異業種から映像クリエイターとして独立するために役立った3つのポイント
おかげさまで、元高校教師だった私がランサーズの映像クリエイター部門で1位になれた松梅です。ありがとうざいます。
そんな今回の記事では、主に映像クリエイターを「これから目指す人」や「始めたばかりの人」に向けて、異業種から映像クリエイターになるために役立ったことや失敗したことなどをお伝えできればと思います。
簡単に私の経歴を載せておきます。
元地方の高校教師(理科・物理)
2017年ごろから副業開始
映像制作は2021年ごろから本格的にはじめた
2023年からフリーランスになった
こんな私が自身の経験をもとに(特に未経験や異業種から)動画編集を始める上で役に立ちそうな内容についてまとめていきます。
この記事では副業やフリーランスの "マインド面" などは出てきません。そういった "マインド面" が気になる人は下記リンクから別記事をどうぞ。
「副業」全般については「副業の初収入「107円」だったフツーの私が、2年かけてランキング1位になれたポイントとは?」で語っています。
「フリーランス」になる前の心境などについては「15年以上勤めた高校教師からフリーランスになった、ワケと本音」で語っています。
その1|ポートフォリオは必須。ただし…
クリエイター系のお仕事では、ポートフォリオが必ず要ります。(クリエイターとして企業で働いたことはないので、必ずかどうかは想像の範囲ですが…)
ポートフォリオとは、金融の世界であれば自身が所有している金融商材の組み合わせやバランスなどを指すようですが、クリエイターや動画制作においては、あなたが作れる(または作ってきた)動画作品集といったところでしょうか。
いわばポートフォリオは、「カタログ」や「メニュー表」に近いと感じています。
「私、こういう人なんです。」
そんな言葉を添えながら見てもらうものなので、ポートフォリオでもっとも大事にしているのは「世界観」や「コンセプト」です。
だからこそ、ポートフォリオそのものは自己紹介としての役割は低いと考えています。
これから映像制作を始める人(または始めたばかりの人)には、ぜひこのことを知っておいてもらいたいです。
ポートフォリオそのものは自己紹介としては使えない
カタログやメニュー表はそれ自体に大きな意味があるわけではないですよね?
大事なのは、そこに載っている商品たちです。
また企業のパンフレットなどで、いきなり沿革や社歴を読み込むか?と聞かれたら、やはり答えはノーです。
経歴や人となりに関する文章を読み込むとすれば、それはあなたに興味を持ってから。「深く知りたい!」とファンになってから、その人や企業の自己紹介を読み込むはずです。
そうなんです。
興味もないのにいきなりポートフォリオで自己紹介をされても、敬遠してしまいます。
クライアント自身が抱えている「課題」や「問題」を、このクリエイターならどうやって解決してくれるのか?
そんな課題解決の糸口をクライアント自身に見出してもらうために、ポートフォリオは存在していると私は考えます。
そのために必要なのはどんな商品を提供しているのか、という情報。
それをまとめたのがポートフォリオです。
ポートフォリオは自己紹介VTRではありません。
それにもかかわらず、(映像制作を始めたばかりの人たちに多いですが)自己紹介のような内容でポートフォリオを作られている方を何人もお見かけします。
事実私のところにも「仕事くれませんか?」みたいに営業のメールをいただくこともあるのですが、そんな人に限ってテンプレっぽい内容で作られたポートフォリを頂戴することが多いです。
「たとえばこちらの動画のように〜」と、サンプルを出すわけにはいかないので言葉で説明しますが、
経歴や自己紹介
普段使っているソフト名などを表示
力量を推し量るための「材料」として、「エンタメ系」「経済系」「Volg系」などテーマ別に作られたYouTubeの動画を見せる。
最後に、仕事受付窓口としてX(旧Twitter)やInstagramのアカウント名を表示。
こんな構成の動画です。
ひょっとすると、どっかの映像スクールで課題になっていたり、指導者がマニュアルに組み込んでいたりするのかもしれませんね。
確かに「一定の編集スキルはあるのだろう」と判断材料の一つには使えそうですが、少なくとも私には「この人に仕事をお願いしたい!」とは思えないです。
理由は明白。
そのポートフォリオを見てもあなたがどんな作風で映像制作できる人なのかわからないからです。
自己紹介ポートフォリオは、動画技術以外での評価でしか選ばれなくなる?!
