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「SDGs#12 つくる責任つかう責任」をマンガデザイン

どうもどうも、吉良です。

今回はSDGsの啓蒙を17目標ごとにおこないつつ、マンガデザイナーズラボのSDGsプロデュース事例を紹介していく「SDGsをマンガデザイン」シリーズの第12回です。

「SDGs」って何?と思った方は「SDGs17目標」をマンガデザインの記事からお読みいただくと理解しやすくなると思います。

前回はSDGs17のゴールの11つ目、「11.住み続けられるまちづくりを」を紹介しました。

第12回目はSDGs17のゴールの12つ目、「12.つくる責任つかう責任」を紹介します。アイコンの色は黄土色ですね。

この目標は、生産側も消費側も双方が、地球の環境や人々の健康を守れるように責任ある行動をとり、「持続可能な生産と消費の形態を確保する」ことを目指しています。

大きな課題のひとつである「食品ロス」の問題については目標2の「飢餓をゼロに」でも取り上げています。食品を撮影せずに描き、廃棄をなくすことも、マンガデザイナーズラボの大きな使命です。

「12.つくる責任つかう責任」では下記のような項目が課題となっています。

・地球の人口が現在の約74億人から30年ほどで96億人(30%増加)に達する見込みであり、地球と同じ惑星が3つなければ今と同じ生活ができなくなってしまうこと
・国のニーズを満たすために必要な原材料の量を反映する「マテリアル・フットプリント(資源の採掘量)」が2000年から2017年の間に70%増加しており、毎分100万本のペットボトル飲料が購入され、毎年5兆枚分のレジ袋が捨てられていること
・電子・電子機器廃棄物が大幅に増加しているうえ、責任ある処理がおこなわれていないこと

「12.つくる責任つかう責任」の課題を紹介している弊社が制作したマンガデザインモーション(動画)も合わせてご覧ください。

日本では、「マテリアル・フットプリント」への対策として、2020年からのレジ袋の有料化や、一部店舗でのFSC®認証*紙製を使った紙ストローへの移行がおこなわれはじめています。

(※FSC®とは、Forest Stewardship Council®:責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体「森林管理協議会」のことで、消費者はFSCのマークが入った製品を買うことで世界の森林保全を応援できます。)

他にも、「12.つくる責任つかう責任」で大きな問題となっているのが「2.飢餓をゼロに」でも取り上げた「食品ロス」です。食品ロスの約46%は「家庭」からの廃棄で、私たちの行動が大きく影響する分野のひとつです。

消費者の私たちは、①買いすぎない、②使いきる、③食べきる、の3つを意識することで、食品ロスを減らすことに貢献できます。

①買いすぎないの対策としては、買い物にいく前に自宅にある食材を確認する、買うものリストを作成してから買い物に行くなど、必要なものだけを買う習慣をつけることがあげられます。

②使いきるの対策としては、キャベツの芯、ブロッコリーの茎、余ってしまったドレッシング・たれ・調味料など、これまで捨てていた食材を活用できる調理法がないか、レシピサイトなどで調べてみることがあげられます。

③食べきるの対策としては、外食時では、少食の場合や食べられない食材が入っている場合には注文時に量を減らせないか、持ち帰ることはできるか、特定の食材を抜いてもらえないかなどを確認する、自炊時では、余った料理食材を別の料理に作り変えることができないか、レシピサイトなどで調べてみることがあげられます。

食品に限らず、普段購入する商品についても買いすぎたり使い残したりしないことや、環境にやさしい取り組みを実施している企業の商品かを意識することが「12.つくる責任つかう責任」の目標達成に貢献する近道です。

(参考:SDGsジャーナル様相模原市SDGs one by one様農林水産省様

これらの問題提起や私たちにできることをわかりやすく一枚絵(ポスター・広告)・4コママンガで制作した表現した学生の作品を5点紹介します。各自の制作意図を含めてご覧ください。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 上原 龍平さん)

【製作意図】
「フードロス」をテーマに据え、「食糧をムダにしてはいけない」と思わせるような現状を表現しました。

【吉良式視点】
ターゲットを若者にしてゲーム感覚で「食品ロス」を問いかける手法は秀逸です。リセットすれば元に戻るというリセット感覚を変えていかねばならない意識は本当に大切ですね。明るく楽しく伝達しようという意志がよく伝わってきます。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科4年 梅田 楓汀さん)

【製作意図】
食べられるのに捨てられて無駄になってしまう、食材が訴えかけるように描きました。

【吉良式視点】
ファーストインパクトの「かわいい」が効いていますね。そこから、この野菜たちはなんなのだろうと感じさせて、「食品ロス」をしっかりと伝えています。マンガの強みを活かしたマンガデザインポスターですね。
野菜キャラがゴミ箱で宙に浮いているので、野菜たちの下も食品で埋めて「こんなにたくさんの食品ロスがある」ことを表現できるともっと良くなります。

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(大阪芸術大学 デザイン学科3年 粟生 菜々珠さん)

【製作意図】
持続可能な生産と消費の実現を目指すために生産と消費のバランス、環境保全や天然資源の管理といった、生産と消費に関するあらゆる方面での取り組みが必要です。
私たち個人が関係するのは、主に「つかう責任」の部分で、個人でも今すぐに取り組めるものの一つに「店頭で商品を手に取る際に、認証マークなどを意識し、環境や社会に配慮した製品を選ぶ」ということがあります。
そのためにまずは認証マークとその意味を学んでいこうという意味を込めて、試験勉強をモチーフにして描きました。

【吉良式視点】
「つくる責任つかう責任」の目標を見て、自分たち生活者サイドは「つかう責任」だと感じる第一次想起力が素晴らしいです。そこから生活者サイドのすべきこととして「認証マーク」を理解し、環境や社会に配慮した商品選びをするべきだという主張がしっかり伝わってきます。そのデザイン設定が試験勉強。天晴としか言えません。

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(大阪芸術大学 キャラクター造形学科3年 与那城 優花さん)

【製作意図】
フードロスを食品視点で表現しました。

【吉良式視点】
ザ・マンガですね。起承転結がしっかり4コマに振り分けられ、「起」の導入から強いアテンションを与えてます。セリフも最小限に絞ってストーリーのリズムをしっかり守っています。最大限の仕掛けである擬人化展開の3,4コマ目、特に4コマ目の「結」は見事ですね。マンガをよく学んでいます。

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(大阪芸術大学 デザイン学科1年 北谷 麻衣さん)

【製作意図】
洋服が毎年大量に捨てられていることに着目しました。

【吉良式視点】
大量に廃棄されている洋服の話を、楽しい日常の中のストーリーとしてよく表現されています。特に姉妹のお下がり頂戴の「結」が微笑ましくて良いですね。とても可愛らしいマンガデザイン4コマです。

次回はSDGsのゴール13「気候変動に具体的な対策を」をマンガデザインです。皆様も一緒に理解してSDGsの目標実現に向けて努力しましょう。

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