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【観劇】六月大歌舞伎:三谷かぶき「月光露針路日本」

先日、三谷かぶき「月光露針路日本」へ行ってきました。
歌舞伎座久しぶり…実は新しくなってから初めてだったりする。それもそうだ、しばしば通っていたのは結婚前だった。
で、今度は小4になる息子を連れての鑑賞。母も夫も、つまりは家族総出での歌舞伎。すごく歌舞伎っぽい。息子ははじめての歌舞伎爆笑していました。

みなもと太郎「風雲児たち」から、大黒屋光太夫のロシア漂流記。

大黒屋 光太夫(だいこくや こうだゆう、宝暦元年(1751年) - 文政11年4月15日(1828年5月28日))は、江戸時代後期の伊勢国奄芸郡白子(現三重県鈴鹿市)の港を拠点とした回船(運輸船)の船頭。天明2年(1782年)、嵐のため江戸へ向かう回船が漂流し、アリューシャン列島(当時はロシア領アラスカの一部)のアムチトカ島に漂着。ロシア帝国の帝都サンクトペテルブルクで女帝エカチェリーナ2世に謁見して帰国を願い出、漂流から約9年半後の寛政4年(1792年)に根室港入りして帰国した。

文章にするとたったこれだけなんですけど…

いや凄まじいよね…想像を絶するよ。帰国の許可を得るためにロシア内を移動していくのだけど、地理的には「日本に帰るために日本から遠ざかる」わけで。どんどん仲間は死んでいくなか、光太夫の折れない心にぐっときます。9年半!うぅ…

観る前は「風雲児たちのここを歌舞伎で⁈どんなだろう」と思っていたけど、筋書きに寄せられた三谷幸喜さんのメッセージに、なぜこれを歌舞伎にしようと思ったかのエピソードが書かれていて、なるほどと唸りました。

やっぱり歌舞伎は場面転換が面白い。

そして場面場面で、こうなんていうか、急に二次元になるんですよ!(こういうの、歌舞伎独特の表現なのかしら?)役者さんたちが一斉にポーズ、静止するんですよね…一枚の絵を見ているように美しくて。訓練された身体が、ありえないポージングで静止。かっこいいったら。この人たちにジョジョ立ちしてほしいくらい。
きっとこのシーンはあの古典のパロディ!みたいなところも所々あって、きっと詳しい方々には面白さ倍増なのかと。

意思をもって懸命に自分の物語を生きること…を笑いながら考えさせられた一日。
最近の(自分の)キーワードだな、自分の物語を生きるとか綴るとか。


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