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転生しても憑いてきます

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#騎士

『転生しても憑いてきます』#38

『転生しても憑いてきます』#38

「カース……」
 いきなり僕を呼ぶ声がして、目を開けた。
「え?」
 思わず声が出てしまった。
 誰かが僕に跨っているのだ。
 まさかケーナが夜這いを仕掛けてきたのではないかと隣を見ると、彼女は背中を向けて寝息を立てていた。
 じゃあ、婦人か双子姉妹のどちらか――そんな妄想は窓から差し込む月光によって、打ち壊されてしまった。
 顔が半分無かったからだ。
 巨人の手でむしり取られたかのように欠けてい

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『転生しても憑いてきます』#30

『転生しても憑いてきます』#30

 ケーナと店に戻り、食事を済ませた時だっった。
「た、大変だぁ! 誰か来ているぞぉ!」
 突然男の叫び声が聞こえてきたのだ。
 僕とケーナは急いで店から出ると、他の人達も聞こえたのか、次々と同じ方向に走って行った。
 僕は何だか嫌な予感がして、自ずと走るスピードが早くなった。
 途中何度か転びそうになりながらも走ると、大勢の人が群がっていた。
 人混みを掻き分けて見ると、橋の近くで一人の男が跪いて

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『転生しても憑いてきます』#21

『転生しても憑いてきます』#21

 その叫びが聞こえたかと思った瞬間、ケーナが勢い良く僕を抱きかかえるように体当たりしてきた。
 と、同時にガラスが散乱するような音が聞こえた。
 訳が分からぬまま、テーブルの上に料理と酒のグチャグチャした感覚を背中で感じた。
「ケーナ姉さん、大丈夫?」
「う、うん……」
 ケーナはすぐに僕を解放すると、身体に怪我がないか見ていた。
 服が汚れただけだと分かると、ホッと安堵していた。
 が、今度は腕

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『転生しても憑いてきます』#15

『転生しても憑いてきます』#15

 誰かが僕を呼んでいる。
 ゆっくりと目を開けると、母の顔があった。
「カース!」
 母は僕に抱きついてきた。
 耳元で「ごめんなさい。もっと早く助けてを呼んでいたら……」と声を震わせながら言っていた。
 僕も「ごめんなさい」と謝ろうとしたが、声が思うように出ず、掠れた息しか出なかった。
「カース!」
 すると、どこかで聞き覚えのある声が聞こえた。
 その声はしがみつく母を無理やり剥がした。
 僕

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