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#9 丘の上の木造古屋でヨーロッパスタイルのビールを造る Red Hill Brewery メルボルン / クラフトビール


「今日は醸造日かな、ラッキーだ。」


RED HILL BREWERYは、メルボルンから南に伸びるモーニングトン半島最南端にある醸造所。周りを海で囲まれ、小高い丘を登りきったところに、ポツンとあらわれる。


ゲートを潜り抜け、草や木々のトンネルを奥へと歩みを進める。すると、「おおっ」と声が漏れてしまうくらいの、趣の深い、木造の古小屋が目の前に佇む。扉には”BREWHOUSE”と書かれているから、そこが醸造所だとすぐにわかる。


その日は、幸運にも、屋根から青空へと飛び出す煙突から、もくもくと白い煙が上がっていた。

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中へ入ると、早速一人の男性が黙々と作業していた。多分僕と近い年頃。に見える。外国人の年齢判断というのは、本当に難しい。僕の推測は、たいていの場合、正解よりも上を言ってしまう。見た目が、ヒゲや体格からか、外国人はみんな年上に見える。


まあ、こんな感じで年齢を気にしてしまうのは、正直好きではないけれど、「年上には敬語文化」が染み付いている日本人によくある癖だ。あと、韓国でも、それは同じ。

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3年前からヘッドブリュワーとして働き出したというJacob。彼は、ここで働く前、数年間のホームブリューイングの経験があり、夢は「大きなブリュワリーで働くことだった。」と言う。「だった。」と過去形で言うのも、今では自然豊かなRED HILL地方と、このブリュワリーのサイズが気に入り、「ここで働くことが本当に幸せだ」と語る。

趣味はカヤックとボードゲームだそうだ。



RED HILL BREWERYは、昔からイギリスの伝統的な醸造方法にとことんこだわったブリュワリーである。温暖な気候を活かし、駐車場の向かいでホップ栽培をしているので、年に一度の収穫時期に作るビールは格別にフレッシュだという。


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ここではもう一人、面白い人に出会った。
バーテンダーのジョンは、実は愛知県生まれ。僕と同じだ。


初めは「a little」しか日本語を話せないと言っていたが、話すのを英語から日本語に切り替えた途端、喜んだように笑顔になり、もちろん堪能に話をすることができた。ジョンがいるのも、日本人観光客としては、一つの楽しみになるだろう。 今もいるのかな。



~ Our philosophy is to brew the best in European styles that are eminently sessionable and a pleasure to drink ~
" 我々のビール醸造における哲学は、ヨーロッパスタイルのビールを作ること。そして、それが極めてセッショナブルで、楽しく飲める一杯を作ることだ "


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( Jacob Rogers / Brewer )

<前職>
ケミカルエンジニアリング
<好きなビール> 
Imperial Stout, Belgium Golden Ale, X’mas Ale
<趣味>
 カヤック、ボードゲーム
<ひとこと>
僕はこのブリュワリーで気に入ってるのは、丘の上のフレッシュな空気、ちょうどいいサイズ感、それと周辺でできるアウトドアだね。


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(IMPERIAL STOUT 8.1 % IBU65)

〈ルックス〉
まっくろ。透き通るものなし。
〈アロマ〉
コーヒー、チョコレート、トフィー
〈テイスト〉
微炭酸だが、極めてクリーミーで、極めてリッチ。
〈フィーリング〉
インペリアルスタウトとして、後味がかなりスッキリしている。口の中に甘い感じは残らない。


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( A CRAZY AMERICAN LOST IN BELGIUM 7.9 % )

〈ルックス〉
ほんのり濁ったイエロー。きめ細やかな泡。
〈アロマ〉
優しい小麦の香り。強いフルーティの香り。
〈テイスト〉
ベルジャンの程よい香りの後から、上品なフルーティを感じるビール
〈フィーリング〉
まさしく、ベルジャンゴールデンエールの中に、たっぷりのアメリカ産ホップでドライホップした、そんなビール。


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info
規模 樽数 4 × 2000 L , 3 × 1000L
88 Shoreham Rd
Red Hill South VIC 3937
(03) 5989 2959
月/火/水 休み 木/金/土/日 11 - 18 

History
2005年にスタートしたRED HILL BREWERYは、長い間ヨーロッパスタイルのビールを作り続けている。3年前からヘッドブリュワーとして働き出したJacob。彼は、数年間のホームブリューイングの経験があり、夢は大きなブリュワリーで働くことだったが、自然豊かなRED HILL地方と、このブリュワリーのサイズが気に入り、ここで働くことが本当に幸せだと語る。ビールのレシピは、今も少しずつ改良しているが、インペリアルスタウトにはオーナー含めてみんな満足しており、創業してから長い間同じレシピを使い続けている。


Area Information
モーニングトン半島は、シティから南に伸びる半島で、三方を海に囲まれている。シーフードはもちろん美味いが、温暖な気候を活かしたワイナリーも多く点在する。シティから車で1時間半程度のちょうど良い距離で、多くの観光客がワインやシーフード、そしてペニンシュラモーニングトン温泉を目指して週末訪れている。

Beers
POT 285ml 6 - 7 AU$
Pint 570ml 10 - 14 AU$
JUG 1140ml 18 - 22 AU$
ハイアルコールビール
GOBLET 300ml 8.5 - 10 AU$
テイスト 4種 -12 AU$
タップ数 5

1.GOLDEN ALE - 5.0 % クリスピーなベルギースタイルのゴールデンエール
2.PILSNER - 5.2 % フィルターを用いない自然醸造の濁りあるピルスナー
3.A CRAZY AMERICAN LOST IN BELGIUM - 7.9 % ゴールデンエールに大量のドライホップ
4.IMPERIAL STOUT - 8.1 % 創業から受け継がれる完成されたスタウト
5.RED BIKE SESSION IPA - 4.5 % 自転車でクライムヒルした後にも飲める赤セッション!
( 2018年 )

Foods
スモーク3種 10 - 20 $
ビーフリブ
煮込みポーク
牛ヒレ肉

サイドメニュー 8 $
チリビーン
コールスロー
マッシュルームサラダ
マカロニチーズ

その他
ホップ栽培
BBQ予約可
ボトル販売
ペット可
グラス販売
イベント有


ACCESS
シティより車で80分



IMPERIAL STOUTといえば、ずっしりと重みのあるリッチな味わいをイメージするけれど、Red Hill Breweryのそれは、クリーミーでリッチで、優しい。同じスタイルの中では一番好きな一杯。また飲めるかなあ   23

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Have a good day mate!
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2019年に和歌山県有田川町にある旧保育所で、二人のアメリカ人と一緒にNomcraft Brewing をスタートし、クラフトビールでまちづくりに挑戦中。教育大学卒業後は世界を旅し、現在は醸造家兼何でも屋。釣りとカメラとカレーが好き。

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メルボルンはカフェで世界一の街だ。そしてクラフトビールもアツい。そんなメルボルンのクラフトビールシーンを、安価なカメラで撮影し、第二言語でインタビューし、ひたすらビールを飲んで、つらつら記録した写真と文章。

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