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ひとひら小説

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これまでのひとひら小説をまとめました。400字から1000字の掌編です。
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2023年9月の記事一覧

ひとひら小説 「階段ぶん」

原稿用紙一枚分、400字の小説です。今よりずっとロマンチストだったときに書きました。 「お…

ひとひら小説「バター飴の休日」

原稿用紙1枚と半分の小説です。今よりずっとロマンチストだったときに書きました。 「いって…

ひとひら小説「わたしの金魚」

800字の小説です。西荻窪に住んでいた頃に書きました。 温泉やプールに行くときは、紅いペデ…

ひとひら小説「花火ともだち」

800字のおはなしです。 今朝、ドレスのリボンを結びながら母が「あたしはあんたと賢ちゃんが…

ひとひら小説「七日目の花子」

雑誌の占いに「厳しく辛い時期は終わり、9月後半に素晴らしい出会いが」と書いてあった。 そ…

ひとひら小説「花子の特性」

800字のおはなしです。花子シリーズです(シリーズだったんかい) 更新順=時系列順ではないで…

ひとひら小説 「花子の今日あったこと」

私の電車はいつも23時以降を走る。 電車のなかでフェイスブックを見る。今日あったこと、昨日あったこと、みんなの23時以前。 「最近どうですか?」 今日、ランチしてるとき、後輩が遠慮がちに聞いた。 「どうってなにが」 「プライベートのほうは……」 「んー。また電話しちゃったんだよね、あのひとに」 「あー」 後輩(新婚)が心底、気の毒な顔をしたから、私は慌てて補足情報を付け足す。たとえば、気の毒さより、私の一途さ、それだけの大恋愛だったこと、そういうのが伝わるように。 「