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中野信子著「ペルソナ」 心の闇と向き合う事

ペルソナとは。

ペルソナ(英: persona)とは、カール・グスタフ・ユングの概念。ペルソナという言葉は、元来、古典劇において役者が用いた仮面のことであるが、ユングは人間の外的側面をペルソナと呼んだ。
(Wikipediaより)

読んでみて…
賛否両論ある本だろうなぁという感想。

「ペルソナ」という言葉の説明はありませんでした。
全部読んで、解釈してね、という事なのかなと思いました。

「ペルソナ」というタイトルにされたのは、
ご自分が仮面を被っているという自覚があり(全ての人が多かれ少なかれそうなんだと思いますが)
他人に映った自分と、本当の自分との乖離に苦しんでいる事を表現したかったのだろうか?
と解釈しました。

実は、途中で読むのを辞めようかと迷った瞬間もあったのですが(あまりに毒を吐いておられるように感じたのでちょっと嫌な気持ちになったから)

以前、子供の頃の愛読書「赤毛のアン」を大人になってから再読した折り、
あまりの子供っぽい文章に辟易し
投げ出したくなるのを堪えて読んだ結果感動して号泣してしまった経験があるので^^;
基本的には
出来るだけ最後まで読むようにしているので、がんばって?読みました。

その結果、途中共感を覚える箇所もありましたが、↓(原文のままではなく、私が短くまとめた文章です)

勝ち組、負け組という言い方は、あまり好きではない。この言葉には、稼いでいなければ生きている価値がないとでもいうかのような野蛮な響きがある。
同様に、働かざるもの食うべからずという言葉も大嫌いだ。
社会、世間に対して何か供するものがなければ死ね、とでもいわんばかりの、豊かさとは真逆のところから出てくる発想が何とも悲しい。
(中略)
あえて勝ち負けをつけるなら、
自分が興味を持っていることや楽しい事に取り組みながら、その人に与えられた生を生ききった者が勝ち、ではないか。

↑ここは、凄く共感を感じました。

しかし、全般にわたって
誹謗中傷、妬み、そねみの類いの言葉を浴びかなり傷ついておられる事がひしひしと伝わってくる内容。
美貌も優秀な頭脳も持ち合わせていない私には共感とまではいかないけれど、
その痛々しい心の内は想像できました。

しかし、繰り返しますが、
彼女の熱を帯びた毒々しい言葉はとてもきつく、
こんなに激しい言葉を書いて
大丈夫なのだろうか?
怖くないだろうか?
と心配になるほど。

きっと、そうせずにはいられないものが、彼女の心の中でマグマのように燃えさかっているのでしょう。

美貌と優秀な脳を備え
メディアで活躍するという事は、
想像を絶するご苦労があるのだろうとお察しします。

って、なんか冷たい書き方になってしまったかもしれないけれど、
脳科学と心理学が融合したような、
中野信子さんのお話はとても興味深いものばかりで、好きなんです。

中野信子さんのこれからの益々のご活躍をお祈りします。

ここまで読んでくださり
ありがとうございました♡

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