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歴史の望遠鏡

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この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。
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#宗教改革

たった一人で扉を開ける(2)

たった一人で扉を開ける(2)

「人類は未来にタイムトラベルを実現させるのではないか。」歴史の中には、そう思わずにはいられないほどの異常人が何人か登場します。ロシアのピョートル大帝、清の康熙帝、アイユーブ朝のサラディンなど、驚異のマルチタレントで時代を一気に進める様は未来を知っているもののようです。
日本史においてはひとり、織田信長で、その意識を伺うにあまりに現代人に近い。
桶狭間の戦いや長篠の戦いが有名ですが、戦国武将などは彼

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宗教改革(2)

宗教改革(2)

そして前述の信長。この人は宗教権力をまるで信じてなかった。当時としては非常に珍しいタイプの人で、それゆえ扱いも他の敵と一緒、いや兵卒にいたるまで信仰をもっている分さらに苛烈な攻撃を行い、比叡山延暦寺で3千人、伊勢長島、加賀、石山本願寺などでさらなる大量殺戮を行います。

おかげで清盛、信長とも「仏敵」と言われ、いらない敵を作り、いい死に方をしてないですから「仏罰」が下ったなどと世間から評されたりし

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宗教改革(1)

宗教改革(1)

比叡山延暦寺にバイクでいったことがあります。とにかく山全体が寺なわけで、その中心といわれる根本中堂にいたる道もなにやらハイキングコース風で、道の脇に延暦寺の祖、最澄の絵物語みたいなのが描かれています。そして、人々はそれを見ながら寺々を巡るという、とってもディスニーランドに近い無駄のない楽しみ方ができるわけです。
(とはいえ、その絵は相当に懐かしいタッチで描かれてますが、、。)
根本中堂に入ると目に

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