人生フルーツ2

じんわり感動・映画「人生フルーツ」

先週、映画「人生フルーツ」を見てきました。

90歳近づいた夫婦津端修一さん、英子さんの穏やかな暮らしを数年間にわたって撮影した映画。

街の端っこ、300坪の土地で雑木林と野菜を世話しつつ修一さん自身の設計された家でくらすゆっくりとした生活。

映画を見る前に同じテーマの書籍「ききがたり ときをためる暮らし」(津端修一・英子著)は読んでいたのですが、お二人の生活している様子を見ることができてまた違った感動がありました。

高度成長期、建築士としてニュータウンの設計において活躍し、そしてそれに違和感を感じて第一線から退いた修一さん。

大量生産、全部南向きの一辺倒な住宅建築の方法に修一さんはどうしても納得がいかなかったそうです。

修一さんの英子さんにいつも口にしていた「何でも自分でやれば、何か見えて来るんだ。」という言葉の意味が、映画で映される高度成長期の森林破壊、大量の住宅建設の映像を見ると重みを増します。

手を抜かない。自分でつくること、直すことを楽しむ。そこから見えてきたものを自分のものにしていく。
それが「時をためるくらし。」

今私達が忘れられたものが、しっかり描かれていました。

高度成長期が終わりを告げ、少子高齢化社会となり、今私たちは右肩上がりの経済、安物大量生産の経済から卒業しなければいけないことを誰もがなんとなく感じていると思います。

でもその方法が分からずそのままの生活を続けているのではないでしょうか。

この映画と本には、その答えが用意されている気がしました。



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