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緊急事態宣言下で気がついた信頼ベースのマネジメント

はじめに

こんにちは、オプティマインド代表の松下健です!
弊社は「世界のラストワンマイルを最適化する」をビジョンに、ラストワンマイルの配送ルート最適化のVertical SaaSを展開しているテクノロジースタートアップです。今までnoteで発信をしていませんでしたが、少しでもオプティマインドに興味を持っていただくきっかけや、同じ業界やスタートアップでご活躍されている方々の一助になればと思い、組織や文化のこと、物流の未来などを発信をしていこうと思います。

今回は、私のマネジメントスタイルの変化についてです。

もともと心配性であり、細かいことが気になってしまう私は、可能な限り色々なことを自分で把握したいと考えていました。したがってマネジメントスタイルも、「みんなの業務内容は自分が常に把握しているべき」、「会社のミッション達成のために出社をするのは当然」という考えに基づいていました。そこからどのようにして、「ルールで管理する」のではなく、「ミッションの達成に向けて社員を信頼する」マネジメントスタイルに変化したのか。直接的なきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大により、フルリモートワークへの移行を余儀なくされたことでした。

フルリモートワークで気が付いた、「信頼」ベースのマネジメントの可能性


2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国に緊急事態宣言が発令されました。 “出社しているのが当たり前”、“同じ空間で、同じ空気を共有するのが当たり前”、の状況から一転して、弊社もフルリモートワークに切り替えなければならなくなりました。
毎日当たり前のように顔を合わせていた以前と違って、会えない中では、メンバーの状況を把握することが難しくなり、不安に駆られました。そこで次第に目線は、自分の内面に向かっていきます。そもそも把握できないことで不安になるのはなぜなのか?自分は何を恐れているのか?突き詰めると、自分の中の「信じきれなさ」に行きつきました。「リモートワークは、リアルの場での相互理解の機会を逃し、事業の生産性を落としてしまうのではないか」という考えのもと、「管理し、防がないと!」と対策ばかりを考えていたのです。きっと、自分自身に余裕がなく、リスクや不安に基づいた考え方をしていたのだと思います。
もちろん、自分としてはメンバーを信用し、業務を任せていたつもりでした。ただ、「あのメール返したかな?」「今、あの作業できているかな?」と常に頭をよぎっていたのも事実です。次第に社員数が増え、マイクロマネジメントでは追いつかなくなっていた状況に加えて、コロナ渦での緊急事態宣言発令。自分の考えを根底から見直す中で、「会社のミッションを達成するために行動してくれているメンバーへの信頼」をベースとしたマネジメントを目指そう、と考えるようになりました。

本来の目的は何か?ミッション達成のためのビジョン主義

緊急事態宣言が解除されたとき、フルリモートワークから出社に切り替えることもできました。しかし、弊社は、フルリモートワークの継続を決めます。具体的事情としては、社員が実家に帰らなくてはならなくなったことや、お子さんの学校が休みになってしまった社員がいたことなど、メンバーの置かれている環境が、宣言前と変化してきたことがありました。特定の社員だけをリモート勤務にすることもできましたが、会社としてフルリモートを継続するという決断をしたのは、緊急事態宣言下で起こりつつあったマネジメントスタイルの変化には、「非常事態下だけの例外」以上の意味があると感じたためです。


もともと私は「会社の一体感を醸成するためには、互いの空気感を共有することが大切だ」と考えており、それが出社を前提とする考えの根拠となっていました。しかし​​リモートワーク導入を余儀なくされ、自分の考えを見直していく中で、「熱量を共有しながらミッションに対してエネルギーを持ち続けること」と「同じ空間にいること」は、分けて考えられるのではないか、という考えに至りました。
考えてみれば単純なことですが、「同じ空間にいること」は、あくまで「熱量を共有しながらミッションに対してエネルギーを持ち続けること」の手段であり、同じ空間にいることをルール化したところで、後者が担保されるわけではありません。逆に、「熱量を共有しながらミッションに対してエネルギーを持ち続けること」ができるのであれば、働く場所はあまり関係なく、メンバーそれぞれが最適だと思う行動をするはず。
「ルールだから出社する」のではなく、メンバーが出社したいから、必要だと思うから出社するというのが、本来の目的にはかなっています。それならば私がすべきことは「今、誰が何のタスクをしているのか」を気にすることではなく、「ミッションを発信し続けること」、そして「ミッション実現のためにみんなのパフォーマンスが最大化できる環境づくり」にエネルギーを割くことでは、とビジョン主義へと考え方がシフトしたのです。

