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レユニオン島の食文化(クレオール料理とフランス料理)

本日はレユニオン島の食文化についてまとめたいと思います。
レユニオン島についての投稿はこれで最終回となります。

これまでルガイ・ソセスを代表とするクレオール料理について少し触れてきました。
クレオール料理とは、元々は他国からの移民である(もしくは奴隷として連れて来られた)レユニオン島に住む人々が様々な食文化を融合して作り上げた島ならではの料理です。

まずは代表的なクレオール料理を簡単に紹介していきます。
一番有名なルガイ・ソセスについてはこちらの記事をどうぞ。

1.クレオール料理

①サモサ samoussas

サモサといえば、インド料理の軽食。中にスパイスで味付けした肉や野菜を詰めた三角形の揚げ物です。
中東、インドからの移民がレユニオン島に伝来したサモサもレユニオン島の国民食となっているようです。
レユニオン島ではあまりに人気の食べ物で、国民の肥満率が問題になっているとか…。
"TAïLOU"という有名チェーン店が大型のショッピングセンターに必ずあるのですが、揚げたてのサモサは格別に美味しかったです。
味の種類もチキン、ビーフ、魚、エビ、チーズと豊富でした。
不覚にもレユニオンで写真を撮っていなかったので、パートナーの両親が送って下さったCOLIPAYS(レユニオンフードの宅配)に含まれていたサモサの写真を載せます。

サモサはこのような三角形の揚げ春巻きのような食べ物です。

②ボンボンピモン Bonbons piments

名前が可愛いですよね。Bonbonとは飴、pimentとは唐辛子(チリ)の辛味を意味します。
ひよこ豆を潰して唐辛子を混ぜ、パン粉を薄く付けて揚げた食べ物で、ようは唐辛子入りファラフェルです。Bonbonと言えど、スイーツではありません。

おそらく中東からファラフェルが伝わり、辛いもの好きのレユニオン人が唐辛子を加えてオリジナル化したのでしょう。
食事というよりはパーティーなどで出てくる軽食の位置付けのようです。

これもCOLIPAYSのボンボンピモンの写真。真ん中に穴が開いています。レタス、トマト、パクチー、マヨネーズと一緒に食べたら辛さが和らいで美味しかったです。(レユニオンの人達は野菜と一緒には食べませんが😂)

③ブション Bouchons

ブションはレユニオン島のソウルフードとも言える、テーブルにあると皆テンションが上がってしまうような人気の食べ物です。
結論から言うと、焼売です。(笑)中華系移民が伝来したものと思われます。
中の具は豚肉か、ムスリム教徒のための鶏肉が一般的です。
"中華料理としての、もしくは日本で食べられる焼売"を知っている私にとっては、塩こしょうの味が強すぎて、レユニオンのブションはあまり美味しいと感じませんでした。
老若男女が美味しそうにパクパク食べているのを見ながら、「本物の(?)焼売を食べさせてあげたい…」と内心思ってしまいました。(笑)
しかも彼らは味変に中国製の醤油(塩分濃度が高くて心配になるレベル)やチリペースト、ケチャップやマヨネーズを付けて食べます。

このようにパーティーの軽食、前菜として定番です。爪楊枝を刺してつまみます。面白いのがケチャップとマヨを入れているカップが米用の計量カップ!さすが米カルチャーです。

④サシーブ Sarcives

サシーブとは、豚の塊肉をはちみつor砂糖、醤油、Pastisというお酒で一晩マリネし、オーブンで焼いた料理です。
Pastisとは、アニス(八角)の香りがするスピリッツで、フランス原産のお酒。好き嫌いが別れそうなフレーバーです。
この豚肉料理は個人的に大ヒットでした。中華料理寄りの味付けです。
Pastisを購入するのは勇気がいるので、紹興酒を使って "なんちゃってサシーブ" を作ってみようかと目論んでいるほどです。

写真撮り忘れ…。ごめんなさい。そのまま食べても良し、サンドイッチ等に挟んでもおいしい焼き豚です。結構甘味が強いです。

⑤アチャール Achard

こちらは一言で言うと、野菜のスパイス炒めです。
アチャールは元々インド発祥の"野菜のピクルス"だそうですね(知りませんでした…)。レユニオンで食べたアチャールはあまり酸味が強くなかったため、ピクルスというより炒め物という印象が強かったです。

