色とりどり花

女子が接する性的メディア|ネット時代の性教育と人権

2-1.H大好き、でも子ども時代は奥手

「Hは色々な人と試してみたいんです」
明るくこの言葉を発したのが、目の前で微笑む女性とはにわかに信じられなかった。アユミ(仮名・21歳)は目がパッチリと大きく、髪型はつやのあるボブ。ほっそりとした体つきで、肌は抜けるように白く、お人形さんのようなルックスだ。東京育ちで中学校から難関私立大学の付属に通い、現在は文学部の4年生。大手出版社から内定を取得済みだが、「広告代理店も捨て難いんですよね」と就職活動を続けている。

高校生の頃から彼氏が途切れず、同時並行で他の男の子たちとも関係を持ってきたアユミ。子どもの頃から性的メディアに興味津々だったのかと思いきや、決してそうではないという。

小5のときにファッション雑誌で

「小学校5年生のときに、『セブンティーン』という雑誌で初H特集を読んだのが最初です。4年生ぐらいまではみんな『ニコラ』とか読んでたんですけど、高学年になると『セブンティーン』に移り変わりました。浜崎あゆみとか、うちらが好きなアイドルをよく特集していたから。その中に性情報が色々載っていた。初めて読んだときは、気持ち悪い感じがしました。絶対こんなこと私には起きないだろう、と拒否反応があって、逆に潔癖っぽくなりましたね。いまこんなこと言うと、なんかおかしいんですけど。」

「私、小学校時代は好きな男の子が全然いなかったんですよ、ジャニーズの方が好きで。高学年くらいの男子って気持ち悪いじゃないですか。だから身近な男の子とそういう行為をやるなんて無理だし想像も出来なくて、すごく嫌でした」

「妊娠の仕組み」はわかっても、性交については……

アユミが性的な知識を得たのは、周りの女子よりも遅い方だった。

「『そんなことも知らないの』とクラスの子によく言われて、ショックでした。どうやって子どもを作るかとか、中学受験の勉強をしていたから理科的には知っていても、それがどんな行動に結びつくかはわからなかったので。」

「その点、兄や姉がいる子は早かったですね。友達は、中3のお兄ちゃんが部屋で彼女とHしているところを見てしまって、学校で言いふらしていました。小学生の頃って皆に言いたいじゃないですか。それほど衝撃的な体験だったんでしょうけど」

お兄さんも、まさか妹に言いふらされているとは思いもしなかっただろう。


【アンケート】初めて性的メディアに接した時期(女子)

女子学生が初めて性的メディアに接した時期として最も多いのは、「小学5年生未満」の31%。小学生の早い段階で性的メディア初体験を済ませる傾向は、男子と変わらない。きっかけは、拾ったり、家族が持っていたり、子ども向けの雑誌に載っていたり。現代社会が、子どもでも性的メディアを目にしやすい環境になっていることの表れだろう。


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