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はばたけ、出版企画書!!      ~アイルランド絵本パック・四冊目~

『Tales from Old Ireland』

本書は「アイルランド絵本パック」一冊目~三冊目とは異なり、7つの民話を集めた民話集です。しかし、既存の民話集と違うのは挿し絵がふんだんに使われているという点です。そのうえ、語り聞かせを目的としているので難しい言葉は使われておらず、小学校中学年、高学年を対象にしているところが大きなセールスポイントと言えます。
7つの物語はアイルランドならではの個性的な昔話ばかりです。アイルランド版シンデレラやアイルランド版こぶとりじいさんの話が収録されているのですが、妖精がヘンワイフ(鶏の世話女)に代わっていたり、やはりそこはアイルランドらしさが出ていると思います。
アイルランドの昔話ってそもそも、勧善懲悪の概念があまりなく不思議な終わり方をする話も多いのです。そしてけっこうダークな話も普通に出てくるので意表をつかれることもしばしば。下記にシノプシスも入れたので、おおまかな概要はつかめると思います。

それでは、『Tales from Old Ireland』の出版企画書いってみよーーー!


「Tales from Old Ireland」 企画書
【原書情報】
原書名:Tales from Old Ireland(アイルランドの昔話)
出版社:Barefoot Books
刊行日:2000年11月16日
ページ数:96ぺージ
ISBN-10: 1905236034 ISBN-13: 978-1905236039
 
【タイトル案】
かたりきかせ アイルランドのむかしばなし
 
【書籍概要】
(あらすじ)下記参照
 
 アイルランドは昔話の宝庫で、主に口承によって語り継がれてきました。作者もその点を前書きで強調しており、タイトル案にも『語り聞かせ』ということをあえて織り込んでみました。下記の『類書』の欄でも記しましたが、子供向けに書かれたアイルランドの昔話集もすでに出版されていることは確かです。しかし、調べれば調べるほどに小学校中学年、高学年用に作られたものが少ないことがわかりました。本書を手に取ってまず目につくのが、愛らしいイラストだと思います。本文の中にも読み物でありながら挿し絵がふんだんに使われていて、まだまだ絵を楽しみたい年齢層の読者のニーズにも応えることができると考えます。さらに本書を読むと、アイルランドの昔話がいつも勧善懲悪や教訓話ではなく、ときにハッピーエンドですらないということに気がつくでしょう。アイルランドでは昔話は子供のためだけでなく大人も楽しめるりっぱなエンターテイメントとして『おもしろい物語』という要素が重要視されてきたからなのです。7つの昔話からなる本書にはアイルランドでは誰もが知っている「リア王のこどもたち」や、アイルランド版シンデレラ「フェアとブラウンとトレンブリング」、アイルランド版こぶとりじいさん「ラスモアと妖精たち」からやや変わり種である「カワウソのむすことオオカミのむすこ」「とこわかの国のオシーン」までアイルランドならではの多種多様な話が集められていて、アイルランドの魅力を存分に味わうことができます。試訳として「リア王のこどもたち」、アイルランド民話上の半魚人が登場する「たましいのかご」を語り口を変えて用意してみました。
 なお、アイルランドのLiterature Irelandという機構では、アイルランド人作家の書籍を翻訳出版する出版社に対して、翻訳料を援助する助成金制度があります。申請時はできる限りご協力させていただきますので、こちらのほうも併せてご検討いただければ幸いです。
https://www.literatureireland.com/grants/translation-grant-programme/
 
【対象読者】
児童。対象年齢は小学校中学年以降を想定。

【仕様】
横218mm x 縦264mm、予価1500円。
 
【著者プロフィール】
Malachy Doyle(マラキー・ドイル)再話
北アイルランド出身。絵本からヤングアダルトまで作品は多岐にわたり、出版された児童書は100冊を超える。著書は今まで27言語に翻訳され、日本でも「ちゃっかりこぞうはまるもうけ?」(徳間書店、2002年)「ジョディのいんげんまめ」(評論社、2002年)、「だいすきだよ ぼくのともだち」(評論社、2012年)等が翻訳出版されている。本書は2000年に『親による選書金賞』、2003年に『アン・イザード ストーリーテラーによる選書賞』を受賞した。
 
