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〖作詞〗『手に持つ鍵は錆びていく』

『手に持つ鍵は錆びていく』
作詞 : S0U

窓ひとつ無い 部屋の中
朝昼夜も 分からない
六面部屋の 一面に
鍵付きドアが ひとつだけ

買えるものは 手に入り
何不自由なく 暮らせるが
物では 満ちることが無い
心の一部が 埋まらない

目の前にある ドアの外
望む一部が あるのかも
そんな事を思っても
確証無いし 傷付くから
いつの間にか 諦めて
だらだら部屋で 過ごすだけ


ドアひとつだけ 部屋の中
鍵がどこだか 分からない
生きる片手間 探しても
部屋の中には 見つからない

諦め続け 幾年月
英断という 逃避によって
今では 満ちた顔をして
心の全部を 麻痺させる

目の前にある ドアなんて
いつからだったか 見ないふり
最近思う 少しだけ
確証あること 傷付かぬこと
楽だったけど 楽しくなくて
いつから 私は間違えた?


ドアを開ける その鍵は
その手を開けば 最初から
だけどその事 気付かぬ内に
己の手汗で 刻一刻と錆びていく
その唯一の 鍵穴は
朽ちた鍵では 回らない

自分の心に 鍵をかけ
大切にして いたはずなのに
朽ちる私に 残されたのは
常に一部が 満たされない
傷一つない 私の心

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