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野火/大岡昇平



積読本📚の中から、大岡昇平さんの小説
「野火」を拝読しました📖´-
(2022,8,13 読了)








こちらはLINEオープンチャット「読書会 すみれ」の中で開催されるオンライン読書会の課題本になったので購入し拝読しました。
短い物語なのですがここ最近バタバタしていたのと、哲学的な要素が多く読むのに時間がかかり、読書会開催日ギリギリでやっと読了できました。




著者のフィリピン戦線での体験をもとに描かれた物語です。
簡単に言うと、これが戦争というもののリアルなのだろうと思います。
私はどちらかというとグロテスクな描写が苦手で、そういう箇所は読み飛ばすか始めから拝読しないのですが、本作はグロテスクな描写が所々に散りばめられているにも関わらずすんなり拝読することができました。



主人公が過去を想起しながら語られていて、起こった事を鮮明に淡々と書かれているのですが、自身を客観視しているので私も淡々と客観的に拝読できたのかなと思います。
人間が極限の状況下に置かれるとこんな風になるのかもしれません。
一歩引いて、俯瞰して自身も全体も見る感じ。



漠然と戦争自体が良くないものだということはみんな周知していることですが、本作を拝読して更に人間の起こした最大の罪であると感じます。
自分の意志とは関係なく動かざるを得ない状況、本当の孤独を味わった時の絶望感は想像を絶するものでしょう。
しかし、そんな状況下でも逃げ出せないというのはただの思い込みに過ぎないとも感じました。



主人公は一度は死ぬことを覚悟して、ただ死が訪れる日をまっていたのですが、逃げ出せるという可能性が1mmでも見つかったらやっぱり生きるという希望を見出していきます。
生きるために過酷なことを受け容れ乗り越えていかねばならないけれど、生きる可能性がほんの少しでもあるのならやっぱり生きたいと思うのが人の本音。



まだ私はここまで極限の状況下に置かれたことがないのでなんとも言えませんが。。。
どんな時でも逃げる可能性が全くないのか考えれるようにはしたいと思いました。
あぁ、でもどうなんだろう。それすらも考えれなくなる時もあるのかもしれません。
これは何が正解かという結論を出すのはなかなか難しい。




本作を拝読中に偶然ではありますが、ひとまず私は極限の状況下まではきてないけれど、限界を越える前に逃げ出すという選択をしたところです。
自分の意思に反して動かざるを得ない状況はもう無理だなと。
これもまた偶然なのですが、併読しているノンフィクションの本も極限の状況下に置かれた人のお話でして。
なんとなく、こんな極限の状況下になる前に気付きなさいと本作と併読本からメッセージが届いているような気がしました。



「野火」を語るにはまだ私の読みでは到底足りないでしょう。
また時間を置いて再読しようと思います。












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