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お母さんは学校の応援団長

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「愛される学校づくり研究会」のホームページ内に教育コラムとして掲載された原稿をまとめました。2013年4月~2018年3月まで、5年間(60回)連載しました。
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#2016年

【 第46回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(4)

【 第46回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(4)

◆ゴールを決めるこれまで3回にわたり、「地域と学校が協働する」ための新しい組織づくりについて、想うことを書いてきました。
今回は、組織ができて運営を進めるときに、こんなことが大切なのではないかと考えていることを、いくつかご提案したいと思います。

新しく組織を立ち上げるときには、いろいろな準備が必要です。
どのような目的で集まるのか、どんな人に集まってもらうのか、どのような会議をするのか・・・最初

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【 第45回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(3)

【 第45回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(3)

◆「協働」って何でしょう前回のコラムでは、「学校の現状を知ってもらおう」というお話をしました。
学校の「困り感」や「現状」を、率直に地域の方々にも知ってもらえれば、「協働」への理解につながりやすいのではないかと思います。
ここで「協働」って何だろう、ということを考えてみましょう。

◆「支援」も「協働」の一つ「協働」とは、漢字が表しているように、さまざまな人たちが協力して活動をすることを意味します

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【 第44回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(2)

【 第44回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(2)

◆初めの一歩を掘り下げる前回のコラムで、地域と学校の連携・協働には、「共通の土台作り」が初めの一歩です、と書きました。
そのためには、学校側の働きかけが大切なこと、そして校長先生が「どんな子どもに育てたいのか」「どんな学校を作っていきたいのか」という思いを伝えることが必要ではないか、という提案をさせていただきました。
ここをもう少し掘り下げて考えてみたいと思います。

◆見通しを持つ例えば、「地域

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【 第43回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(1)

【 第43回 】「地域と学校の連携・協働」に想う(1)

◆「連携」がより求められる時代10年ほど前に「教育基本法」が改正され、「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」の規定が新設されました。 その後、多くの学校が「学校・家庭・地域の連携協力」を教育目標に掲げ、推進されてきました。
そして、この「連携協力」の実現のために、学校・家庭・地域が一体となって、地域ぐるみで子どもを育てる体制を整えましょう、という目的で「コミュニティスクール」や「学校支援地域

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【 第42回 】「インクルーシブ教育」に想う(3)

【 第42回 】「インクルーシブ教育」に想う(3)

◆「みんなが同じ教室で」がいいのかどうか前回のコラムで話題にした「みんなの学校」では、支援が必要な子どもたちも通常学級で学んでいました。
映画では、そのような子どもたちが少しずつ成長し、「多様性を尊重し、すべての子どもが共に学ぶ」姿を具体的に見ることできました。

感動的な映画だったので、観客の中には「すべての子どもたちが通常学級で学ぶのはよいことだ」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

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【 第41回 】「インクルーシブ教育」に想う(2)

【 第41回 】「インクルーシブ教育」に想う(2)

◆ドキュメンタリー映画「みんなの学校」を観て昨年公開(※2015年公開)され話題となったドキュメンタリー映画「みんなの学校」を、先日観る機会がありました。
「みんなの学校」は、大阪市にある公立小学校(大空小学校)の日常を記録した映画です。

大空小学校の特徴は、すべての子どもたちに居場所がある学校を目指していることです。映画のタイトルのとおり、「みんなの学校」になることを目指しているのです。
大空

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【 第40回 】「インクルーシブ教育」に想う(1)

【 第40回 】「インクルーシブ教育」に想う(1)

◆「インクルーシブ教育」のこともちろん、学校の先生方はよくご存じであろう「インクルーシブ教育」(インクルージョン教育とも言うそうです)ですが、残念ながら、一般の人々や保護者の中ではほとんど知られていません。
よほど注意深くニュースを見たり、教育関連の情報を見ていなければ、言葉を聞くこともなく、どのような教育を指すのかも知らずに過ぎていってしまうでしょう。
しかし、この「インクルーシブ教育」は、先生

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【 第39回 】学校事務職員さんへの想い(2)

【 第39回 】学校事務職員さんへの想い(2)

◆学校事務職員の厳しい現実「第13回日本スクールビジネス研究会シンポジウム」では、名城大学大学院教授の木岡一明先生による基調講演があり、昨年末に出された中教審の答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」を読み解き、わかりやすい解説をお聞きすることができました。

その中では、「学校事務職員」という職域について、かなり厳しい見通しが示されました。
今後は、予算縮小の方向性がさらに強ま

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【 第38回 】学校事務職員さんへの想い(1)

【 第38回 】学校事務職員さんへの想い(1)

◆「第13回日本スクールビジネス研究会シンポジウム」に参加去る2016年3月5日(土)、愛知県一宮市で「第13回日本スクールビジネス研究会シンポジウム」が開催されました。
主催メンバーのお一人でもあり、当愛される学校づくり研究会のメンバーでもある風岡治さんに声を掛けていただき、シンポジストの一人として参加させていただきました。
たくさんの参加者のほとんどが「学校事務職員」であるということ、全国から

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【 第37回 】「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」レポート(2)

【 第37回 】「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」レポート(2)

◆「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」開催2月6日(土)東京の品川で、「愛される学校づくりフォーラム2016 in 東京」が開催されました。
2011年に始まった全国フォーラムも、名古屋、東京、京都、大阪と会場を移しながら、今回で6回目の開催となりました。
参加者にはリピーターも多く、全国各地から足を運んでいただき、会場は満員で、熱気あふれる一日となりました。
 
今回のコラムでは、

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【 第36回 】「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」レポート(1)

【 第36回 】「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」レポート(1)

◆「愛される学校づくりフォーラム2016 in東京」開催2月6日(土)東京の品川で、「愛される学校づくりフォーラム2016 in 東京」が開催されました。
2011年に始まった全国フォーラムも、名古屋、東京、京都、大阪と会場を移しながら、今回で6回目の開催となりました。
参加者にはリピーターも多く、全国各地から足を運んでいただき、会場は満員で、熱気あふれる一日となりました。

今回のコラムでは、当

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【 第35回 】「チーム学校」に想う(3)

【 第35回 】「チーム学校」に想う(3)

◆学校の中の「チーム学校」前回のコラムでは、「チーム学校」の持つ2つの側面のうち、「学校と地域が作る『チーム学校』」についての思いを書きました。
今回は、もう一つの側面、すなわち「学校の中の『チーム学校』」について書きたいと思います。

「学校の中」というのは、いわゆる職員室におられる先生方や事務職の方、用務員の方など、毎日学校でさまざまな業務に携わっている方々のことですね。
しかし、現在、学校に

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【 第34回 】「チーム学校」に想う(2)

【 第34回 】「チーム学校」に想う(2)

◆「チーム学校」の2つの側面文科省が推進している「チーム学校」には、2つの意味合いがあります。

1つは、学校の中の「チーム学校」。これは、教職員の仕事や役割分担を見直し、業務をスリム化して教職員の負担を減らすことや、学年団や学年間、さらには学校全体が協力して、「チームとして」教育活動を行っていくことを目指しています。

もう1つは、学校と地域がつくる「チーム学校」。こちらは、学校のまわりの地域の

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