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『きみに、着てもらえない理由は』 #ポエムのある暮らし


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いつまでこうして干されているのだろう
朝陽に臨み
雲に覆われた昼空を見守り
星の煌めく澄んだ夜にはためく
大粒の雨も、なんとかやり過ごしてぼくは
それでもずっと
ベランダにひとり

風が、身体を
撫でる、
ぼくは舞う、まるで
ふたり自由に
どこまでも飛んでいける気がするのに
こうして
今日もずっと、
はためいている、
ひとりで

わかっている、
わかっているんだ
きみに
着てもらえない理由は

またきみに、着てほしいんだ
きみの
細い腕が
袖を抜ける、あの感覚を
憶えている、
きみの大好きな
街を、生きている世界を また
歩きたいんだ、一緒に

ぼくは
きみにとってのいちばんじゃなくてもいい
でも
今日はどうしても、期待してしまうんだ
だって、
見て
遮るもののない地平線
静かに、そして
たしかな意志をもった、この朝焼けが
抜けるような青空を連れてくること
ぼくは、知っているから
低い位置から
染める、
ねえ
触れてみて、ぼくに
きみの
細い腕を、身体を
通して

だから今日は
出かけよう、一緒に
ふたりの間に、そよと
風を、
くぐらせて

歩こう、きみの
大好きな街を


『きみに、着てもらえない理由は』





待つことしかできない側の、気持ちがわかりますか。
待たせていることに、罪悪感はないんですか。
そんなことを、思っていたことがあります。
そしてそのときは、「来てもらえない理由」を考えるということに意識が向きませんでした。

それって、ほんとうは。

来てもらう準備が、できていないんです。
望んでいるだけで、受け容れる準備ができていないんです。
いつまでこうして、「ありのままの自分」でい続けるつもりなんだろう。
いつまでそうして、「受け容れてもらう」準備をし続けているのだろう。
いつまで。

望むなら、備えること。
希望だけを垂れ流していないで、しっかり備えること。
その間の孤独に、向き合うこと。
その間の試練に、打ち勝つこと。

干されている間に、どれだけ魅力的に風にはためくことができるか。
干されている間に、どれだけ太陽の香りを吸収することができるか。

だから。
今、できることを。





このnoteは、定期購読マガジン『ポエムのある暮らし』収録noteです。
前半にポエムとポエムに関するお話、後半はバーテンダー歴15年のぼくがご紹介する「おうちでつくれるかんたんカクテル」をいくつか掲載してから、短くエッセイを書いています。
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さて、今日もここからお酒のことを書いていきたいと思います!
今回は、ラムをつかったかんたんおうちカクテルです。

本題に入る前に、ラムというお酒の説明をさらりとしていこうと思います。カクテルを先にご覧になるのもいいと思いますので、お好きなところからどうぞ。


ラム(RUM)ってどんなお酒?

ラムの原料は、サトウキビです。
世界の様々なところでつくられますが、主要な産地はカリブ海と南米。想像しやすいですよね、温暖な土地で飲む、トロピカルなカクテルにつかわれていそうな感じ。
でも。
そんなイメージとは裏腹に、ラムにはとても悲しい歴史があります。
三角貿易。
授業で習ったこと、ありませんか。
欧米からアフリカへ武器や衣類などを送り、アフリカからは労働力として奴隷をカリブ海へ。そして、カリブ海からは砂糖を欧米へ。
ラムは、その砂糖づくりとともに発展してきたお酒なのです。
話しはじめると長くなるので深くは触れませんが、ラムはそんな中で発展してきたお酒です。欧米列強による、植民地支配の産物。

もちろん飲むときは楽しく飲みたいのでこういうことは頭の隅っこで構わないのですが、歴史を知ってから味わうとまた、感じられ方も変わったりするんですよね。お酒への敬意が増す気もします。


と、いうことで。
ここから今日の「かんたんおうちカクテル」をご紹介。

つかうラムは、これです!

ハバナクラブ3年。Amazonリンクがなかったのでビック酒販から。
カクテルベースとしては超鉄板の、これがいいです。もう一つ有名なラムに、バカルディというブランドのものがあります。ハバナクラブのほうが丸みがあり、バカルディはややシャープな印象。

もちろんこっちでもいいですが、これはぼくの好みとして。今回はハバナクラブ3年をつかってつくりたいと思います!


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