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私の仕事道具の紹介〜ミシン編〜

私のお仕事を支えてくれる道具たち。
大切な大切な仕事仲間。

ここでは、"私は"この道具を使っています、ということを紹介していきたいと思います。
こだわって選んで買ったものもあれば、おすすめされて買ったもの、学生のときの教材をそのまま使っているものなど、色々あります。
私が使用して、おすすめだと思うものはその都度書いていこうと思いますが、人それぞれ好みがありますので、ご参考程度に見ていただければと思っています。



今回はミシン編!
1番古参の道具の家庭用ミシンがあるので、想い出話と一緒に。


我が家には、職業用ミシン、家庭用ミシン、家庭用ロックミシンと、3台のミシンがあります。
プロになった今、工業用ミシンを購入したいと思っていますが、お金も場所もないので今はこの子たちと一緒にがんばっています。


ちなみに、工業用・職業用・家庭用の違いは、

工業用→プロ向け
職業用→プロ・服飾学生向け
家庭用→一般家庭向け、用途によってはプロ・服飾学生も使用する

と私は識別しています。
こちらのサイトがとてもわかりやすく説明されているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください!

日本ミシンサービス株式会社
「Myミシン」よくあるご質問


それでは、1台ずつ紹介していきますね。


まず、家庭用ミシンのCharlotte(シャルロット)

シャルロットは私がつけた名前です。
私、ミシンに名前をつけているんです。

まぁ、だいたいの人には苦笑いされますね。笑


他の道具にはつけていません。ミシンだけです。
なぜなら唯一自動で動くものだから。
なんだか生きている気がするんです。


シャルロットは13年前、私が高校生のときに我が家にお迎えしたミシンです。

それまで我が家にあったミシンは、祖母が使っていたものを母が受け継ぎ、私や姉のお稽古バッグや上履き入れの制作など、普通の家庭の、最小限に必要なときにだけ大切に使われていた、20年以上も年季の入ったミシンでした。
その古いミシンは家庭用でも重みがあって、速く縫ってもガタつかず、ペダルを踏んでも重みのおかげで速さの加減が調節できる、とても良いミシンでした。
今でもそのペダルを踏む感覚を覚えています。

ですが、私が使い始めてから2年ほどで、そのミシンは壊れてしまいました。
部品があれば直せたのですが、ミシン自体が古くて、部品は既に生産中止…
寿命だねと母に言われましたが、それまであまり頻繁に使っていなかったものを、私がいきなり毎日何着も何着もガンガン縫い始めたのに耐えられなくなってしまったのではないかなと感じました。

そして新しいミシンを買うという話になって。
当時はまだ誰も、私自身も、私が将来縫製職に就くなんて思っていなくて、
私が洋裁に目覚めて2年ほどしか経っていなかったので、(もうお稽古バッグを作ることもないですし)また必要なときにちょこっと使うだけなら安い家庭用ミシンでいいじゃないか、というのが母の意見でした。

が、

もうその時の私の中の洋裁熱は治ることを知らず。
すでに今後の舞台で10着以上のドレスを作ると決めていた私は、そんな安いミシンではまたすぐに壊れてしまうと思い、母に懇願しました。


「私の嫁入り道具にするから、性能のいいミシンを買って!!」


希望のミシンは、本当に、今思うと家庭用にしてはかなりのお値段だったなと思います。
ですが、前のミシンが祖母から母へ、母から私へ受け継がれてきたように、私ももし今後使うことがなくなっても、必ずお嫁に行くときに一緒に連れて行って、私の子へ、孫へ、受け継いでいきたいなという想いもあって、頼みに頼んで購入してもらうことになりました。
メーカーは前のミシンと同じにしたかったので、JANOME(ジャノメ)を選びました。

いえ、今後使うことがなくなるなんてことは考えていなかったと思います。
なぜか絶対にこれからもずっと使い続けるという自信がありました。

そんな高額な物を買ってもらったのはもちろん初めてで、色んな想いもあって、そのミシンに愛情を感じられずにはいられなかったんですね。
高校生でしたし、感情も豊かな年齢で。
名前をつけて可愛がろうって思ったんです。

名前は、フランスの女の子の名前にしたくて、色々考えましたが、
次に制作する舞台に「シャルル王子」という役があって、その「シャルル」の女の子のバージョンが「シャルロット」ということを知って、色々想い出にもなるかなと思ってその名前にしました。

シャルロットと声に出して呼ぶことは滅多にありませんが、少しミシンの調子の悪い時は心の中で「シャルロット、もう少しがんばって」と呼びかけたり、上手く縫えない時は「シャルロット、力を貸して」と思いながら、縫っていました。

一緒に徹夜することもあって、いつも二人三脚で、愛情込めて触れれば、上手く縫えるような気がしたのです。
"なんだか生きている気がする"と言ったのには、そんな想い出もあるからです。


現在、シャルロットの出番は残念ながらほとんどありません。
裁断机の下にミシン用の引き出しがあって、そこの中でいつも眠っています。
使用するのは、ジグザグミシンを使う時だけです。
会社でも、ジグミシンを使う時は家庭用ミシンを使っていました。
使用頻度的に工業用を買うこともないかなということで。(もちろん、会社でやるなら工業用買ってほしいと思っていましたが!)
ですが、二つ折りジグザグミシン始末は薄物生地の裁ち端処理で最も薄く軽く仕上がる始末なので、その機能は薄物生地を多く扱うドレスには本当に重要なものなんですね。
私はその始末が好きなので(キレイで簡単ですし!)これからフリーで仕事をしていく上で、シャルロットの出番も多くなるんじゃないかな、と思っています。


