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去勢映画「ホステル 1&2」の感想 ネタバレ考察

レ・ミゼラブル あぁ、無常

名前くらいは知られてる小説。19世紀のパリで貧困にあえぐ人々が愛を希望にして生きていく話。
映画はよく愛がテーマになる。現実ではそんなに見かけない。だから映画になるんだろう。
で、愛がなければなにを希望に生きていけばいいんだろうか?

コミュ力が最強のサバイバルスキル

無人島なら無意味だけど、人がいないところなんてあんまりない。
誰とでも仲良くなれるやつがいたらどこでも生きていける。
そのためにはいろんな言葉が喋れた方がいい。
ホステル1では多言語を喋る男が生き残る。
ちょっと臆病だけど優しい友達でもなければ、家庭を持ちながらもあそんじゃうやんちゃなおっさんでもない。ハメは外すしエロいことも大好きだけど文化も言葉も違う地獄で言葉を使って窮地を切り抜ける。
変態金持ち殺人鬼も同じ言葉を離されると戸惑う。
現地の子供に大量のガムと引き換えに追っ手を殺させる。
話が通じるってすごい便利だ。でもなんか足りない。

札束で殴れ!

地獄の沙汰も金次第って言う。ホステル2では主人公は金で解決する。
金の使い方が気持ちいい。金だけは持ってるけど抜けてるおっさん二人とは違って命を金で買う。自分の命もむかつく女の命も金で解決。
2の主人公も実は現地の言葉が少し話せたって事が後でわかる。
で、やっぱり子供と交渉して復讐する。対価はきっと金。
話が通じても相手の望むものを渡せなければ意味がない。この世界では金で買えないものはほぼない。つまりコミュ力と金の二つが最強の組み合わせなのだ。
金さえあれば1の主人公だってきっと死なずに済んだ。金で会員なればいいんだから。
こう書いてるとなんか悲しくなってくる。世知辛すぎて。ホステル1と2は窮地からの生還と復讐で最高の爽快感を提供してくれるんだけど、その後には一抹の不安が残る。

愛なき時代に生まれたわけじゃない

斉藤和義の「やさしくなりたい」って歌の歌詞。
ないわけじゃないんだろうけど遭遇率が低いと思うんですよ。その「愛」ってやつが。
愛さえあれば強くて優しくなれる。
だったら2のおっさん二人も金で何者かになろうなんて思わないだろうし、きっと奥さんもチンコもがれたおっさんと愛し合えたんだろう。
でも誰もつよくないしやさしくなれないので歪になっていく。
あの殺人パーティは戦争で人手が無くなりセックスと暴力で金を稼ぐことになった。
性と血が最も効率よく金を稼げるから。
1では女を買ってるつもりが実は女に売られてて、外国に行けるくらいの中流家庭が富豪に殺され、その場を提供してるのが貧困地区って皮肉。
2では金のないバカ二人は助からない。
なんでかこの映画のサジェストに「実話」ってワードが出てくる。
勿論実話じゃない。スロバキアに関わらず旅行者が狙われるのは現実としてあるってだけ。現実もさっき書いた皮肉が蔓延ってるだけ。それが事実を元にしたって話の真相。
現実は殺されたりはそうそうないけど、騙されたり盗まれたりする。それを解決してくれるのが金とコミュ力だって話。
僕はどっちもそんなにないな……

備忘録

2はグロが少な目。
一番グロい死に方が全部男なのは1と一緒。

首がいっぱい飾られてるのは何?
反抗した貧乏人?

1には監督本人が出てくる。
2は見つけられなかった。


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