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まほうの穴-5「ある一過性のぶどうゼリーの中で」

ある一過性のぶどうゼリーの中で

赤紫色のぶどうゼリーの中を
必死で泳ぐけれど
どこまで行っても甘ったるくて
窒息しそう

でも、溺れている場合じゃない

あふれる果汁は
どうしようもないほど
確固たる「ぶどう味」

確信を持って進むんだ


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何かを乗り越えようと必死にもがいているとき、前へ進んでいるつもりなのになかなか先行きが見えないとき、昔はよくゼリーの中で溺れているような気持ちになったものです。

それは液体というよりは、もはや固体に近い。
(正確に言うと、エアロゲルというらしいです。)

前もよく見えず、まるでどぎつい色眼鏡をかけているようで、味も濃く甘く人工的だったりして、普通の水の中で溺れるよりも困惑します。

けれど、実は自分が溺れるゼリーの味は自分で決めていて、すべて自作自演です。

そう、大人になってからふと気づく瞬間がありました。
もしかしたら、私たち一人ひとりが、自分で作り出した一過性の濃いまったりしたゼリーの中に、自ら飛び込み、悲劇の主人公を演じているだけなのかもしれません。

俯瞰して見ると、おもしろい光景ですよね。
目の前にゼリーを作り出しているのは自分。
つまり、障害だなと感じているのは自分自身の捉え方。
そして、そこから抜け出さないと決めているのも自分。

このゼリーからさっさと抜け出して、体にまとわりついたベトベトを洗い流して、次のステージへと進むと決めれば、案外あっさりとゼリーは消滅します。

さぁ次のステージへと進むと決めるのは、あなたです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今後も不定期ですが、書き溜めた詩を発信していきます。

今日もあなたにとって素敵な一日になりますように。

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