最近の記事

義母と娘の見えない糸

義母98歳の冬、長女が突然亡くなった。夫の姉のことだ。 わたしは、昨年、公民館のエンディングノートの講座を受けて、漠然としていた老後への不安があからさまになってきているところだった。「かぁちゃんが長生きすると俺の方が早く逝くこともあるから、そうなると色々大変ばい。」そんな話をしたばかりだった。 そして「ほら、やっぱりこんなこともあるやろ。」と義姉が亡くなったことを淡々と伝えてきた。悲しむ前に、今度は自分の母にそのことをどうやって伝えるべきか、不器用な夫はとても悩んでいた。 義

    • リタイア後、親がいる施設に再就職

      夫は退職して、しばらく家にいたが、現在は一年前に施設に入った義母の施設で働いている。その施設のオーナーが同級生で「暇してるならうちで働いて。」と申し出てくれたのだ。 と言っても義実家は100㎞離れているので、通うわけは行かず、『多分断るだろうな~。』と思っていたらなんと二つ返事で「行こっかな。」と即決した。昨年の秋から、30年以上住んだこの町をあっさり去って行ったのだ。ほんとに急な話だった。 『えっ?明日からひとり暮らし?ご飯作らんでいいの??』寂しさやこの家でひとりになる

      • テレビショッピングに勝てるのか?

        最近はYouTubeやアマプラ、ドラマだったらTverで見ているのでテレビのCMなどゆっくり見たことがなかった。 今日の昼間、たまたま実家でボンヤリ見ていた情報番組(多分BS)の後、始まったCM、オールインワンクリームの宣伝だった。よくあるシニア世代のお肌の悩みを1ヶ月で改善できると、わかってはいたけどこれでもかというほど畳みかけてきていた。 「◯◯さん60代は最初は半信半疑でした。」 いい入り… 長いなーと思いつつ、チャンネル変えるのも面倒で、コタツに寝転がっていた

        • さなえさんの戦い

          オットの母、つまり姑の名前はさなえさん。 大正14年生まれ、96才の超高齢者だ。 ひとりで暮らしている。 『ちょっと一泊だけデイに泊まってみましょうか?』 ケアマネが明るくさなえさんに尋ねる。このままひとりで置いておく訳には行かず、施設に入る練習をしようというケアマネの作戦だ。 もちろん、答えはいつも『NO』だ。 今、わたしたち夫婦で二拠点に近い感じで2時間離れた実家を行き来している。やっと要支援がもらえたぐらいで、介助なしの自立と判定されている。それでも昨年からの

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          久住リベンジ

          『二度と登山はしない!』 30年前に誘われるままジャージにスニーカーという軽装で登った久住山は初登山にもかかわらず強い雨に見舞われた。ずぶ濡れ、ドロドロの哀れな姿となり、最初から最後まで不機嫌な一日となった。『アウトドアの何が面白いのかまったく意味不明』と毒づきながらもギリギリ笑顔の写真はなぜか、今でも持っている。久々に見てみた土砂降りの中で仲間たちと写った写真は一気に20代に引き戻してくれた。あの時、山には登らないと宣言したはずだった。 あれから30年、また久住登山の機

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          『お金の大学』買ってみた

          ほぼ毎日見てる朝7時配信の両学長の本を今さらながら買ってみた。動画の復習のつもりで買ったけどまだまだ頭に入ってるのは数%かな。 この方のおかげでお金に対する考えが少し変化したし、行動に移せるようになった。もっと早く興味を持っていれば…今ごろ… とは言え、一年ほど前からすれば自分レベルで前進してる。固定費の削減(格安SIM、節税、保険の見直し、要らないサブスク解約→Amazon prime解約、NETFLIX 解約、JAF解約、新聞解約、そして寂しくなってAmazon pr

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          猫の引き際

          どれくらい猫が好きかというと、あきらかに路頭に迷っている子猫を見かけたらといったん通りすぎても、また戻って連れてきてしまう、そこそこ重症な部類だと思う。 保護した猫は数知れず、実家や友人をつてに猫のいる幸せをもはや強引に配達してきた。猫社界ではそこそこ噂になるレベルに達していると思うが「恩返し」的なものはまだもらった記憶がない。 今日書くのは今は亡き三毛女のメイのことだ。彼女はうちの前の山に姉妹で捨てられていた。推定3ヶ月弱ぐらいの大きさで、ふたりで住宅地をチョロチョロし

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          泣いてくれる人がいるのか

          「今日は母の葬儀でした」そう息子さんがホッとしたような顔でつぶやかれたそうだ。たまたま母が庭に咲いた花を先生のお宅に持って行ったらしい。自分が花を持って行った偶然を「虫が知らせた」と言って少し自慢気に話していた。 先生は同級生のお母さんだったので母とほぼ同じ80代半ばのはずだ。近所なので時々立ち話をする仲だ。わたしの中では先生とわたしの母の会話が成りたっているとは到底思えない。先生は近所でも垢抜け具合いがズバ抜けていた華やかな人だった。 何十年も会っていなかったけど、

          泣いてくれる人がいるのか

          「書く」習慣で脳は本気になる~を読んで

          まず冒頭にあった茂木さんが作家の椎名誠さんに似ていると言われて大喜 びしているくだり・・・「似ていない!」 ワイルドで男~って感じの椎名さんを追っかけていたわたしは全力で否定し た。似ているのはたれ目なとこと髪の毛がクルクルしているところぐらいでは ないか。ぷよぷよ茂木さん自身も椎名さんとは筋肉が違うという自覚があって 安心した。 茂木さんはテレビの司会やコメンテーターでお見かけするが本を読んだのは、たぶん初 めてだった。タイトルは完璧で、本気になりたい人は思わず手に取って

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          変態的に好きなこと

          昔から変態的レベルで好きなものがある。それは商品につけられているコピーを眺めること。結構繰り返し読んでしまう。本の帯とか、新聞の一面広告とか、洋服やクルマのコピーに感動して妄想を広げ、先陣を切って買いたいと思ってしまう。わたしみたいな単純思考回路の人もいるから物がどんどん売れるんだろうな。まんまと・・・て感じ。 そしてうっかりすると見逃してしまうお菓子の袋のコピー。 一時期は意識高い系生活にハマって成分表示とか見てたけど、今ではそこはあまり気にならない。 気になるのは裏に

          変態的に好きなこと

          子どものときに食べたおやつでできている。

          向田邦子を文字で読んだのは初めてかもしれない。『お八つの時間』昭和感に満ち溢れた感想です。 『お前はボールとウエハスで大きくなったんだよ』と祖母や母から言われていた邦子。 『お八つの時間』は彼女が何歳の時に書かれたの定かではないが(怠惰な性格ゆえ調べようとしない)子どもだった頃のおやつのことが詳細に書かれている。チャイナマーブル、新高キャラメル、動物ビスケット、板チョコ、棒チョコ、味噌パン、カラメル、落雁などなど、この時代にしてはなかなかのラインナップだ。 『彼女の手

          子どものときに食べたおやつでできている。