Niamh Sharkey(ニーヴ・シャーキー)絵
アイルランド、ダブリン出身。児童書作家/イラストレーター。2013年にディズニーチャンネルで放送されたCGアニメ「ヘンリー・ハグルモンスター」の原作者。イラストレーターとして最初に手掛けた絵本2冊が『ビスト最優秀児童図書賞』および『マザーグース賞』を受賞した。
 
【訳者プロフィール】
梁池真世(やなちまよ)
東京都出身。アイルランド在住。大学在学中に舞台女優をめざし、演劇養成所に入所。養成所卒業後、1999年に演劇の本場イギリスへ。ロンドンの演劇大学サーカス学科へ進学し、学士号取得。在学中の怪我によりサーカスの道を断念し、帰国。アイリッシュ音楽に興味を抱き、都内でアイリッシュフィドル(バイオリン)のレッスンを受け始める。2007年に渡愛。2009年、リムリック大学大学院伝統音楽演奏科に進学し、首席で卒業。以後、市内のパブでセッションリーダーを務めるかたわら、伝統音楽バンドGIRO-Galway International Retro Orchestraを主宰。韓国在住の知人よりYouTubeチャンネル内の日本語字幕の翻訳を依頼されたのきっかけに翻訳に興味をもつ。以来クラウドソーシング等を介してフリーランス翻訳家として働く。2人の子供をバイリンガルにするべく、絵本の読み聞かせを日々の生きがいにしていたこともあり、2021年より朝日カルチャーセンターの絵本翻訳入門講座を受講し、現在に至る。第28回いたばし国際絵本翻訳大賞にて最終選考まで残る。現在は海外で出版された絵本の中からアイルランドに関連する絵本を選出し翻訳した「アイルランド絵本パック」を作成中。

【類書】
「プーカの谷 アイルランドのこわい話」
 (渡辺洋子 編・訳 / 野田智裕 絵/ こぐま社 / 定価1200円)
「子どもに語る アイルランドの昔話」
 (渡辺洋子・茨木啓子 編訳 / こぐま社 / 定価1600円)
「妖精にさらわれた男の子 アイルランドの昔話」
 (W.E.イェイツ 作 / N.フィリップ 編 / 山内玲子 訳 / 岩波書店 / 定価2400円)
 
3冊ともに、アイルランドの昔話が収められていて、就学児童が対象となっています。「プーカの谷」にはちょっと怖くて不思議な話が3話収録されており、挿し絵もあり字も大きめで、小学校低学年用とされています。一方、「子どもに語る アイルランドの昔話」は語り聞かせることを前提に短編が14話収録されています。一人で読むなら小学校中学年以上が対象とされていて、本書と類似していますが、挿し絵がなくボリュームもあることから、高学年寄りの読み物だと言えます。「妖精にさらわれた男の子」は20話からなる短編集で、本書に収録されている「12羽のガン」「ラスモアと妖精たち」「たましいのかご」も含まれています。しかし、漢字も多くページ数もあるので対象年齢は高学年からとなっています。
 
Tales from Old Ireland シノプシス
★リヤ王の子どもたち★ 
若い妃を亡くしたリヤ王が再婚したのは、実は性悪な魔女だった。4人の子供たちを可愛がる王に嫉妬した王妃は、子供たちを湖につれだし魔法で4羽の白鳥に変え、恐ろしい呪いをかける。300年を今いる湖で、次の300年をアイルランドとスコットランドの間の海で、最後の300年を西の海ですごし、ドルイド僧の祈りの鐘の音がなるまで自由になれないという呪いだった。あらゆる手をつくすリヤ王だったが、なすすべもなく白鳥たちと時間をすごし、やがて老いて死ぬ。長女のフィヌーラを始め、3人の弟たちは苦難に耐え、900年を海を移動しながら過ごす。やっと900年が過ぎたある日、父王の住んでいた城へ飛んでいくが、今はもう移住者ばかりで一族の者は誰もいない。がっかりした4羽は西の海へ戻る。すると、待ちわびていた祈りの鐘の音がきこえてきた。教会にいたドルイド僧が聖水をふりかけると、ついに人間の姿に戻るが、900歳を過ぎていたため、老衰により息絶える。4人は並んで埋葬された。
 