このまま、使用頻度が少なくても、酷使することなくキレイにとっておけるなら、子へ、孫へ、譲るためにもいいのかなって思ったりもしています。


お嫁に行くときに連れて行くこと、今でも変わらない気持ちです。



二台目は、職業用ミシンのColette(コレット)

この子の名前は、私が大好きなディズニー映画『わんわん物語』の主人公、レディーとトランプの娘の名前からとりました。

洋裁とは全く関係ありません。音がかわいかったのでつけました。
基本そんなものです。笑


コレットは、私が文化に入学したあと、先生からミシンの購入を勧められて、新入生割引の更に在庫処分価格で、即決して我が家にお迎えしました。

メーカーはbrother(ブラザー)とJUKI(ジュウキ)で悩みましたが、教室で使ったbrotherミシンがなんとなく相性がよかった気がしたので、brother の方を選びました。
(次工業用を買う時はJUKIのミシンがほしいと思っています。これも単純に、元会社で使用していたのがJUKIで、使い慣れているからというのが理由です)


コレットは主に直線縫いをする時に使用します。ミシン作業の90%はコレットの出番と言っても過言ではありません。

アタッチメント(ミシンの付属品。たくさん種類があります)を取り替えれば、直線縫いでも、色々な始末の方法ができますし、ボタンホールだって縫うことができます。

工業用よりもスピードは遅く、縫えるものも限られてしまう場合がありますが、ポータブルで持ち運びができ(と言っても結構重いですけどね…)、十分市販できるレベルのものを仕上げることができるミシンです。



最後に、家庭用ロックミシンのAnnette (アネット)

アネットもコレットと同じく、『わんわん物語』のレディーとトランプの娘の名前をつけています。
コレットが我が家に来た時にアネットも一緒だったので、姉妹らしい名前にしたく、この名前にしました。

メーカーはbaby lock(ベビーロック)で、これもまた教室にあって使いやすかったのがこの衣縫人だったのと、自動エア糸通し機能もついていたので、なんて便利なんだ!と感動して迷うことなく選びました。
ロックの糸通しは、通常のミシンより少し面倒なんですよね。
糸が抜けてしまった場合の糸通しは時間ロスになりますし、とても便利です。

様々な縫い方ができるように、2本針・4本糸のロックミシンを選びましたが、今はまだ通常幅と、細幅のロックミシン始末しか使ったことがありません。笑
挑戦したいことは色々あるので、これから最大限に使っていければと思っています。




という、本当にただの我が家のミシンの紹介でしたが、
じゃあ一体どのメーカーのミシンがいいのかと聞かれますと、自分に合ったものなら、どのメーカーでも良いと私は思っています。

ミシンによって大きさやデザイン、色味も若干違いますし、性能や付属品の違いなどもあるので、用途に応じて選ぶのはもちろん、好みで選ぶのが一番だと思います。
ミシンの性能に関して言えば、私よりもミシン屋さんや、手芸店のミシンコーナーにいる専門の方の方が詳しいのでぜひご相談されてみてください。

試し縫いできるのなら、実際に触らせてもらって、何台か比較して感触がいいものを選ぶのもいいかもしれませんね。
ミシンの音や、ペダルを踏む感覚も微妙に違ったりするんですよ。

実際、私も、本当はひとつのメーカーに統一するのが好きな性格なのですが、それぞれの性能を調べて検討し、触れた結果、3台とも違うメーカーとなりました。

それぞれ、きちんと自分で選んだミシンだからこそ、思い入れもありますし、何年も使っている今でも、他のにすればよかった、と思うことはありません。

道具への愛着は大切なことだと思っています。
好きなものを使えば気持ちも盛り上がりますしね。



ミシンは自分では思うように動かない時がよくあります。

その大半の理由は、繊細なミシンの調子を合わせられなかったり、縫い方が悪かったりと、自分に原因があるのですが、
ごくたまに、途中までは縫えていたのに急に縫えなくなったとか、ちゃんと問題なく縫えているのに変な音がするとか、不思議なことが起こります。(もちろん、それにも必ず、素人にはわからない原因があるのだと思いますが)

そんな時は、前述したように、「これを縫い上げるまでがんばって」と念じたり、何度も丁寧に掃除してあげたりして、優しく触れると、上手くできたりすることもあるんです。



どうですか?少し生きているように感じてきませんか?

もちろん、生きているわけではないですが、道具がなくては何もできませんので、そのくらいの思いで大切に使うのがいいモノづくりをする上での基本であるということが、私の考えです。




こんなかんじで、お役立ち情報とまではいかないかもしれませんが、私がどんなものを使ってドレスを縫っているのか、これからも紹介していきますね。


2018.4.19 まや

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いつもありがとうございます! サポートいただけたら、仕事ではなく、ただ好きなこととして、自由にデザインした個人的な作品ドレスを作るための材料費の一部に当てさせていただきたいと思っております。