リアルの共有とリモートワークを両立させるためにしたこと


ビジョン主義にシフトしたとはいえ、フルリモートワークを継続する中で、改めて“リアルの大切さ”にも気が付きました。フルリモートワークでリアルでの共有がなくなると、偶発的な発話や、そこから得られる気づきが少なくなり、結果として相互理解が欠けがちになるという弊害があります。 逆説的ですが、フルリモートを許可するからこそ、“リアルでなければ得られない価値の最大化”には一層力を入れる必要があると考えました。このために弊社で実行したことは次の2点です。

働きやすくするためオフィスをリニューアル
社内にミーティングや食事の摂れるラウンジスペースのような空間を作りました。「出社しないのにオフィスを刷新したの?」と思われるかもしれませんが、先述したとおり、今や出社はルールではなく、社員が主体的に選択する行為です。例えば「月曜日は出社してね」と強制しなくても、集まってミーティングをしたいときや、腹を割って話がしたいときなど、コミュニケーションを直接取ることが、自分に、相手に、そして会社にとって最適だと思う際には、出社を選ぶ場合があると思います。せっかく出社したとき、リアルで会うことの効果を最大化するため、会議にも集中でき、気軽なコミュニケーションも取りやすい空間を作りました。社内にいてもweb会議に集中できるよう、テレカンボックスも設置しています。

リアルイベントをより大切に
弊社は毎週月曜日に全社会議をしています。みんなで顔を合わせる会議として、社内でも大切にしていたのですが、出社選択制にしてリモートでも参加できるようにしました。その代わり、毎年の合宿を継続していて、こちらはリアル参加を推奨しています。みんなでワイワイすることが私自身好きだし、互いのことを理解し合うためにも続けたいと思っています。
また、「クォーターパーティー」として、四半期での振り返りの場を設けることにしました。もちろん新型コロナウイルスの感染状況によりますが、イベントスペースなどを借りておこないます。四半期ごとの振り返り会議で、数値の共有やMVPの表彰をし、その後は任意の飲み会も設けています。ちなみに、クォーターパーティーは弊社では「キューピー」と呼んでいます(笑)私が勝手にそう呼び始めたのですが、社内でもじわじわと浸透してきているんです・・・!

フルリモートにしながらも、四半期に一度のイベントや、話しやすいオフィスを作ることで、リアル空間でも熱を共有し合い、相互理解が促進されるような社内環境になりました。フルリモートによるワークスタイルの自由さと、リアルでの温度や思い出の共有を両立できるようになったと考えています。

 リモートワークが組織づくりの転換点に

このようにコロナ渦のリモートワーク導入をきっかけに、全員が出社して空気を共有し、自分が管理していないと気が済まなかった管理主義的思考から、同じミッションを持ち、それを達成することに重きを置く、ビジョン主義的な思考に基づいたマネジメントスタイルに変化しました。リアルでの空間共有も大切にしながら、フルリモートで働く今のオプティマインドのスタイルが、私はとても好きです。
また今回の変化は、単に「リモートワークを許容するか否か」という事柄を越えた、組織づくり全体に関わる大きな転換点でもありました。実はコロナ以前から、マイクロマネジメントが会社の成長のストッパーになっていることにも気づき始めていました。この時期に自分を見つめ直したことで、「すべて把握していたい」というマイクロマネジメントの思考は、「会社の資本やメンバーのポテンシャルを最大限引き出す」ことを阻害するということにも改めて気が付きました。このことはまた別稿で書きたいなと思います。

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