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常識にとらわれない常識人でありたい_私の理想はこの人です。

せっかくの三連休も後半2日間は雨でサイクリングにも出かけられず、家で自転車をこいだあと、近くの公園のカフェで何時間も過ごしている。昨日も今日も土砂降りで雷が鳴っている。台風の気配を感じながらSpotify を聞きながらkindleを読む、のんびりした休日。

まとまった時間ができたので、久しぶりに漫画を読んだ。

藤子・F・不二雄 エスパー魔美 全9巻を大人買い。大人って素敵だ。

エスパー魔美の連載開始は私が生まれた1977年だから、45年前の作品だ。私が小学生の頃にアニメが放送されていた。アニメで一番印象に残っている「雪の降る街を」は、コミック版でも、とてもよかった。魔美の人生を左右するようなドラマチックなエピソードが、静かな雪の街を背景に淡々と語られていき、家族で「雪の降る街を」を歌うエンディング。今読んでみるとクリスマスや花見や真夏の話など、季節感を感じるエピソードが多い。連載に合わせて魔美たちの住む少し不思議な世界の季節も、移り変わっていたのだと思う。


私は、魔美のボーイフレンドの高畑さんがとても好きだ。なんなら人生に影響を受けているんじゃないかと思うくらいに。

運動はからっきしだけれど、頭が良くて、論理的で常識的。でも超能力者エスパーで天真爛漫、絵を描くことが大好きなヒロイン魔美の最大の理解者として、心身両面において彼女を献身的にサポートする。夢見がちな超能力者エスパーであるヒロインをそのまま受け入れる常識にとらわれない寛容さ。エスパーに対する偏見や物珍しさから近づこうとする人たちと、明らかに違う態度。そして、魔美の超能力ちからに気が付いているのは自分だけなのに、そのことに優越感も、選民思想的な感情も抱くことなく、淡々としているたたずまいが、とてもカッコいいのだ。


自分の基準や価値観で相手をはかろうとすれば、世界は受け入れがたい人たちや価値観で一杯だ。さすがに超能力者はいなくても、自分の常識では計り知れない人たちは、いい意味でも、そうでない意味ても、とてもたくさんいる。それをそのまま受け入れられる柔軟さと寛容さは、私が最も大切にしたい価値観だ。


高畑さんのような人を最近はスーパーダーリンと言うらしい。高畑さんは、ほぼ理想的なスーパーダーリンだ。顔はジャイアンに似ているけれど、それも感情移入しやすくていい。スーパーヒーローより、誰かのスーパーダーリンになる方がカッコいい。

別にヒーローになんて、頼まれてもなりたくないけれど、大切な人のスーパーダーリンになら、なれるものならなりたい。

人生は、つかの間のはかないユメかもしれないけれど、
でも、どうせユメを見るなら
ぼくは、充実した、美しいユメを見たいと思うな。

「エスパー魔美8巻 マミを贈ります」より 高畑さんの言葉

私も、断固、そう思う。



2022.9.21追記 
「マミを贈ります」のエピソードが試し読みで1話すべて読めることがわかったのでリンクを追加しました(大全集5巻に掲載)。


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