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これが綾崎隼トリック!3大騙された大賞

恋愛ミステリー作品を多く書いていらっしゃる、綾崎隼さん。
その中でも、私が「騙された~!」と悔しくなりながらも、真実が明かされた時の衝撃が強かった作品を、3作ご紹介させていただきたいと思います。
ネタバレはしていませんので、気になったものは是非ご一読ください!!

【綾崎隼さん】
新潟出身。
第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し、『蒼空時雨』で2010年メディアワークス文庫よりデビュー。
心情描写がとても美しい。
サッカーが大好きで、登場人物の趣味となっている事も多い。
よく骨折している
メインの登場人物が、別作品で脇役として登場している。そのため、ファンになったら物語だけでなく、登場人物の過去や未来を時折垣間見られるという嬉しさがある。沼が深い。



騙された3大作品


全涙が引っ込んだ!ページを捲った瞬間の衝撃
『命の後で咲いた花』


【あらすじ】
第一志望の教育学部に入学した榛名(はるな)なずな。
彼女は絶対に教師になりたい、ある理由があった。
しかし、大学生活は苦労の連続だった。
年上の同級生、羽宮透弥(はみや とうや)に窮地を何度も救われ、次第に恋心を抱き始めるが…。

【キャッチフレーズ】
私は命をかけて貴方のものになる。

【みどころ】
榛名と羽宮が教師になろうと思った理由。

【感想】
『命のリレー』の小説です。
難病ものは嫌いなのですが、この小説は、ただ人が死んで悲しい悲しい、という話ではありません。
遺された人達が、何を感じ取り、何を受け継いだのか。
きちんと、「遺された人の未来」が描かれています。
恋愛、ミステリー、人生の3つが詰め込まれているよくばりセットです。

読んでいるうちに泣きそうになったのですが、「あぁ、もう泣いてしまう…」と思いながらページを捲った瞬間。
見事に綾崎トリックに嵌まっていたとわかり、衝撃で全涙が引っ込みました。



思わず本を閉じた。3分2読んで判明した真実
『風歌封想』


【あらすじ】
8年前に別れた恋人に、一目会いたい。
夢に破れ、長く陰鬱な後悔の時を経て、30歳になった。
かつての恋人との再会は叶わなかったが、友人に促され、手紙に想いを託す事にするが…。

【キャッチフレーズ】
最後に一度だけ 私は冒険してみます。

【みどころ】
手紙でつまびらかに語られる、後悔と挫折。
そこから最後に一度だけ、と思った心情の変化。

【感想】
「拝啓、舞原和颯(まいばら かずさ)様
 風の便りであなたのことを聞きました。」
から始まる、書簡形式の小説です。
高校、大学、社会人と歳を重ねるごとに、現実という壁にぶつかって、夢が閉ざされていく様子が、とても辛いです。
一方で、上手くいかないところに現実味があって、とても親近感が湧きます。

手紙の中で、相手への未練を綴り、ようやく2人が対面する…。
その時、自分がまたも綾崎トリックに嵌まっていたとわかり、思わず一度本を閉じました。
私は3分の2も何を読んでいたんだ…。
読み返すと「あ~、ここが」という箇所がいくつもあるので、再読をオススメします。
私の推しの舞原七虹(なな)も少しだけ登場するので、是非よろしくお願いいたします。



犯人がわかった瞬間「お前は誰だ…?」見事に騙され寝転び大の字
『赤と灰色のサクリファイス』
『青と無色のサクリファイス』


【あらすじ】
北信越地方に浮かぶ離島、翡翠島。
過疎が進む小さな島で、連続放火事件が発生する。
島民の憧れ『ノア』のたった1人の家族であった父が殺され、事件は幕を閉じた。
父を亡くし、親友にさえ別れを告げずに島を去って10年。
25歳になった真翔(まなと)と織姫(おりひめ)の前に、音信不通だったノアが現れる。
3人の再会により、事件の真相は暴かれていく…。

【キャッチフレーズ】
愛しいだけじゃ、満たされない。
時の流れは容赦なく、覚悟もないままの僕らを大人にした。

【みどころ】
3人の恋模様とその結末。

【感想】
綾崎さんの本格ミステリ小説です。
小説にある登場人物一覧の中に犯人はいるので、是非推理しながら読んでください。
3人の恋愛模様も、甘酸っぱく、もどかしいです。青春です。

誰が犯人か、人物の言動や一覧を頼りに推理していたのですが、名前を明かされた時、電車の中で
「え?え…?え?!え???」
と大混乱でした。

パニックです。本当に。何がどうなってそうなったのかわかりませんでした。
その後次々と明かされる真実に
「私は大きな勘違いをしていた……」
と気付かされました。
いったいいつから綾崎トリックに嵌まっていたのか。
も~最初から!第一話から!
駄目だ!これは騙されに騙されてた!心は寝転び大の字。


個人的には、真翔の恋が好きでした。



以上、3作品ご紹介させていただきました。
何か1つでも気になるものができていたら幸いです。

私はきっとこれからも綾崎さんの小説に心を漂白されながら、真実が明らかになった時の衝撃で殴られ続けます。

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