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まつたく
2022年9月11日 07:30
小学校高学年。夏休みも明けて、蝉時雨も落ち着いてきた頃の出来事。少年がいつものように本を片手に下校をしていると、「○○く〜ん!」と真正面から手を振る少女がいた。少年は顔を上げ、笑顔を振りまく少女に一瞥をくれる。特に面識もない、隣のクラスの同級生・A子だった。軽く会釈をしながら通り過ぎようとすると、A子は「気をつけて帰ってね!」と同じトーンで元気よく声をかけてきた。少年は、
2019年11月25日 21:29
紫陽花が咲き乱れる梅雨の通学路ぼくは独りで雨に打たれながらうまずたゆまず 自分の“言葉”を整理していたこの孤独な気持ちに当てはまるワードが浮かびそうな気もしていたがそれはまるで泡沫の雫のように浮かんでは消え 浮かんでは消えぼくをしっかり困らせた靴がえらく小さくぎゅうぎゅうになっており踵に不思議な痛みを感じた雨の水滴が ぼくのその靴擦れの傷に染みてくるそこに特