「お寿司を食べたい!」と思って、和食のファミレスを選ぶかどうか?に近いかもしれません。
「近所にある」「値段が安い」など、お寿司以外の評価軸で選ばれることはあるでしょうが、口コミサイトを開いて寿司屋を吟味しているときに、ファミレスのように「なんでもできます!」という店は選びません。
ポートフォリオも同じです。
クリエイター自身のカラーが見えにくい「YouTube編集できます」「なんでも対応できます」系のポートフォリオは、映像制作やクオリティ以外での評価でしか選ばれなくなってしまします。
すると、遅かれ早かれ安く買い叩かれるようになるでしょう。
やがて「動画制作なんてお金にならない」「安くてこき使われるだけだ」そんな結末を迎える可能性だってあります。
ポートフォリオはあなたの世界観を伝えるものです。
コンセプトメイキングと言っても良いでしょう。
これから映像クリエイターとして独立したい人は、ぜひあなたにしか作れない「カタログ」や「メニュー表」を準備するイメージでポートフォリオを作成してもらいたいです。
おすすめは、実際に作った動画をYouTubeやvimeoにアップロードして、そのURLをテキストとしてまとめておくことです。
動画クリエイターのポートフォリオといっても、必ずしも動画である必要はありません。
むしろ動画にするならカタログを意識して、画面の上部や下部にタイムフローを載せたり、見出しなどを動画内に準備して「作風・ジャンル」を見やすくしたりする方が良いでしょう。
これについては、YouTubeなどに上がっているナレーターや声優さんのポートフォリオがわかりやすいので、まだご覧になったことがない場合はぜひ検索してみてください。
この時の注意してもらいたいのは、自己満足にならないこと。
YouTubeの作風ばかりを羅列しないことです。(詳しくは後述しています。)
また、たまにお見かけしますが、自分が作った時系列そのままで並べているポートフォリオを拝見しますが、これもあまりお勧めしません。
その時系列はクリエイター都合でしかないためです。クライアントには不親切な並びになっていることが多いですからね。
いずれにせよ、クライアントが見やすくなるような工夫は欲しいところです。
私は「業種ごと」「用途ごと」に分けて、その時見せるクライアントによって、並び替えをしています。
最近だと「短尺」と「長尺」のような分け方でも良いかもしれません。
例えばこんな感じです。
<YouTube>
・URL
・URL
<動画広告>
IT系
・URL
士業系
・URL
短尺
・URL
縦長
・URL
<マニュアル動画>
・URL
・URL
避けたいのはこんな感じです↓
<経済系YouTube>
・URL
・URL
<エンタメ系YouTube>
・URL
・URL
<Vlog系YouTube>
・URL
・URL
YouTubeで<経済系><エンタメ系>と分けない方が良い理由は簡単です。
そのクライアントが、ジャンルの違うYouTubeチャンネルを複数運営している可能性が少ないからです。
YouTubeチャンネル運営代行業者に自分を売り込むようなポートフォリオの場合は効果があるでしょうが、ほとんどのクライアントにとっては経済系にしろエンタメ系にしろ、制作目的は「YouTube」で変わらないので細かく分けられても見ません。
ポートフォリオ内での分け方については好き嫌いと同じなので、(それこそ自分のカラーを出して)個性を発揮してみてください。
どんな形式だとしても、クライアントにとって「見やすい」「探しやすい」「違いがわかりやすい」ものほど、好まれると思います。
これから映像制作を始める人や始めたい人の中でまだポートフォリオを作っていない場合は、自己紹介みたいなポートフォリオは避けて、クライアントが選びやすいカタログやメニュー表となるような、あなたの世界観が統一されたポートフォリオを用意しましょう。
その2|クリエイティブ能力やセンスより、ビジネス思考が大事
やや「独立」という視点によった内容ですが、異業種から独立して映像制作でご飯を食べて行こうとするなら、必ずビジネス思考が大事になります。
私自身振り返ってみても甘かったなと思いますが、「良いものを作っていたら自然とお客が集まってきて、動画を作ってお金が稼げるようになる。」と初期の頃は考えがちです。
違います。お金を稼ぐためには人が集まるための工夫や目に留めてもらうための準備が必要です。
ぶっちゃけ、良い動画を作るのは当然です。
その上で、それを届ける(伝える)工夫が必要だと感じています。
簡単なところで言えば、クライアントに提案する提案文や営業メールを使いまわさないことでしょうか。
就活時代を思い出してみてください。
受けるところが違うのに、同じ志望動機で良いはずがありませんよね。それにも関わらず、私の元にいただく動画編集者の方たちの文章(メール)は、ほとんど同じです。
おそらく手当たり次第に送っているのでしょう。下手な鉄砲のように数打てば当たるかもしれませんが、あまりにも非効率です。
ビジネスとしてやるからには、コンセプトが最重要
なぜ未来のクライアントは、あなたに「動画を作って欲しい!」と言ってくれるのか?