★フェアとブラウンとトレンブリング★
ティア・コニルの王にはフェアとブラウンとトレンブリングという3人の娘がいた。一番下の娘、トレンブリングが一番美しかったので、嫉妬した姉たちは妹を家へ閉じ込め、下働きをさせていた。姉たちが教会にでかけたある日、ヘンワイフ(鶏の世話係、シャーマンのような役割を兼ねる)がやってきて、トレンブリングに教会へ行くように言う。着ていく服がないと伝えるトレンブリングにヘンワイフは魔法を使って白いドレスと緑の靴を与え、「教会の中にはけっして入らないように」と言いおく。トレンブリングのあまりの美しさに教会にいた人々は驚嘆するが、正体を知られる前にトレンブリングはその場を去る。2度目は黒いサテンのドレスと赤い靴に身を包み、同じように教会へ出かけ、ミサの終了と同時に去った。姉たちは見ず知らずの美しい女性に誰もが夢中なことが許せない。3度目もさらに美しい衣装であらわれたトレンブリングを一目見ようと大勢の貴族たちが集まる中、ミサを終えて帰ろうとしたトレンブリングを捕えようと、エマニア王の息子が外で待機していた。なんとか王子を振り切ったトレンブリングだったが、靴を取られてしまった。靴に合う女性と結婚すると宣言したエマニア王子は一軒ずつ回って探しだそうとする。とうとうトレンブリングの家にも王子がやってきて、二人の姉は靴をはこうとするが、入らない。トレンブリングが出てきて靴を試すと、ぴったりだった。二人は結婚して14人の子をなし、老いて死ぬまで幸せにくらした。
 
★12羽のガン★
レンスターの女王は12人の子供がいたが、男の子ばかりだったのでどうしても女の子が欲しくてたまらない。ある日、「かわいい女の子が授かるなら、12人の息子と交換するのに」と言う女王の前にとつぜん老婆があらわれ、「ばちあたりな願い事をした罰に、願いを叶えてやろう。娘が生まれたその日に、他の子供たちをうしなうだろう」と言って、消える。王妃には子が宿り、その子が生まれると同時に、12人の息子は空いている窓からガンになって、飛びたっていった。すくすく大きくなった王女、ベイヴィーンは12歳のとき、母親から12人の兄たちのことを聞き、兄たちを探しだしてもとの姿に戻すことを決意する。兄たちの住む家を見つけたベイヴィーンだが、兄たちは最初に家に入ってきた女の子を殺すという誓いを立てていた。そこでまた老婆があらわれ、誓いを反故にすることを許す。さらに、兄たちをもとの姿に戻すにはベイヴィーンは12枚のシャツを編まなければならず、その5年間の間、しゃべったり、笑ったり、泣いたら兄たちは一生ガンのままだと言い渡す。3年の間にベイヴィーンは8枚のシャツを編む。ある日若い王子がやってきて、ベイヴィーンを気にいり、お城へ一緒に行くことになった。結婚して男の子が生まれたが、幸せな二人に嫉妬した継母が赤ん坊をオオカミにむかって放り投げ、ベイヴィーンの仕業だと周りに吹聴する。それでもベイヴィーンはシャツを編み続け、やっと12枚目のシャツの片袖を残すだけに編み上げた。そして今度は女の子が生まれる。王は用心して赤んぼうから目を離さなかったが、隙をみてまたしても継母が赤ん坊をオオカミへ放り投げ、ベイヴィーンの所業だと思わせる。ついに火あぶりの刑に処せられることになったベイヴィーンはせっせとシャツを編み続け、やっと処刑台の上で最後のひと編みを編み終える。そばにいた12羽のガンにシャツを投げると、りっぱな12人の若者に姿を変えた。そこへ老婆が小さな男の子と女の子を連れてあらわれる。妖精でもある老婆がオオカミに化けていたのだった。継母は代わりに処刑され、みな幸せにくらした。
 
