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「行きつけのローカル」をつくる

こんにちは。
久しぶりにnote書くのって、ちょっと気合入りますね。
基本的にnoteに対しては、

書きたいときに書けばいい

をモットーにしているので、間が空いても特に焦りはないんですが
8月に何をしていたかというと、ものすごく書いていたんです。
大きな「書き仕事」をいただいたおかげで
くる日もくる日も、原稿、原稿。
そうなると、noteに書きたいことだって多々あるのに
結局、キーをたたく手が止まるというのが、不思議な発見でした。
改めて思うんですが、文章を書くのって一種の排泄行為なんですよね。
自分の中にある喜びとか淀みとか
そういうものを文章にして発散してしまえば、
一気に心が軽く、楽になる。
仕事が終わって一息ついて、
「さて、note書こう」ではなく、「あー、ワイン飲もう!」となるのが
我ながら人間らしいねぇと思うのでした。

そんな間に夏は過ぎ、
コロナ禍をなんとか乗り切って頑張っている者同士、報告会をしようと
代理店Hやテレビ局Nに務めているビジネス欲旺盛な友人たちと
静かにお酒を飲む会を開催しました。
こういう業界に勤める人って何が面白いかというと、
一つ一つのワードが強いこと。
“パンチライン”というのでしょうか、
話す言葉の節々に、メモしたくなる言葉が満載で
飲みでも打ち合わせでも、書く手を止めることができません。
この日のメモには勢いのある文字で

向き不向きより、前向き!

とか

human stageをあげるんだ

とか、暑苦しい言葉が並んでいます。w

「今どきの30代はクールでノリ悪い」とか誰が言ったの。
アッツアツです、この人たち。
コロナに負けるなどころか、今どんなヒントや活路が?!と
ギラギラしている友人と共に過ごし、
すっかりやる気がチャージされちゃったのでした。

ところで、メモしたパンチラインの中で最も納得できたのが

行きつけの土地を作ろう

でした。
リモートワークが恒常化し、
単身赴任廃止の会社や、本社機能が地方に移った会社もあります。
「わぁ、今ならどこにだって住める!」と
私も一瞬思ったのですが、実際問題としては東京に住むしかなさそう。
仕事のこともありますが、東京が好きなんですもん。

しかし、この言葉を口にした代理店の彼が言う意味は少し違いました。

「日本人みんなが、“マイ行きつけの土地”をもてば、経済も暮らしもグッと変わると思う。住まなくてもいいんだけれど、半々の時間、もしくはしょっちゅう行くような土地。行きつけの飲み屋さんみたいに、地元の人から『今月も来たね、ようこそ』と言ってもらえるような。これが実現したら、いろんな流れが変わるんじゃないかと思うんだよね」

全面的に賛成です。

というのも、最近、毎週のように通う場所ができたからなんです。
葉山。といっても、ヨットやカフェがあるおしゃれなエリアではなく、
小さな漁港と、そこから少し離れた場所にある野菜の直売所に
毎週土曜の早朝に訪れるのが楽しいルーティンになっています。

葉山を「ローカル」だなんて言うと地元の方に怒られてしまいそうですが、
先日、無印良品のサイト「ローカルニッポン」で葉山のことを書いて以来
この地が急に、身近な存在になりました。

土曜日の朝5時に出て7時前に到着。パン屋さんで買ったパンをかじりながら
8時頃から道端に立つ魚の市で、面白そうな魚介類を少し買って
9時過ぎに野菜の直売所に寄って、そのまま帰途へ。
12時には自宅に戻っているという小さな旅は、
何度も繰り返すうちに旅気分は消えてしまったものの
代わりにたくさんのメリットをもたらしてくれました。

魚の三枚おろしがものすごく上達した

んです。もう、自分でも驚くほど。
以前、1日だけの三枚おろしレッスンに参加したことはありましたが
葉山で丸の魚を買うたび(道端の市なので捌いてくれません)、
徐々にですが、魚をおろすことが
大変ではあるものの苦ではなくなりつつあります。
カワハギ、オニカサゴ、太刀魚、カレイ、カツオ、つぶ貝、伊勢海老。
「初めての挑戦!」も毎週やってれば、
なに、今週は何おろすの?
くらいのドヤ顔をするようになるもんなんですね。

魚の知識も増えたし、YouTubeでも素晴らしい番組を見つけました。

相変わらずお元気そうな料理の神様、服部幸應先生。w
こんな素晴らしいプロジェクトをスタートされていたとは。
まんまと先生の思惑にのせられた私は、「さばける女」を目指してただいま爆進中。
このままいけば、全編、実践制覇しそうです。

葉山に通い始めたこと、魚の魅力にどハマりして抜けられそうにないこと、
ローカル旅が意外に簡単に日常化できること、なじみの土地があると毎日がすごく楽しいものに変わること。
私の近況に起こるこれらのことが、実はコロナの影響のもと、一本の糸でつながっている必然の現象だったということに
「行きつけの土地を作る」というワードを聞いた瞬間、気づいたのでした。

#ローカル #アフターコロナ #習慣にしていること #COMEMO #料理

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フードトレンドのエディター・ディレクター。 「美味しいもの」の裏や周りにくっついているストーリーや“事情”を読み解き、お伝えしたいと思っています。