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従業員の困りごと④

 データ入力や封入封緘作業を行なっているアウトソーシングサービス事業所で働く真面目で一生懸命な彼だが、高次脳機能障害があって、複雑な作業が入ってくると段取りができず、ミスが多くなったり、作業手順が抜け落ちてしまったりしてしまうことがある。

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 上司は「1日に1回、進捗報告をするように」と伝えていたが、報告や相談が漏れることもあって、どうしたらよいか悩んでいた。

 加えて、ひげそりを忘れたり、爪が伸ばしっぱなしになったり、同じ服を着てきたりと身だしなみができていないことがあり、周囲からのイメージもあまり良くなかった。

 彼自身には悪気はなく、思うように出来ないことに対してとても困っていた様子だったので、それを見ていた上司は何とかしてあげたいと感じていた。

 そこで上司は、身近に相談できる人が近くにいたので、高次脳機能障害の特性である注意障害、記憶障害、遂行機能障害などを学び、職場での支援方法についてアドバイスをもらった。

 アドバイスをもらった上司は、彼に作業のゴールを明確にすることが必要だと分かって、1日の作業目標を設定して、その進捗状況をこまめに報告するというルールを作った。
 時間を要したが、目標をはっきりさせ、ルールが定着したことから、毎日しっかり報告できるようになった。

 身だしなみも項目ごとに出来ているかどうかチェックシートで相互に評価することによって、自分だけでなく、周りからどう思われているかも客観的に捉えることができるようになり、徐々に改善されてきた。

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 これからも辛抱強く彼と向き合っていく必要はあるが、日々の行動をパターン化して繰り返すことで、仕事上のスキルアップや生活習慣の定着化が図られ、きっと安心して業務を行うことができるようになると上司も同僚も期待している。

YORISOU社会保険労務士法人の大内です。わたしたちは、企業が抱える従業員のお困りごとに対して、積極的にサポートしていきます。また、育児・介護・病気と仕事の両立支援についても、企業を支えていけるよう職員全員でがんばっています!


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