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強気なモー娘。に期待しかない

モーニング娘。'21の新アルバム「16th~That's J-POP~」の発売が発表されましたね。ハロプロにハマってから全グループ通して初めてのアルバムなので楽しみです。

というのも、ももクロエビ中の音楽でオタクとして育った身としては「アルバムの作り込み方」はとても興味があるんですよね。特にアルバムの”コンセプト”と各楽曲のつながりとなると深読み大好きオタクと化します。

今回のアルバムのコンセプトなるものは、つんくさんの言葉を借りると

「これぞまさしくJ-POP」

この2021年にこの宣言は強気ですね。楽しみです。

アルバム狂のももクロ

個人的にスタプラとハロプロの大きな違いの一つは「シングルとアルバムの扱いの差」だと思っています。

別にハロプロがアルバムを邪険に扱ってるとか言いたいのではなくて、スタプラの方は狂ったようにアルバムに力を入れるんですよね笑

アルバムは、それまでのシングルを総集編のようにまとめて収録した”ベストアルバム”と、既存曲に加えて新曲も多数収録した”オリジナルアルバム”に大別できます。今回の新作もオリジナルアルバムの分類です。

そしてこのオリジナルアルバムの中でも、「何かテーマやコンセプトが与えられて、それに沿って楽曲や曲順が決定されるアルバム」のことを”コンセプトアルバム”と呼びます。

スタプラはこのコンセプトアルバムが抜群に強い。

例えば2016年に2枚同時発売されたももクロの3rd「AMARANTHUS」、4th「白金の夜明け」はそれぞれ「起きて見る夢=人生」「寝て見る夢=ファンタジー」を描いた傑作アルバムです。

それぞれの楽曲のクオリティの高さ、幅広いジャンルの楽曲群をカッチリまとめるコンセプト、2枚を比較すると見えてくる綺麗に対称性を持った構成、どこをとっても作り込み方が半端ない。

この記事の考察もすごい。古今東西あらゆる知識を持っているライターさんもすごいし、その方にここまで書かせるももクロもすごい。

このアルバムは特典映像にアルバムの制作過程密着(会議やレコーディング)がついてるんですが、これは音楽好きならぜひみて欲しいです。”狂”という言葉がぴったりなくらいの音楽への熱量と登場人物たちの面白さです。

変幻自在のエビ中

ハロプロと最近仲良しなエビ中も、アルバムに関しては面白い取り組みをしています。

例えば2017年の「エビクラシー」。このアルバムは全て新曲で構成されており、1曲ごとにフィーチャーされるメンバーが変わっていきます。(フィーチャーなので当然全員歌っています。)

最年少中山莉子メインの「制服”報連相”ファンク」にはじまり、最年長真山りかメインの「春の嵐」で締め、最後はエビ中のコンセプトを再確認する「フォーエバー中坊」で大団円です。各曲メンバーの色が濃く出ていてエビ中らしさが体感できます。

椎名林檎もこのアルバムを聞いて、自分トリビュートアルバムにエビ中を誘ったようです。

他にも様々なジャンルのアーティストに楽曲提供を依頼して”エビ中なりのプレイリスト”を作り上げた「playlist」だったり、初期〜中期のアルバムでは寸劇やラップ、一発撮りとやりたい放題だったり、エビ中はまさに変幻自在といったところでしょうか笑

各アルバム書くこと本当にいっぱいあるので、一つ一つ後日また語りたいなと思います。

「BEYOOOOONDS 1st」の完成度

とここまで長くなってしまいましたが、こういった経緯で私は「アルバム」が好きです。そしてそんな私をハロプロに引き摺り込んでくれたのが、アルバム「BEYOOOOONDS 1st」でした。

このアルバムを聞いて、「あぁ日本のアイドル界はまだまだ明るい」と感じたんです、ほんとに。

眼鏡の男の子をめぐるストーリーが描かれる中盤に、壮大なスケールで歌われるけどどこか滑稽しい首尾、その間に挟まれる各グループの自己紹介たちのバランスの良さに、「こんなに面白い音楽やってるアイドルがまだいるのか!」と思った記憶があります。

ここから動画を漁るうちにハロメン全員の名前を覚えてしまいどハマりするわけですが、このアルバムの他に世界観が作り込まれたアルバムはあまりハロでは見かけないなぁと少し寂しく思っている次第です。(ハロオタの先輩方、もしおすすめのアルバムがあったらぜひ教えてください…!)

というわけで、今回のモー娘。新アルバムはどんな作品が来るかと非常に楽しみにしているわけなんですね。

J-POPを背負う”ボーカルユニット”への道

そして話題は冒頭に戻ります、つんくさんはモー娘。新作に「『これぞまさしくJ-POP』という気持ちを込めて」と語っています。

個人的には、ここ数年でJ-POP界には一気に役者が揃ってきたと思っています。

・高い次元で和洋の魅力をバンドサウンドでまとめあげる髭男、King Gnu

・日本固有の”ボカロ文化”を大衆音楽まで引き上げたYOASOBI

・唯一無二の存在感を放つポップスター星野源、米津玄師

など書き出すとキリがありませんが、このあたりのアーティストが最前線に出てきて、少し鬱屈気味だったJ-POP界がぐっと明るくなったように感じます。

そんな中で「J-POPを背負う」宣言はずいぶん大きなことのように感じますが、モー娘。は日本を代表する”ボーカルユニット”として、そこを目指してしかるべきだと思います。

ボーカルユニットというくくりではSMAP、嵐という絶対的な存在がいなくなり一つの転換点を迎えている今、男女の違いあれどモー娘。はそれを引っ張っていくくらいの気概が必要なのではないでしょうか。

そこで必要になってくるのは歌唱力やダンスといったミクロなテクニックうんぬんではなく、熱量や意思、どんなものをどんな形で世界に届けていきたいのかをはっきりと示すことだと思っています。

音楽は技術レベルの高低を競うものではなく、表現活動です。ファンもここを心に刻んで彼女たちの音楽に向き合うべきです。

だからつんくさんの熱のこもったコメントは非常に嬉しかったわけであり、非常にワクワクしています。

様々な面でハロプロの注目度は間違いなく高まってきています。

モー娘。がJ-POP界にかける勝負、期待大で待ちます。

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