そのクライアントに「どんな課題」があって、「なぜ」あなたがそれを解決できるのか?
この思考ができるかどうかで、異業種から映像クリエイターとして独立しても大丈夫かどうかが決まってくると感じています。
すでにビジネスマインドがある人は良いですが、私みたい元高校教師だったり役所勤めの地方公務員だったりすると、「売上」や「集客」という(ビジネスをするうえで)重要な観点がすっぽりと抜けることが多いため、特に集客は意識しています。
そんな「売上」や「集客」に直結するのが、コンセプト。
コンセプトという表現がわかりにくければ、「あなたのサービスを10秒以内で伝えて!」と言われた時に、どんなセリフで紹介するかです。
新聞の見出しをイメージしてもいいですね。
YouTubeや各種SNSがこれだけ成熟した現代だと、1億総クリエイター時代といっても過言ではないので、クリエイティブ能力やセンスで勝負しても、有象無象へと消えていってしまいます。
自分がやりたいこと
(どんな映像を作っていきたいか、誰のために映像を作りたいのか)自分ができること
(スキル、能力、技術)(クライアントや社会が)求めていること
(クライアントや社会が抱えているであろう、解決すべき課題)
この3つそれぞれにあなたなりの答えを書き出して、その3つの中から共通する内容を見出せるようになると、比較的ビジネス思考は身に付くかなと感じています。
ぜひ異業種から映像クリエイターになりたいと考えているなら、上の3つに当てはまるあなたなりの答え(コンセプト)を見つけてみてください。
その3|準備時間を、想定の2倍用意する
これは副業を始めた人に多く言えることですが、ついつい「やったらすぐに結果が出る」と考えてしまいがちです。
シンプルに「長期的思考で頑張っていきましょう。」という意味なんですが、言い換えれば「勝負できる強みをゆっくり積み上げて、磨いていく時間が大事」とでもいいましょうか。
先ほどの「コンセプト」や「ビジネス思考」と同じですが、人を集めるための前提条件として「あなたのスキル」か「あなた自身またはコンセプト」に魅力がないと人は集まってきてくれません。
残酷ですがこれは現実です。
あなたはドラマの主人公ではありませんからね。
いつもそばで誰かがあなたの仕事ぶりを見守ってくれている
いつもそばで誰かがあなたのことを気にかけてくれている
そんなことは絶対にありません。
自分で時間をかけてスキルを身につけて発信していくか、(スキルが身につかなければ)あなた自身またはコンセプトに魅力がないと、人は集まってこないでしょう。
その上、そのスキルや魅力がクライアントに届けられるようになるまでには、相応の時間がかかります。
異業種から映像クリエイターになろうとすると、スキルを身につける時間、魅力(コンセプト)が伝わる時間がどうしてもかかってしまいます。
体感としては、今思い描いた時間(想定)の2倍を見積もっておくと良いかなと感じます。
「来年には独立していたいな。」と考えるなら、少なくともその2年前から準備しておくイメージです。
実際はもっと早く独立できるでしょうが、時間の余裕(バッファ)をしっかりと取っておくとより安心して物事に取り組めるはずです。
ちなみに「SNSで一発当ててやんねん!」と、短距離走的な発想で一気に稼ぎ切るのも一つの手かもしれませんが、それが可能になるのは一度や二度、自身のコンセプトやビジネスが成功してからじゃないと難しいかなと感じています。
いわゆる「強くてニューゲーム」というやつです。
異業種から映像クリエイターを目指そうとしている人は一旦この考えを捨てておいた方が無難でしょう。
以上、体験談を踏まえて異業種から映像クリエイターになるために役立ったことや失敗したことなどをお伝えしました。
これ以外にもたくさん経験談がありますので、また折を見て紹介できればと思います。
もしよければフォローやいいねなどをしていただいて、のんびりとお待ちいただけると嬉しいです。
ではまたー!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?