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工作

工作は、手先をよく使う。手指や手掌の感覚過敏があったり、それがとれてきても不器用だっりしたころは全くやろうとしなかったが、折り紙を三角に折れたら「ありがとう!これでママは工作が楽になるよ!」と言いながら千羽鶴を作ったり、コースターを作ったりしていると、三角1回しか折れなかったものが2回になり袋折りになりして、ついに鶴が折れるようになる。折り紙を触りだしてから10年くらい経っていた。

そうやって、工作を続けてきてよかったと思うのは、手先がかなり器用になったことだ。(ほんとは頭がよくなるのを期待していたのだが)

器用になった手先は作業所での作業に活かされ、重度知的障害とは思えないほどの工賃をもらってくる。作業所での作業は、内職をみんなでやっているみたいなもので、1工程仕上げて何銭という安いものだ。それでも数をこなすことができれば、それなりのお小遣いになる。歩合制(作った個数分)で工賃をもらえるので、本人の通所モチベにも大きく影響している。これは十数年の我慢と努力が無駄にならなかったと思える唯一のことかもしれない。

生まれてから20年近く。いろんなことを教えてきたけれど、ほとんどすべてのことが中途半端な状態で進めなくなったり、逆行退化したりして、身になったとか有効だったとか自慢できるものはほんと少ない。

ある意味それは、行き戻りを繰り返し、それでもなかなか習得できないという重度知的障害を伴う自閉症というものの証明でもあるのだが、親としては是非とも習得してほしいことだってある。それが手先の器用さだったので、この件に関してはそれなりに「努力の甲斐があった」と思える。

最近は作業所で手先を使った作業を十分な時間こなしているので、自宅で工作を継続して「させる」ことはしていない。それでも月にひとつくらいは作っているので、どんなものを作っているのかをときどきはアップしておこうと思う。


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8月 くす玉

なぜかこのくす玉が気に入っていて、なにかあると「くす玉作ります」と言っていきなり作り始める。できあがったものを人にあげるのがうれしいようだ。今年は「ふさ(タッセル)」も手作りした。大阪在住でコロナ以降なかなか会えない父方祖母に贈るために作ったのだが、母方祖母には贈らないようだ。こういうところで、誰に対して「普段仲良くしてもらってる」という感覚を彼自身が持っているかがわかってしまうのが微妙。


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7月 天の川

最初は星を折り紙で折ろうと努力したが、なかなか難しくて折れなかったので、星形のクッキー型を使って大きな星を。クラフト用のパッチンとする道具で小さな星を作った。あとは、黒画用紙にのりを適当に塗って、その上に並べていくという簡単なもの。
それでも、出来上がったものを壁に貼ると、なかなか素敵なインテリアになった。うちに遊びに来た来た友人は「センスいい」と褒めてくれたので、お世辞とはわかってても良しとすることにした(笑)


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6月 カエル。

こんな風にしたら素敵じゃない?と提案すると、レイアウトは彼が自分で考えた。レイアウトから考えるのは今年が初めて。成長したものだ。
カエルを折るのが難しいかと思ったが、1人で折り紙の本を見ながら勝手に作っていた。たくさん作りすぎたので、余ったカエルでぴょんぴょんレースを楽しんだ。


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5月 鯉のぼり。

ほんとは縮緬の端切れを使って、ちゃんとした縮緬細工の吊り飾を作りたかったのだが挫折。本人はそれなりにやる気があったのだが、教える方が先に挫折した。結局折り紙で例年のように吊り飾兼風鈴のようなものを作って飾った。
ちなみに、横にある灯籠?も彼が作った。中に豆球が入っていて、夜はわりと風流な感じがする。回る台につけてやればよかったかも。




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