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映画「チャイルド・プレイ」の指輪 〈映画の指輪のつくり方〉第30回

おもちゃのきもちが気になるの
1988年「チャイルド・プレイ(Child’s Play)」
文・みねこ美根(2019年10月21日連載公開)

先日、友達と映画を見に行った。リメイク版の「チャイルド・プレイ」。AI機能を搭載したバディ人形が、持ち主の少年アンディへの愛を炸裂させ、大変なことになる、という話。こういう“ザ・ホラー映画”を映画館で見るのは初めてかも。同じおもちゃカテゴリーの「トイ・ストーリー4」と迷った末、“チャッキーのスプラッターSHOW”をアトラクション感覚でヒィヒィ怯えながら楽しんできた。

 ここで一つ謝罪します。…………1作目を見ずに行きました。リメイクと言っても元とは全然違う作品だという前評判に甘えてしまった。例えば私だったら、誰かがハリー・ポッターシリーズの5作目から見始めて「あのネズミ何?」とか聞く日にゃ、最初っから見ろよ!ボコォッと“みねこ美根のスプラッターSHOW”を始めてしまうだろう。これでは示しがつかない。急ぎレンタル。リメイク版の前に観とけばよかった、とならなければいいけど…。

そんなことなかった(笑顔)。全然違った(笑顔)。

 冒頭、殺人犯が警官に追われ致命傷を負い、死の間際、逃げ込んだおもちゃ屋に並べられていた人形に、自分の魂を人形に移すまじないをかける。復讐と復活を企む殺人鬼の魂が宿った人形は、誕生日プレゼントとして6歳の少年アンディのもとにやってくる。

 今や有名な映画だから“殺人人形”の登場は分かってしまっているけれど、映画の冒頭のアンディがおかしいのではないか?という大人目線の不気味さや、人形がどこまでやるのか、という期待と恐怖が面白い。ちなみに、リメイク版はアンディがもう少しお兄ちゃんで、アンディ目線での“大人にわかってもらえない恐怖”がもどかしくハラハラさせられる。

最初のおもちゃ屋大爆発が大爆発すぎたり、遠くに追ってくるチャッキーが遠近法にしてもでかすぎたり、チャッキーのスピード速すぎたり、なんでとどめを刺さない!というあるあるの詰めの甘さがチャッキーにも人間たちにもあったりして、そこまた良い。そこまでスプラッター感はなく、MAXは中盤の呪術人形拷問のシーンと精神科の先生のシーンかな。なので、グロテスクは無理!という方もある程度は楽しめるはず(保障はしない)。

低予算のためにチャッキーの表情が乏しくなってしまったらしいが、それ故の不気味さ!が良い。そしてあの「ギャー!○○が入ってない!」のシーンは最高!終盤にかけてチャッキーの最初の面影が消えていくのも技です。

 あと、アンディママがすごい綺麗。息子のために奔走する姿が美しいです。アンディもまだよちよちしててプリティです。

そういえば、レンタルした同じ日に購入したぬいぐるみがあって、なんでこのタイミングで買っちゃったかな…動き出さないことを願う。そして、これ、鼻血出しながら書いてます。とまらん。くしゃみしちゃって血しぶきってるので、呪いではないことを祈りつつ掃除してくる。私がちゃんと呪われず生きていることを11/4のワンマンライブに確かめに来て欲しい。

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モチーフ:ロッキングチェア、チャッキーの箱、ナイフ、ハンマー、バット、乾電池、足跡、呪術人形
音楽:「CHILD’S PLAY THEME」Joe Renzetti オルゴールver. Cover

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