結婚できると思ってた

連絡が来なくなった。
急に３日も、連絡が来なくなった。

付き合って二年。
たくさん喧嘩はしたけれど、いつも向き合って二人で乗り越えてきた。

好きだから。この人と結婚したいと思っていたから。
彼とも、何回も未来の話を重ねていたんだ。

学生だった私たちは、お互い転機を迎えた。

私は、社会人へ。
彼は、就職活動へ。

暖かい春も普段どおり訪れ、暑い夏も今まで通り楽しく遊んだ。
何も変わらないと思っていた。
何か変わっても、私たちは大丈夫だと確信していた。

暑い夏が終わりを告げる、8月末。

急に彼との連絡が途絶えた。

私が「会いたい」とわがままを言ったその夜から、連絡が途絶えた。

いつもの喧嘩だと思っていたのに、何日立っても連絡がない。
私が折れて連絡をしても、返ってこない。

明らかに今までとは何かが違う。
そう勘づいた時には、すでに手遅れだったかもしれない。

思い立ったその瞬間に、私は彼の元へ走った。
家から引きずり出して、夜中に何時間も語り合った。

なんだか彼は、悲しそうな顔をしていた。

彼から出てくる一言一言に私は涙が止まらなかった。

「僕は君を大切にできていない」
「君よりも優先したいものができてしまった」
「もっと後に君と出会いたかった」

「そして、君と結婚がしたかった」

なんて無責任で、残酷で、独りよがりの答えなんだろう。

大好きな人の頭の中に少しでも
私と別れる未来があったことに
辛くて絶えきれなかった。

ずっとこの先も一緒だと、語り合っていた一ヶ月前は、
こんなにも簡単に崩れていくものなのか。

彼への信用と信頼が崩れていく音が聞こえたその時には
もう私たちの幸せな過去も姿を消していった。

結婚したいと思ったその時に
結婚できる環境あることとお互いの思いがマッチしていること。
どれだけ幸せなことか、
いつか私にも体験できる日は来るのかな。