使う野菜は人参、キャベツ、玉ねぎ、インゲン豆など何でもよく、ターメリック(必須)とニンニク、生姜、お酢(or レモン汁)をオイルで炒めた料理。

レユニオン島でターメリック(curcumaと言います)は必須の調味料らしく、多くのクレオール料理に使用します。

手前の野菜炒めがアチャール。付け合わせに最適。この海老の炒め物は中華風に醤油とガーリック風味でした。

⑥カリー Carry ※カレーではない

このクレオール料理について、私は食べるまで理解できませんでした。(笑) 「今日は鴨肉のカリー(Carry de canard)を作るよ。」と言われ、完全にカレーライスを想像していました。
食べてみると、「あれ?カレー粉の味がしない…。」そう、カレー(Curry)とは別物なのです。

クレオール料理の「Carry」は肉(or 魚)、野菜をターメリック、ニンニク、タイムと共に長時間煮込んだ料理。カレー粉は入れません。
一般的にはバスマティライスと共に食べられるようです。

こちらがCarry de canard。付け合わせにレッドキドニー豆の煮込み、トマトと玉ねぎと唐辛子のマリネ。
お皿に盛るとこんな感じ。長時間煮込まれた鴨肉は美味しかったです。トマトの唐辛子マリネは私には辛すぎて食べられませんでした。(笑)

⑦ザンブローカル Zambrocal

日本の炊き込みご飯と同じです。私達は醤油、出汁、酒などと炊き込みますが、ターメリック、塩こしょうで炊き込めばクレオールスタイルになります。
具材は豆類、余り野菜、ツナ缶など何でもOK。じゃがいもを一緒に炊いても美味しいです。
玉ねぎは別で炒めておいて炊き上がったご飯に混ぜるとより香ばしくなります。

これは私が作ったものです。具材はグリンピース、じゃがいも、炒めた玉ねぎ。今回は日本の米に近いものを使いましたが、基本はバスマティライスを使います。


他にも色々ありますが、代表的なクレオール料理の紹介はこの辺にしておきます。

2.フランス料理

レユニオン島はフランスの海外県のため、家庭でも外食でもフランス料理は普通に食べられるようです。美味しいパン屋さんもありますし、スーパーマーケットにもフランス本土から輸入された食材が並びます。
パートナーのお父さんは料理が大好きな方で、本格的なフランス料理、クレオール料理を振る舞って下さいました。何枚かピックアップした写真を載せます。

左はマグロの赤身と白身のタルタル。ケイパーとピンクペッパー、オリーブオイルで味をつけていました。千切ったバゲットと共に食べます。
ビーフの赤ワイン煮込み(Bœuf bourguignon)
たしか鹿肉のグリル。ジビエ肉や鴨肉をこのようによくグリルしていました。ソースはマスタードやチーズを使って手作り。
ソーセージとシュークルート(Choucrouteとは、キャベツの酢漬けのこと。ドイツのザワークラウトと同じ)。フランスのアルザス地方、もしくはドイツ料理と言われています。
ホットプレートでクレープパーティー。チーズ、ベーコン、マッシュルーム等乗せて包みます。もちろんスイーツとしても食べます。
こちらはお母さんがよく焼いていたアーモンドタルト。地味ですがめちゃくちゃ美味しかったです。レシピ聞かないと…。

朝食もフレンチスタイルでした。バゲットにバター、果物のコンフィチュール、はちみつ、チョコレートペーストなどそれぞれ好きなものを塗って、コーヒーと共に食べます。
もしくはパン屋でヴィエノワズリー(クロワッサン、パン・オ・ショコラ等)を買ってきて食べます。
日本の朝食よりは準備が楽な印象です。

沢山のコンフィチュールやチーズが並ぶ朝食(チーズなど塩辛いものを朝から食べるのはレアで、基本甘いものが好まれる)。食べているものはパンとコーヒーのみですが、味変のチョイスの多さが気持ちに豊かさを生むような気がします。
朝イチで買ってきたヴィエノワズリー。焼き立てはサクサクで美味しい。しかも安い(日本の約1/3)。

3.おまけ

最後に…このドードーのマーク🦤の飲み物。
La Bourbonというレユニオン島の有名なビールブランドです。レユニオン島の至る所でこのマークを見かけます。
一番定番のホワイトエールはとても飲みやすく美味しかったです。

ビールだけでなく酎ハイのような甘いものもあります。

もしレユニオン島を訪れることがあれば、是非お試しください。

いかがでしたでしょうか?
多様な民族が作り上げるレユニオン島の食文化について紹介して参りました。
日本からは遠く離れた島ですが、興味を持っていただけたら幸いです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました😊

別のレユニオン島についての記事も良かったらご覧ください。

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