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夏は好きですか。

夏はあまり好きじゃない。
なぜならこの季節、外はうだるような暑さなのに、スーパーや飲食店はクーラーでキンキンに冷えている。そんな過度な温度差により体温調節がしづらく、出かけるときは羽織るものを一枚持参しなければならない。それから熱帯夜により眠りが浅くなり、なかなか疲れが取れないのも難点。一方クーラーをつけたらつけたで体が冷えやすくなったり、乾燥で喉が乾いたりして、ちょっとした体調不良を起こしやすくなる。じゃあ冷たいモノで体温を下げようとすると、冷たいモノのとりすぎで胃腸が弱くなることも。

何より夏は、我々「肌が敏感な人間」にとってはつらい季節。肌トラブルが起きやすい季節なのだ。
汗をかせば汗疹ができ、下着のラインにまで赤いプツプツが現れる。我慢しようにもその痒さは耐え難く、掻いてしまえば最後…赤みは永遠に広がってゆく。汗疹は首、手、背中、お腹、足とさまざまな場所に現れ、わたしを悩ませた。夏といえば、この汗疹が憂鬱なのである。

そのため、わたしは本格的な夏が訪れる前の梅雨の段階から皮膚科にかかっていて、すでに汗疹治療クリームを入手していた。このクリームの塗布に加え、こまめなシャワーでなんとか皮膚の平穏を保っている。
このように、わたしにとって「夏」はとにかく憎い季節だった。

ただ、夏のすべてが憎いというわけではない。夏に洗濯物を干すとあっという間に乾いてしまう、そこだけはとても好きだ。もともと洗濯が好きな人間なので、部屋干しが続く梅雨の時期はものすごくフラストレーションが溜まっていた。だから待ちに待った、カラッとした夏が訪れると、これでもかというほど洗濯物を干しまくるようになる。

今日だって4回も洗濯機を回してしまった。
本来なら午前中で必要な洗濯作業が終わっていたのだけど、晴れわたり熱風吹きまくる外の様子を見ていたら、何か干さずにいられなくなってしまった。そこで、もう14時をまわっているというのに、わたしは夏用布団やらシーツやらまで洗いだしてしまったのである。この時期のわたしは「洗濯中毒者」と言っても差し支えない。

それから、この時期に淹れるアイスコーヒーもたまらなく好きだ。濃いめに淹れたホットコーヒーにたっぷり氷を入れて飲むアイスコーヒーの苦味と爽やかさ。いつもあっという間に飲んでしまうので、日に2回はアイスコーヒーをつくっていると思う。

そうそう、この時期に採れる野菜も最高に美味しい。ナス、ピーマン、ししとう、とうもろこし、トマト、ズッキーニ、きゅうり、オクラ…。どれもこの夏、何度も食べている野菜である。
特に夏野菜は素材が美味しいので、シンプルな調理だけで絶品料理になる。ズッキーニやオクラは焼いて、塩や醤油で味つけするだけでいい。とうもろこしは、塩茹ですればOK。きゅうりはフリーザーバックを使って浅漬けに、ピーマンはレンチンしてナムルや胡麻和えに早変わり。

…こうして書いてみると、夏のどこが憎かったのか分からなくなる。むしろ自分が、夏を満喫している人間としか思えない。

わたしは、本当に夏が憎いのだろうか。
そんなことを思いながら今日もアイスコーヒーを飲み、涼しい部屋でひっくり返りながら本を読み、食卓で夏野菜を味わい尽くす。

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