建築材料としての土佐和紙
今月10月11、12日に
林業大学校の短期課程「建築材料としての土佐和紙」を受講しました。
和紙職人のロギールさん
私の住んでいる高知県梼原町には、和紙の職人さんがいます。
オランダ人のロギールさん。
オランダで見た一枚の和紙をきっかけに日本にやってきたロギールさん。
現在「かみこや」という、手漉きを体験できるお宿もされておりますので、
ご興味のある方は是非ホームページもご覧ください✳︎
今回はこのかみこやにて、
和紙のことについて学び、
実際に和紙の手漉きを体験させていただきました。
研修1日目
1日目は以下のような流れ。
まずは和紙の歴史や和紙の構造についてのお話。
水素結合についてや、繊維の成分となっている物質について学びました。
次に実際に畑の見学。
ロギールさんの和紙づくりは原料となる、コウゾとミツマタを栽培するところから。
実際に見てみると、コウゾにも様々な種類のものがあることが分かりましたよ。
(葉っぱの感じが全然違うのですね)
その他にも和紙の”ねり”として使われる、トロロアオイ(花オクラ)も栽培中。
写真右:トロロアオイ、左:ミツマタ苗
このトロロアオイを混ぜることによって、
お水と混ぜた木の繊維が、綺麗に分散してくれるのだそうです。
原料の他にも、様々なお野菜が作られておりました✳︎
実際に和紙づくりを体験
かみこやへ戻って、お昼休憩後。
ワークショップが行われました。
和紙づくりは原料を蒸して皮を剥いだものを使います。
テーブルにあるのが、皮と皮を剥いだもの。
何も混ざっていない和紙を作るためには1つひとつ、それを取り除く作業が入ります。
小さな小さな繊維の中から”ちり”を取る作業。
とっても根気のいる作業ですね。
※ここで余談ですが、剥いだ皮で作ったものが”ちり紙”の由来となっているのだそうですよ。
皮を剥いだ原料はこんな風に叩いて、繊維をバラバラにしてから、
(表現が正しいかわかりませんが)大きなお風呂でじゃぶじゃぶするようにして漉かれます。
手漉き体験はロギールさんご指導のもと、
あっというまに終わってしまいました。
均等にするのがとても難しい。
写真には撮っておりませんが、私がやったものは一部シワができておりましたよ。本当に難しい。
そして、もう一枚は原料を流し込んで作る和紙。
原料を叩いて、お水に溶かし、トロロアオイを混ぜたものを型に流し込んでいきます。
お庭から好きな草花をとってきて並べて、
残りの原料を流して植物を和紙原料で挟むイメージで作りました。
最後にみんなで発表会をして終了。
一つも同じものはない。
皆さん素晴らしい作品ばかりでした✳︎
研修2日目
2日目は町内でロギールさんの和紙が使われている建物を見学します。
まずは役場庁舎。
ちなみに梼原町内には林業大学校の校長先生である、隈研吾さんの建築物がいくつかあり、この庁舎もその内の一つです。
これはちり紙をイメージしているそう。
庁舎の他にも、夢・未来館、マルシェゆすはら、複合福祉施設 YURURIを見学し、
図書館に移って、その他ロギールさんの和紙が使われた内装の紹介をしていただきました。
それぞれの内装に対して、ロギールさんがどのようなイメージを持って、
どんな思いで作ったのかを聞くことができ、大変貴重なお時間となりました。
最後に
和紙といっても、ただの紙としての役割だけではなく、
様々な場面で人々の暮らしに生きていることが素晴らしいと思いました。
来年も同じ講座があれば、受講してみていただきたいです✳︎
☺︎✳︎
ありがとうございます。 これからも山暮らしのあれこれ書いていきます✳︎