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『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』書評

こんにちは!ブリキャリコーチの首藤繭子(Mayuko Shuto)です。

私は、小学生の頃、結構本が好きで中学受験中も推理小説をよく読んでいました。その後、小説を読む回数は大きく減ってしまいました。
しかし、証券アナリストやコンサルタント時代、プロフェッショナルとしての研鑽のために本を読むことを上司や先輩方から強く薦められたおかげで、最近は読書の習慣を徐々に戻してきました。

今後は私がブリキャリの観点でおススメの本を定期的に紹介していきます!


『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』(ジュリア・ケラー著、日本経済新聞出版)

「やめる」という言葉に、なんとなくネガティブなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?この本は、やめることに関しての意識を一新する、画期的な本だと思っています。

『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』は2023年5月に日本経済新聞出版から出版されたばかりの本です。著者のジュリア・ケラーさんは、ピュリツァー賞の受賞経験もあるジャーナリストです。ケラーさんは、ご自身の19歳の時の苦しみながらやめた経験をもとに、科学的な証拠と様々な「やめる」経験をされた人々へのインタビューをもとに本作を完成されました。

なぜやめることに関して意識を一新する画期的な本なのか?

それは、世の中で成功する人の多くは諦めない人と言われ、諦めずに続ける大切さが教育から仕事の現場まで至る所で説かれているためです。
やめることがよくないという認識が広まっているのは、日本だけではありません。勤勉さを重視するプロテスタントが浸透するアメリカでも同様です。例えば、2016年に出版された、アンジェラ・ダックワースさんの『GRIT 和訳(やり抜く力 GRIT(グリット))』は、成功するために大切なのは、優れた資質よりも「情熱」と「粘り強さ」と謳い、大ヒット作となりました。

『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』を薦める3つの理由

私は『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』を読み、以下の3つの理由で読んでほしいと思いました!

①やめることは始めること、と前向きに捉えられる

何かをやめるというと、立ち止まる、何もしなくなる、暇になるという印象を持たれるかもしれません。しかし、私たちは、既にこの何十年も生きてきて、色々なことをしています。限られた時間の中で、やめないと新しいことを始められないということを本著を読んで気づかされました!
アップル創業者のスティーブ・ジョブスさんがスタンフォード大学卒業式でのスピーチで語られた「本当に好きなことを見つけよう(You’ve got to find what you love. )」は有名です。そのスピーチの中では「妥協せずに探し続ける(keep looking don’t settle)」と言っていて、探し続ける過程にはやめることも自然と入っているはずです。

②やめるための実践手法が紹介されている

やめると決めても、踏ん切りがつかなかったり、うまくやめられるか不安に感じる方々も多いのではないでしょうか。
本作では、やめるための手法や準備の方法が幾つか紹介されています。
私がなるほど!と思ったのは「半やめ」です。オン・オフのように一気にやめるのではなく、もともと掲げていた目標を変更する、違ったアプローチを取ることです。
その他に紹介されていたことの一つに、「SNS依存をやめる」があります。何かを始めることをSNSで宣言すると、やめるときに周囲にどう思われるか心配になるから、余計にやめにくい。そもそもSNSで始めることを共有することから覚悟した方がいいと著者の考えに、ハッとさせられました。
私自身は、色々な領域に興味があって、割と腰が軽くて始められるのですが、多くはだんだん関心を失って自然とやらなくなっていっています。SNS上で始めたと書いて今はやっていないことを思い出すと恥ずかしく思ったことが数えきれずありますが、確かになぜSNSでわざわざ書いたのか?と思いました。

③何よりも元気づけられる

本全体を通じて、やめることに対するトーンがポジティブで、読むに連れて心が軽くなりました。多くの人の実体験がありのままに共有され、やめることに対して見方を変えるだけでどう人生が変わるかをリアルに感じることが出来ました!

『QUITTING やめる力 最良の人生戦略』は、何事もやめればいいと言っている本ではありません。あくまでも、やめることにより人生の可能性が広がるときがある、他人がやめることに対してどう思うかではなく自分の判断で行うべきだと言っています。

何かをやめることを悩んでいる方は、特に読んでみてください!

最後まで読んで下さり、ありがとうございます!


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