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【604/1096】考えることで防衛する

誰でも心はガラスのように繊細なので、
心を守るための防衛機能は充実している。
ちょっと触っただけでグラグラとして簡単に壊れてしまうし、傷がつくと長く残る。修復するのにも慎重に少しずつしないとまた壊れてしまう。
だから、強力な警備(防衛機能)が必要なのだ。

危険や受け入れ難い不快な状況、欲求不満。
これらに遭遇したときに、自分の心を守るために無意識に防衛する。

人はひっきりなしに、不安だったり恐怖だったり、怒りや悲しみを感じる生き物なので、警備するのはものすごい忙しいことだろう。

防衛するのはけっして悪いことではない。
旅行に行くとき、警備の人が飛行機に乗るのに手荷物検査をするのは、銃やガソリンやマッチを飛行機内に持ち込まれたら大変な危害につながるからで、それを没収して制止するのは大切だ。
けれども、あまりにそれが強く、習慣的に使うようになると大きな問題になる。
手荷物検査ですべて没収されたり、すべての人が警備を通れなくなったら大きな問題になるのと同じである。

心を守る機能にはいろいろあるのだが、
その中に、「知性化」というものがある。
不快な感情、欲求などを正面から受け止めようとせず、難しい専門用語や、データを調べるなどの知的活動をすることで、不安をやわらげようとする働きのことだ。
一日中、インターネットを検索してありとあらゆる情報を収集しようとしたり、関連記事を読み漁ったり。
そうすることで、責任や罪悪感から逃れて、怒りなどの隠れた本能的な欲求が噴き出してくるのを防ぐのである。
こういう人は、専門家と知識で張り合って困らせたりする。
でもそれが、飛行機の乗客が、自分で運転したいと言い出すのと同じことだとは理解していない。

知性化をする人は、自分の内面を覗こうとしない。
考えることで逃げ、自分の視線はつねに外部の世界に向いている。
森をみないで、木をみている。
知的には満足するが、実際には変化しない。
変化のための行動はしないので。

これが防衛機能だと理解するのが大事だ。
私はこの防衛機能が相当強いので、自覚していないと、どんどん専門的にのめり込んで知性だけ満たそうとしてしまう。
知性は満たされるが、実際には自分の問題は解消されない。
常に先送りしている。

知性が満たされると、自分がどうしてこうなのか?という原因がわかることが多い。
なるほど、そうだったのか!と原因がわかってそれが解消するということはほとんどない。
なんども言うけど、知性は満足するが、原因がわかってもすでに結果として出ている現実を変えることはない。
現実は、行動により変わる。

ダイエットしたくて、ダイエットの情報を集め、自分がどうして太ったのかの原因がわかって、その対処方法(食事やら運動やら)の知識も理解したとして、それを実行しなければ実際には痩せないのと同じである。逆に原因などわからなくても、行動すれば痩せる。

「日常で息を止めないほうがいい」と頭で理解していても、
いつか息が止まらなくなるといいなあと頭で考えていては、息がとまり続ける。
実際に息を止めないで生活するには、そのための身体をつくり、自分で動きを変えていく必要がある。
でもそれはなにも難しい動きを一からすべて覚えなければいけないわけではない。
ただやるだけなのである。

防衛機能に邪魔されているのだったら、その防衛機能は今に合わせるように変化させる必要がある。
それは今まで手にしていた武器を捨てて無防備になることのように感じて恐ろしい。
けれども、それはクリアしないと次には進めない。

結局ただやるだけである。

では、また。

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