★ラスモアと妖精たち★ 
アハロウ谷にすむラスモアは生まれつき背中にこぶがある。心優しい男だったが、こぶのせいで周囲からは敬遠されていた。ある日、市場からの帰りに休憩をしていると、塚の中から「月曜日・・・火曜日・・・月曜日・・・火曜日・・・」という歌声がきこえてくる。ノックグラフトンの塚に住む妖精だった。しばらくして単調な繰り返しに飽きたラスモアが「火曜日・・・水曜日!」と合いの手をいれると、妖精は大喜びし、ラスモアを迎え入れる。歓待をうけたのち、背中のこぶまでも取ってもらい、ラスモアは上機嫌で家へ帰る。ラスモアの背中のこぶが取れたことはたちまち広まって、息子の背中にあるこぶを取ってもらいたいという老婆がやってくる。ラスモアが親切にノックグラフトンの塚や妖精のことを教えてやると、老婆は息子をつれて塚へ行く。息子のジャックはなまけ者で意地悪だったので、早くこぶを取ってもらいたい一心で、「・・・木曜日、金曜日!」と歌もろくに聞かずに合いの手を入れると、妖精たちは歌を台無しにされたと怒り、ラスモアのこぶをジャックのこぶの上につけてしまった。妖精を軽んじたジャックは、とぼとぼと家へ帰るしかなかった。
 
★カワウソのむすことオオカミのむすこ★
アイルランド王コーマックには3人の娘がいた。ある夏の日、禁止されていた湖で泳ぐ3人の前にカワウソがあらわれ、末の娘と一緒に泳ぎだした。その後カワウソの子をみごもった末の娘は男の子を出産する。ローカンと名づけられた男の子はコーマック王の息子として甘やかされて育てられた。8歳の時、父王に王位を譲るよう懇願したが、受け入れられなかったため激怒したローカンは、フィアナ騎士団(王を守る傭兵団)のリーダー、フィン・マックールのところへ出向く。そして1年と1日フィンのもとで働く間、自分になんの欠点も見つけられなければ褒美を自分で選べるようフィンと取引をする。1年と1日が経って、フィンは欠点を見つけられなかったため、ローカンはフィンにコーマック王と戦うよう要求する。一方、コーマック王はもはや王位をローカンに譲るつもりはなく、妃を亡くしたため、鍛冶屋の娘と再婚する。ローカンとフィンとの闘いに備えて新妻を里へ返したコーマック王は、もし息子が生まれた時のためにと、『コーマックのむすこ、エイダン』と書かれたベルトを妻へ託す。コーマック王は戦いに敗れて戦死し、ローカンが王位につく。ローカンは暴君だったため、国は荒れ果てた。コーマック前王の妻はその間に男の子を生み、森でひっそりとくらしていた。赤んぼうの腹には王から預かった名前入りのベルトをつけていた。ある日、オオカミに赤んぼうが連れ去られてしまう。それからオオカミに育てられたエイダンだが、狩人に見つかり保護されて子供のいない貴族の夫婦に引き取られる。成長したエイダンはベルトを見せられ、自分が前王コーマックの息子だと信じてローカンのもとへ出かける。途中で鍛冶屋とその娘であるエイダンの母親と再会し、みな大喜びするが、鍛冶屋の羊がローカンに盗まれる。機転をきかせてお城に入ったエイダンは羊を取り戻すが、ローカンは眠れないために、夜通し物語を語ることを鍛冶屋に命じる。話がつまらなければ処刑されるという噂に、エイダンが身代わりになって語り聞かせすることになった。眠れないのはカワウソの息子だからだとエイダンに指摘されたローカンは、母から真実を聞かされる。ローカンの不眠を解消するという条件で、ローカンは自分の死後の王位をエイダンに譲ることを約束する。湖の上に浮かべた船の中で眠りについたローカンは眠り続け、最後には父のカワウソに湖の底へ連れていかれる。ローカン王がいなくなり、王位はエイダンのものになった。育ての親の貴族夫婦や鍛冶屋一家をよびよせ、新しい王が即位し国は喜びにつつまれた。

