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「やりたいこと」より「できること」に逃げてきたのか?

「あなたは、やりたいことじゃなくて、できることで仕事を選んでる。そういう道に逃げている。」

先日、ある人にこんなことを言われた。
その人は自分を正しく理解することを通して、やりたいことで生きていく方法を発信している。たまたまその人に会うチャンスがあったので、今のお悩みについて相談してみた。

【経歴】
新卒でSE

転職2回、どちらもシステム開発のプロジェクト管理担当

広報

【お悩み】
・システム、プロジェクト管理にやりがいが持てなかった
・自己分析の結果、書く仕事がしたいと思った
・このままその道に進んでいいのか不安で手が止まってしまう

説明にかかった時間は1分くらい。
これを聞いたその人が言ったのが、冒頭の言葉だ。

どうもしっくりこない。反論したい。でも何に引っかかっているのか自分でもよく分からない。
緊張感に包まれた空気に耐えられず、「まあ…そうかもしれないですね…」と返した。頭が真っ白になってしまい、その後のことはよく覚えていない。

その人と別れたあと、何がこんなに引っかかるのか気になり、これまでのことを振り返ってみた。


1度目の壁:実績に目を付けられる

就職して早々ITにまるで興味がないことに気づき、転職活動を始めた。第二新卒ではなかったので苦戦したけど、1年くらい続けてようやく行きたいところから内定をもらえた。

・・・が、配属先はシステム部門。
友達に相談したら「そりゃそうだよ」と言われてしまった。

そこから始めて異動する道もあったけど、何年かかるか分からないしとにかくITから離れたかったので辞退した。
その後も転職活動を続けたがうまくいかなかった。
当時は休日出勤が続いていて心身共に疲弊していたこともあり、とにかく会社を辞めたかった。そんなわけで、決して望む道ではないけれど、事業会社のシステム部門に転職を決めた。

2度目の壁:実績を活かしたほうがいいと上司に諭される

その後はどうにか自分を騙して働いていたが、充実感や自己効力感はゼロ。(つら)

「このままじゃヤバい」と思い、マーケティングの部署に異動しようと考えた。いつか会社員を辞めたいと思っていたので、そのための基礎として適当なんじゃないかと思ったからだ。
上司にそれを話したところ、2時間かけて引き留められた。

今から全然違う職種に移るのはもったいない。
やっぱりプロジェクト管理をベースに、もうひとつの武器を身につける方がいい。現場がイヤならDXはどう?転職で有利だよ。

普通に考えれば「理解ある上司」だ。
でもDXとか1ミリも興味ない。これまでの経験を活かす道なんて何度も考えた。でも 今の延長線上に見える未来がまったく魅力的じゃないから、リスク背負って違う道に行こうとしてるんだ。

散々話し合った結果、異動はせず新しいプロダクトの立ち上げにアサインしてもらうことになった。いつもドライな上司が本気で私のことを思っているのが分かったし、新しいプロダクトは面白そうだったから。

3度目の壁:実績が首を絞める

しかしそのプロダクトは何度も計画が後ろ倒しになり、最低でもあと半年は私の出番はないだろうと察した。
このころにはライティングへの興味が明確にあったので、公募制度を使って広報を受けた。結果は合格。
しかし、メイン業務は自社サイトの開発管理だった。
部署が変わるだけで、仕事内容はほぼ同じ。

目の前が真っ暗になった。

どこまで行ってもこのキャリアから逃れられない。
積み上げてきた実績が、どんどん選べる道を減らしていく。

でもそこに残るという選択はなかった。
そのぶんプライベートの時間を使って色々なチャレンジをした。そのなかで旅の発信がしたいかも?と思い「トラベルクリエイター」を目指すスクールに申し込んだ。今ここ。

選択には人の数だけ事情がある

とまあ、長くなりましたがこんな経緯があったのです。
自分としては、本人の意思よりスキルを重視する社会の構造みたいなものとか、スキルを活かしたキャリアの方が賢明だよっていう声に抵抗しきれなくて折れたんだよね。
「自分で決めたんでしょ」って言われたらそれまでだけど。

で、最初の話に戻ると、こういう背景を聞かずに全てを自己責任にされた気がしたからモヤモヤしたんだと思う。
もしも事情を聞いたうえで「周りの声をはねのけるのは難しいけど、一緒にやりたいことを貫こう!」って言われたら、めちゃくちゃ勇気づけられたんじゃないかなあ。
あのとき言葉にできなかった自分が情けねえ。

人が何かを選ぶときって、人の数だけ理由とか事情があって、本意じゃなくても選ぶしかないこともある。
それでも「今度こそ自分の意思で選びたい」と思うから、悩むんじゃないのかな。

そういう人の気持ちに寄り添えるようになりたいな。何者でもないけどさ。

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