ひとひら小説「花子の特性」
800字のおはなしです。花子シリーズです(シリーズだったんかい)
更新順=時系列順ではないです。
木田花子はお菓子メーカーの商品開発部に勤める29歳独身である。
花子はさっぱりモテないが、87歳の祖母に言わせれば、それは花子に「陰がない」からなのだそうだ。「花ちゃんはもっとさみしそうな顔をしなきゃ。男の人に僕がいなくちゃ、と思わせるのよ」というのが、祖母の口癖である。
しかし、である。
花子にだって、悲しくてさみしい夜もあるのだ。「ごめんね、蒲田くんに告白された」と佳澄に