バレなければ浮気をしても良い? 2

平凡な日常からの離脱、刹那的な快楽を求めて。

浮気はバレなきゃいい。そう思ってる人は少なくないと思う。

しかしながら、果たしてどれだけの人が、墓場の先までその秘密を持ってゆき、葬ることができるのだろうか。

私は、過去に、浮気をしたことがある。相手は、職場の同僚であった。

私は、同僚と連絡先の交換をし、時々連絡を交わし合う関係となった。

自分に好意を持っているであろう異性と時たまやりとりをすることは、ただそれだけで、平凡で刺激のない生活をおくる私に、映画の主人公にでもなったかのような光をもたらしたのだと思う。その、頬を優しくくすぐられるような感覚は、中毒のようなものとなった。

もちろん、当時の私は、パートナーとは、いつも通り変わらない生活を送っていると思っていた。

しかしながら、時折、パートナーとの生活において、恋愛とは程遠い生活感のある会話ばかりをしていると、どうしても同僚が恋しくなった。私が同僚のことを考えている時等に、パートナーから話しかけられたりすることを鬱陶しいと思ってしまうぐらいには、気持ちが昂っていた。



悲しいことに人間は欲深いもので、日が経つにつれてもっと相手と近づいてみたい、という気持ちが募っていった。

ある日、同僚から、ご飯の誘いを受けた。

私はここで、一度立ち止まってみた。


「どこからが浮気で、どこまでは浮気ではないのだろうか。」


今考えると馬鹿なことを考えていたと思うが、当時はその境目さえぼやけて見えていたのである。



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