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サリンジャー著・村上春樹訳〝The Catcher in the Lye〃/17歳の憂鬱

古い本だけど、未だに書店で平積みで売っているところをみると、現在進行形で読まれている本、なのだと思われます。
40代の頃だったか(年輪を重ねすぎてわからなくなってる^^;)喫茶店に置いてあった本書を斜め読みした事があるのですが、内容を全く覚えていなかったという事がわかりました。笑

<story>
主人公ホールデン・コールフィールドは17歳。
なんらかの病気(精神の病?)で療養中。
単位を落として寄宿学校を退学になり、実家に帰り両親に会うのを先延ばししつつ帰宅するまでの数日間の出来事、その間の心象風景が描かれています。

story自体はあってないようなもので、取り止めもない呟きが淡々と繰返される。
これは、読者を選ぶだろう小説かな〜
私の家族はたぶん誰一人読まないだろうな〜^^;
起承転結がないと嫌!という向きには好まれない作風でしょうね。

おそらく村上春樹は、彼の好みの作品だからこそ訳しておられるのでありましょう。なんとなーく、村上節の香りがします。ハルキストの方にはたまらない1冊なのだと思います。

✳︎✳︎✳︎

主人公は、今で言うところのHSPなのか、全ての事にとても敏感。社会や親や教師に対する猛烈な反発心に囚われており、ややもすると危険な香りが。
しかしその反面人恋しい気持ちも強い。思春期特有の自己矛盾を抱えているようでした。

あの頃の、自己の内面における子供と大人の狭間で揺れ動く心のあり様(社会や親に対する反抗心)を、私自身は抑圧していたためあまり感じずにいつのまにか社会に順応してしまった(したように感じた)感があります。

しかし、ことさら純粋で敏感な人にとって、この社会は何もかもが、主人公が言うクソみたいなものかもしれません。

最近は特に、567の真実、ワクチンの真実、旧統一教会の存在、政治との関わり、何もかもが不透明で嫌になりますね。(いつの時代も同じかな)

この小説では、ふとした瞬間に主人公の「狂気」を感じさせる場面もあり、若者のこうした狂気がどこへ向かうのかがとてつもなく重要案件である事に思い至ります。
その狂気は、外へ向かっても自己へ向かっても非常に危険なものだから、気をつけないといけない。

しかし、ではどうしたら彼のような人を救えるのか?いや、救うというより、このクソッタレな世の中にどう順応させてあげられるのか?
うーん、全くもってわからない。その事が悲しく悔しいです。
正解は誰にもわからないとはいえ。

思わず、昨今の、無差別殺人事件などへ妄想が発展してしまったけれど…
コールフィールドのような感性の鋭い人は、その才能を、うまくすれば別次元で開花させられるのではないか?

な〜んて事を思いました。
(感想は自由ですよね!^^)

とりとめもなく書いてみました。

それでは今日はこの辺で。
最後までお読み頂き
ありがとうございましたました❤︎

<追記>
実は、野崎孝訳の「ライ麦畑でつかまえて」も間違えて?買ってしまいました。少しだけ読んだのですが、
「赤毛のアン」を彷彿とさせる言い回しで、そちらも気になります。
そのうち、読んでみようかと思います。