツや人気の景品がなくなったら半額セールの対象になってしまったりする。)
したがってある程度の大人買いは黙認されているということになる。現に僕の研究室の人はガンダムの一番くじを手に入れるために1万円近く出してまとめ買いしていた。

僕は"ポケモン"や"スプラトゥーン"、"マリオ"のような任天堂コンテンツが好きだ。最近じわじわと人気が回復しつつある"ピクミン"も好きだ。
"ピクミン"は凶暴な原生生物が住まう惑星で主人公たちが不思議な生き物の"ピクミン"を使役して食料やお宝の確保をしていくゲームだ。かわいらしくも残酷な生物たちと不思議な生態系が特徴のゲームなのだ。

最新作ピクミン4。
巨大な原生生物にピクミンと主人公が立ち向かう。


簡単に言えば"ピクミン"はアリで、原生生物たちは捕食者だと思ってくれればいい。アリを使役し捕食者から身を守り、倒し逆に捕食するのである。詳しくは以下のリンクを踏んでくれればいい。

最近はアプリが出てきたり最新作の"ピクミン4"が発表されるなど話題に尽きない。何よりマリオの生みの親の宮本茂の作品なのだから当たり前といえば当たり前かもしれない。

そんな"ピクミン"の一番くじが出ることが分かった。

僕は即座に思った。欲しい!と。絶対に欲しい!と。"スプラトゥーン"で取れなかったA賞やB賞が欲しかった。ピクミンのクッションやブランケットが欲しかった。即座にコンビニ行き僕は購入した。

購入券をレジに持って行き枚数を店員に伝えれば買えるぞ。

当然そんな簡単に当たるわけがなく小皿とタオルくらいしか当たらなかった。これだけでもまぁうれしかったのだが僕の心の中にはピクミンが在り続けた。研究室で実験をしているときや家にいるときも欲しい景品が出なかったことに悶々としていた。

ピクミン一番くじは一回680円だ。仮に10回するなら6800円。20回なら13600円になる。仮にそこまで出してところでタオルや小皿が多く手に入ることになる。確かに魅力的な景品ばかりだがそこまでお金を出す意味があるだろうか?

悩み続けていた時にガンダム一番くじをまとめ買いしていた研究室の人が僕に言った。

「欲しいならまとめて買うしかないよ、勝負仕掛けないと本当に欲しいものもとられちゃうよ。」

この言葉が決め手となり僕はコンビニに向かった。少し息切れをしながら僕は店員さんと会話した。
「すみません、ピクミン一番くじください。」
「おいくつですか?」
「全部ください。」
「全部!?」

店員のお姉さんはやや驚きつつもくじの枚数を数えてくれた。話を伺うと僕のように一番くじをまとめて買う人はちらほらいるらしい。店員のお姉さんもまとめ買いしたことがあるとのことだった。

店員さんが枚数を数えているときに13枚あたりを超えたくらいで僕の中に少し後悔が込み上げてきた。本当にこれを全部買うのか?と。まだ店員さんは枚数を数えている。値段はいくらになるだろう。だけどここまで来て今更後に引けるだろうか、引けるわけがない。しかし学生が一時の迷いでこんな大金を使っていいのだろうか…。

そうこうしているうちに店員さんが数え終わった。怖かったので値段は見ずにpaypayにお金を入金して購入した。それとなく1万円は優に超えているのが分かった。

店員さんに袋に入れてもらい店の景品を全て手に入れた。残りの在庫を全て手に入れるなんてことは僕はしたことがなかった。すごいことをしたなという優越感を抱えながら僕は帰宅した。

家に帰り手に入れたものを全て床に並べたときにどこからともなく虚しさに似た感情が出てきた。あんなに欲しかったラストワン賞やA賞やB賞の景品が目の前にあるのだ。だけどどうにも、うれしいのだけど、虚しさが込み上げてきた。


トップ画像の写真。

本当はトップ画像よりも多く景品があったのだけど、画面に収まらないのと、虚しさから一部抜粋して写真を撮った。

元々くじはある決められた数の中から好きなもの選び、当たりが出るものなのだ。くじの中身を全て手に入れたのでは、くじではないのだ。くじははずれとあたりがある確率で出てくるものなのであり、くじを買い占め、当たりの確率が必然となったときそれは存在意義を失うのだ。
僕は一番くじを買い占めたのではない。景品を買い占めたのだ

よく登録者数が多く収入が多いYouTuberが批判的なコメントに対して金銭でマウントをとることが多い。自分は時給何百万だの、俺の年収はお前の何倍だの言っている。彼彼女らは動画内で贅沢をしたり有名人と交際したりなどしているが本質的には満たされていないのだ。収入が入ってきたことにより金の力で贅沢をできるようになり、有名であるがゆえに有名人とも付き合えるようになった。しかし贅沢というのはたまにできるから贅沢なのだし、有名人とただ付き合えてもそれはその人のネームバリューと付き合っているにすぎないのだ。成し遂げたいことが目標や偶然に依らない必然となってしまえばそれらは価値を失ってしまうだ。

ピクミンは主人公たちに様々なものを運んできてくれる。フルーツやお宝、倒した生物の死骸など枚挙に暇がない。かわいらしい見た目で和ませてくれるピクミンたちだけど、過酷な生存競争にさらされている彼らは僕に教えてくれたのだ。

楽しむときは物事の本質を失ってはいけないことを。
制限があるから物事は楽しみがあるということを。
金を出せば物事は楽しめるわけではないことを。


のんきなピクミンたちだからそこまで難しいことを考えてないかもしれないけど、少なくとも僕にはそんな学びを運んできてくれた。

大事にするね、これからよろしくね!



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