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恩蔵絢子著「脳科学者の母が、認知症になる」を読んで

脳科学者として感情の研究を続けて来られた著者のお母様が認知症を発症。
母の介護に奮闘しながら
時に翻弄されながら
研究者目線プラス1人の人間として娘として、冷静に人間観察を続けておられる著者の、介護日記です。

以前、こちら↓で書いた、

こちらのお話↓

施設に入っているお年寄りが10人いたとして、全員に鉢植えのお花をあげ、
Aグループには「水やりなどのお世話は全てお任せしますね」と言い、Bグループには「お世話は私たちがしますから、何もしなくていいですよ」と言う。
すると、お世話をしていた方達は活き活きし、お世話しなかったグループは日に日に元気がなくなって行った

なんと、
この研究に携わった方の紹介が書かれていてびっくり。
私の記憶合ってた~♬
エレン・J・ランガーという方の研究だそうです。

希望通りに身の回りを整えてあげる事」が、本人を幸せにするのではない。
失敗してもいいから、「自分に選択権があって責任を持って生活できている事」で幸福度が上がり、活動的になる、という研究結果が出たというお話。
ここは、個人的にかなり盛り上がってしまいました(笑)

以下、心に響いた文章を引用します。

⚫︎認知症の人に最後まで残る「感情」、それは、優れた対処能力である。
⚫︎絶望の淵から光を見出し立ち直れるのは、感情が豊かな人である。

感情の豊かさが我々の人生の役に立っているという証拠がある。(パートナーがエイズを発症し、もう看取るしかないという状況に置かれた人々の感情の研究において、その99%が、絶望の中にあっても明るい感情を持つ事が出来た。
現実に意味を持たせたり、看病する中で小さな幸せを見つける能力に長けていた。
綺麗な夕日をみて美しいと感じたり。そんな人ほど、パートナーが亡くなった後、絶望から立ち直る時間も早かった。

⚫︎ひとつの出来事に、どれくらい多くの感情を感じる事ができるか。それはこの世の中を生き抜くひとつの知性である。
⚫︎たくさんの種類の感情を感じられる人ほど、挫折からの立ち直りが早いと言われている。

✳︎✳︎✳︎

私は、自分が感情を抑えるタイプであったため、感情を素直に、あるいは剥き出しで表現する人を今まであまり好ましく思えませんでした。
感情を抑えられるのが大人だと思っていたのです。
どちらが正しいかはわからないし、それぞれがそうしたければすればいいというだけの事な訳ですが、
感情を表に出せない自分の性格を、ネガティブに捉えていました。

でも、
私は、感情的な表現はあまりしないけれども、実は内面は感情が豊かなのかもしれない(自分で言うなって?^^;)
だから今までどんな状況の時も乗り越えて来れたのかもしれない。
私はこんな私でよかったのだと、
肯定してもらったような気がしました♡

過去、時に繊細で傷つき易い事が
生き辛さに繋がっていて、
それが私の短所だと思い込んでいましたが、
これでいいんだって事なのかなぁと。

そしてこれって、
自己理解、他者理解に注力されている多くのnoterさんに通ずる事なのではないかと思いました。

「感じる」資質がなければ、
何も書けないですものね^ ^

恩蔵さんによれば、
物事に対する感情が豊かである事が、ひとつの知性であり、
挫折から立ち直れる人間
なのだという事です。ふむふむ。

って、アレ?
話が逸れちゃった。てへ。(^_^;)

さて、話を本題に戻します。

この本を読んでわかった事は、
認知症は脳の損傷や、アミロイドβの過剰な蓄積などによるもの。
主に海馬の機能が失われる事で生活に支障が出るが、
本人に感情が残っているならば
その人の本質が失われた事にはならない。
それまで当たり前に出来ていた認知や記憶や動作が出来なくなっても、
尊厳は失われないという事。

✳︎✳︎✳︎

認知症について理解を深めるつもりが、結果的に自分が励まされてしまった、という、
なんともめでたい結果になりました笑

それではまた。
今日も、ここまで読んで頂き
ありがとうございました❤︎

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