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移民のクラスメイトに囲まれて…

今年から、学生兼労働者として暮らしている私。

学生と言えども、まだ正規のカレッジでは無くて、カレッジ入学までに英語力を高めようキャンペーンの一環で永住権保持者のための語学学校に通っています。

当地には色々な語学学校があって、例えばワーホリとか語学留学とかで行く方は大体、商業目的の大きな会社が経営する学校。私もワーホリ時代、大金を振り込みました。他のクラスメイトも短期滞在者なので、学校の後に一緒に遊びに行ったりと、楽しい日々を過ごしました。

それから、少し前までお世話になっていた「人生に不可欠な能力を高めましょう学校」もある。科目は国語と数学。生徒は18歳以上のカナダ国籍所有者や、当時の私のような外国人労働者、また永住権所有者など。生活保護を受ける為のカタチとして在籍する人も少なくなく、生徒間でやや勉強への姿勢にバラつきがあったが私は好きだった。私が仲良くなったのは、高校を色んな理由で卒業出来なかったカナダ人や高校卒業後、働いていたがキャリアアップの為に専門学校や大学進学を目指している人々であった。

そして、タイトルにもある通り、永住権所有者のための語学学校。こちらはTwitter上でカナダ在住の邦人数名がたまたま話題に上げていて(そうだ、私も)と登録した。私はこのプログラムを知っていた。以前、こちらのプログラムで働くインストラクターの方とお話する機会があって「永住権が取れたらチェックしてみてね」と言われていたのだ。

このプログラムの主なポイントは、永住権取得数年後に申請取得出来る市民権(カナダ人になるための)テスト対策も網羅している事である。

過去の学校でも、カナダの歴史や当地の政治の仕組みや税についてなど幅広く学ぶ機会が設けられていたのだが、既に小中高校をカナダで迎えた生徒も半数いたので、市民権対策としては受けたことが無かった。平均すると月に一回くらいは政府関係者や団体のプレゼンテーターが講義に訪れてくれていた。

さて、我々の学校は引き続きオンラインである。

会話ベースで行われる授業は、先生も生徒もそれぞれとても愉快で楽しいひと時。特に「私はもう100%母国民ではないし、100%カナダ人でもない」という感覚を皆それぞれ抱えていて「それな」みたいな感じで、それぞれの思いをすごく深い所で分かり合える、深い共感が得られるみたいな経験もした。

ところが、しばらく経って来ると「当地で上手くいかない自分は、とても可愛そう。カナダが全て悪い。母国が恋しい」みたいな、別にそこまで言われた訳ではないが、何となくそういう空気感が私には合わないな、と思い出した。

日中のクラスに登録した事もあって、私以外のクラスメイトの殆どが幼い子どもをを持つ母親であった。カナダに移民したものの、母国の保守的な感覚のもとで暮らしていて、これから労働者としての人生にはあまり興味がない、という方もいたりした。

元々、私は専門学校入学の為にエッセイなどの文章力と読解力を上げたいと思っていた事もあり、このプログラムでは無く、同じトロントの教育委員会が運営するESLのアカデミックなスキルを高めるプログラムに変更することにした。

出勤が重なり、まだ新しい方のクラスには一度も出席出来ていないのだが、楽しみである。

思い返してみれば、私の同僚の半数はカナダ生まれ、半数は移民組だが英語圏からの移民だったり、当地で高校以上の学歴及び保育士資格を所有。なんとなく人生の難しさを思い知ったりしたのだった。

それから、私は意外とカナダが好きなんだな、と思ったりした。既にカナダへの初恋は薄っすら薄れてきていると思っていたが、それでも根本に「この国で残りの人生を過ごしたい」と決めた私がいるのだ。

色んな人生があっていいし、みんなこうすればいい!みたいな事は絶対ないのだが、なんだか人生には色んな形があるんだな、と思わされた一カ月でした。


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