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DXはトップダウンでしか成功しない?

松浦 真弓

この記事は、アステリア株式会社 にてエバンジェリストとして活動する著者 @maymat1015 が、昨今話題の ”DX” というキーワードに着目して、よくある誤解やDXに必要な要素についてご紹介する #DX徹底解説 シリーズです。

さて、"DXの実現” と一言で目標を掲げても「どこから手をつけたらよいかがわからない」と悩むのも無理はありません。今回の記事では具体的にDXを進める上でぶつかりがちな疑問に答えていきます。

DXがトップダウンでしか成功しないと言われる理由

前回の記事「DXとデジタル化は何が違う?」でも書いたとおり、DXとは 社会的な価値の創造を目的に、新しい事業を創造したりビジネスモデル自体を変えていくこと。だからこそ、その会社が目指すべきゴール、つまり、経営者が描くビジョンが不可欠になります。

またDX推進に向けたステップでは組織横断的な取り組みが必要となるため、組織や人材採用、企業の戦略などを、状況に応じて柔軟に変更することが求められます。もちろん自社だけでなく、他の会社や組織などと連携した社会への働きかけが必要なケースも。

しかしこのように説明されることが多いからこそ、「DXはトップダウンですすめるもの」「トップダウンでしか成功しない」と解釈されがちなのです。現場や経営層以外の社員が、上司の指示待ちになってしまうのも無理はありません。

DXで変革するべき2つの要素

ざっくり整理すると、DX推進には大別して2つの変革の要素があります。

1つ目は、ITシステムの変革。市販の製品やデジタルプラットフォームなどを活用して業務のデジタル化を進めれば、コストを抑えながら効率よく企業の価値を最大化することができます。

そして2つ目は、組織や文化の変革。経営者をはじめ、関わるメンバー全員がDXの認知と理解を深めること。特にリーダー層は DXを通じて目指すべき目標や戦略を明確化し、DXの推進のための組織体制を整えて人材を確保する必要があります。

前者のITシステムの変革については、全社で多くの人が利用する基幹システムなどの導入・刷新を進めるというのが分かりやすい例ですよね。しかし、こうした大きな変革にはトップの指示が不可欠。システム担当者の負荷も大きく、全社に浸透するまでに時間を要することもあります。

スモールスタートで始めるメリット

では、特定の部署で使うツールのデジタル化を進めてみたり、事業部ごとに業務効率化を図ってみることはできないでしょうか? 小さなチャレンジであれば成果は見えやすく、さらにうまくいった際には別の部署や業務に波及させることもできるはずです。また現場や部門ごとなどスモールスタートであれば、仮に失敗したとしても軌道修正しやすいとも考えられます。

小さくても成功を収めることができれば、部署ごとの業務効率化が進み(=デジタライゼーションの実現)、事業改革や新しい事業に取り組む余裕もできるかもしれません。

結果的には、こうした成功体験こそが「社員一人ひとりが改革の主役である」という会社全体の意識改革や、個人のチャレンジを歓迎する組織文化になるなど、DX推進に望ましい組織や文化の変革につながるでしょう。

まとめ: DXはトップダウンでしか成功しない?

過去記事でも話題に挙がった、経済産業省の DXレポート2(2020年12月発表)では、「デジタイゼーション」⇢「デジタライゼーション」⇢「DX」は、必ずしも、この順番通りに検討・実施するものではないと記載されています。

特に海外の企業ではトップダウンで成功したケースが多く見られますが、実際は、企業の置かれた状況や企業文化、目指すべき方向性やゴール、解決したい課題などに応じて最適な進め方やステップを選択する必要があるのです。唯一の正しいルートがないならば、トップダウンとボトムアップ、両方からDXに取り組んで取り組んでみてはいかがでしょうか? というのが、私の提案です

経営層がビジョンを描くのに時間がかかる場合もただ待っているのではなく、個別の業務のプロセスの見直し、新しいツールの導入、システムの刷新など、具体的な推進計画がトップから発表されるまでに現場や担当者ができることもあるはず。

冒頭で紹介したように、DXはトップダウンのビジョンがなければ存在し得ないのは事実です。しかしその実現にはいくつもの道があります。トップダウンだからできること、ボトムアップだからこそできること。その2つを正しく理解すれば、DXに向けて現場主導でできることがあると気付けるのではないでしょうか。

現場から始めるDXのお話、具体的なステップや意思決定のプロセスなど、また note でご紹介していきたいと思います。どうぞお楽しみに!

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