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ただいま省エネモードにつき。書いたり贈ったり。

1週間分の疲れが溜まっていたのか、週末の午前を丸ごとソファーの上で消費してしまった。一応朝食は摂ったものの、食後の微睡みから一度横になってしまうともうだめだった。目を覚ませば昼すぎで、なんだかやらかしてしまった感がある。恋人はどうせ仕事なのだから、好きにすればいいのに。

本を読むでもなく、縦になって動くでもなく、ぼんやりと手元の液晶画面を眺めている。それ以外何もしようがない日、私は「今日は省エネモードなんだな」と私の状態を理解する。いかにもそれっぽい表現だけれど、要はだらけた自分を正当化したいだけだ。


とはいえ、文フリ出店後に新刊の通販を始めたので、BOOTHにいくつかの注文が入っている。今日はこれらを発送しに行かねばならない。ありがたい仕事だ。

昼食もそこそこに身支度をすませ、メッセージカードを書く。匿名配送なので、注文番号を教えてくれた人にはその人へのメッセージを贈る。誰かわからない人には、もどかしい気持ちもありながらも当たり障りなく感謝の気持ちを添える。ほとんどの場合、実はあの人かもしれないという予想はつくけれど、不確定なまま間違った個人にメッセージを書いてしまっては失礼極まりないからだ。私がもどかしい思いをするほどには、個人情報はきちんと守られている。

今週の発送分は買ってくれた全員分の注文番号が一致していたので、その人たちに向けてのメッセージを綴る。対面で本を売る文フリを経て改めて感じたけれど、「この人が買ってくれたんだ」「この人が読んでくれるんだ」とわかる瞬間はこの上なく嬉しいものだ。これからも本を作り続けたいと、希望が持てる瞬間だ。
(注文者の皆さま、そろそろ届いた頃だと思います)


近所のヤマトまで車を走らせ無事に手続きを済ませたら、スーパーに寄って足りないものの買い出しをする。それから家に帰ってルンバを走らせ掃除機をかけ、恋人が帰ってきてからやることがないように整える。料理を任せっきりなので、私にできることといったらそれくらいだ。

一気に動いたら反動で動けなくなってしまい、再びソファーに横になる。ここがすっかり、私の定位置になってしまった。

Twitterを眺めて、 #文学フリマで買った本 をエゴサする。感想が少しずつ届きつつある。やっぱり小説を大事に読んでもらえるのは嬉しい。もちろんエッセイもだけど、私のエッセイは特別大事に読むものでもないと思うので、楽しんでくれたらいいな、ぐらいの気持ちの方が強い。これからも通販や、どこかのイベントで届くべき人に届いていってほしいと、願う。

文フリの余韻が徐々に抜けてきて、次は何を書こうか、何を作ろうかという思考に移ってきた。小説が書きたい。完全書き下ろしの連作短編集や、長い話を一本書いてみるのもいい(とはいえ短編レベルしか書けないのだけれど)。
1冊の本にする、という無駄なようでこの上なく意味のある行為に、そして作った本を手から手へと渡すあたたかさに、私はすっかりやられてしまったようだ。

少し気持ちが上向きになってきたところで、恋人が早めに帰宅する。ソファーから起き上がり、時計屋に行く準備をする。電池切れした時計を再び動かしてもらうためだ。

気がつけば、夕方の空が明るい季節になってきた。いよいよここで暮らして、一年が経つ。


翌日はこれまた本に恵まれて。
ふらりさんに会えました!えっへっへ。


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