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歴史の望遠鏡

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この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。
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#大河ドラマ

たった一人で扉を開ける(1)

たった一人で扉を開ける(1)

日本でいつからちゃんとお金が使われだしたか。考えてみますと多分、室町時代じゃないですかね。
「明銭」というのがありましたよね。
清盛の時代は宋銭でも貿易商人や一部の貴族に「お金」は浸透していたのですが、商品経済が発達してきて、民衆レベルで商品取引の対価が必要になってきた。明のお金でもなんでも必要に迫られて、使っちゃえという感じだと思います。実はそれより700年も前に日本では「和同開珎」というお金が

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コミュニケーター

コミュニケーター

今でこそ、マスコミなんていうとえらい感じで、カタカナ商売の最右翼なわけですが、そんなの最近で、広告代理店なんか戦前はヤクザに等しいというか、とにかく全うな商売ではなかったわけです。
これが、もっと昔になるとベースになる状況が著しく違う。
まずマスコミがない。
「日本書記」なんていうのは元は一冊ですよ。出版とは違って一冊づつ写していくしかないから誰でも読めるものではない。詔勅(天皇の公式発表)を出す

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更なる恐怖の時代

更なる恐怖の時代

平安時代の貴族にとってさらなる恐怖は地方で頻発する武士の反乱でした。
平将門しかり、藤原純友しかり。人を平気な顔して殺せる奴とか信じられないわけです。(もちろん平気ではないでしょうが、祟りが怖くないとかもう人間じゃない。)
さらにその向こう側にいる蝦夷の大酋長アテルイなんていうのは感覚としては鬼、獣、魔物に近いくらい。※1

ところが、この地方の脅威を感じつつも、近くの祟り(平安京に跋扈する怨霊)

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