★たましいのかご★ 
クレア地方の沿岸に妻、ビディと一緒に住むジャック・ドハティ。張り出した岩に衝突して沈没した難破船からお宝を頂戴することで生計を立てている。ジャックにはどうしても叶えたい望みがあった。海の底に住む生き物、メロウと出遭うことだった。嵐の日にひょんなことからクーマラというメロウに会ったジャックは、海底にあるクーマラの家に招待される。クーマラが持参した不思議な帽子をかぶっておぼれることなく海の底までたどり着いたジャックは、クーマラにもてなされ、思う存分食べたり飲んだりする。クーマラの収集品をながめていると、奇妙な籠があった。聞くとおぼれた水夫たちの魂が入っているという。仰天したジャックは悩んだあげく、魂たちを自由にしてやろうと決心する。ビディが留守にしている間にクーマラを招いて酔っぱらわせる予定が、自分が酔っぱらってしまう。二度目は自分は水で薄めた酒を飲んでしらふのまま、クーマラには違法な強い酒を飲ませ寝込んだところを一目散に海の底へ泳いでいった。無事に魂たちを解放してご機嫌で帰途についたジャックだったが、その間にビディが帰宅していた。大騒ぎにはなったが、ジャックが魂を逃がしたことにクーマラは気がつかず、その後も二人の友好はずっと続いた。
 
★とこわかの国のオシーン★
フィアナ騎士団の団長、フィン・マックールには一人息子がいて、名をオシーンという。りっぱな戦士であったが、詩人としてむしろ名を知られていた。ある日、父のフィンと共に狩りに出かけた際に、美しい女性に出会う。女性は常若の国、ティア・ナ・ノーグの王女、二-ヴで、ずっとオシーンを探していたという。ひとめで恋に落ちたオシーンは、ニーヴと一緒にティア・ナ・ノーグへ行くことにする。フィンはもう二度と会えないだろうと嘆き悲しむ。常若の国で歓迎を受けニーヴと結婚し、またたく間に3年が過ぎていったが、その間に人間界では300年の月日が経っていた。平和な国に退屈してきたオシーンは、隣の国の王女が巨人に捕らわれの身になっていることをニーヴから聞き、ニーヴと共に王女を救出することにする。7日間かけて巨人を倒したオシーンだったが、次第に父や仲間や人間界への恋しさを募らせていく。少しの間でも帰郷したいと懇願するオシーンに、ニーヴはついに折れる。そして白馬を用意し、「馬の鞍から一歩も降りてはいけない、降りたら最後、二度とティア・ナ・ノーグには帰ってこられない」と言い渡す。故郷に帰ったオシーンは様変わりした光景に落胆する。そこへ男衆が敷石を動かそうとしていた。オシーンが手助けしようとした拍子に馬の鞍が外れ、オシーンも馬から落ちてしまう。たちまち馬は消え、オシーンはよぼよぼのおじいさんになってしまう。オシーンが自分はフィン・マックールの息子だと告げると、周りにいた人々は、フィアナ騎士団は全滅し、パトリックという聖人があらわれ、今ではみなキリスト教徒に改宗したことをオシーンに伝える。パトリックのもとに連れていかれたオシーンは、一部始終をパトリックに話す。パトリックは驚嘆し、僧侶にこの話を書きとめるように命じる。オシーンの物語は挿絵の入った美しい本の最後に『とこわかの国のオシーン』として収集された。

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