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芍薬の魅力7つを語らせてほしい

毎年5月になるとスーパーの生花コーナーや花屋さんを、どきどきしながら覗くのです。芍薬の花が入荷していないかなぁと期待して。

一人暮らしをしていた頃、「部屋に花を欠かさない生活」に憧れて、会社帰りに花屋へ寄っては、その時々の旬な花を選んで連れて帰っていました。決して高給取りでない、ごく普通の会社員にとって、花は嗜好品で贅沢品です。よって、毎回どっさり好きなだけとはいかず、たまに小さなブーケも購入するものの、普段は1~3輪のお気に入りをピックしていました。

そんな中で、芍薬の花に出会います。当時は名前しか知らなかった芍薬の花。へえ、これが「立てば芍薬、座れば牡丹」の花か……とうっかり手を出したが最後。すっかりこの花に魅了され、今では芍薬シーズンを待ちわびて、シーズンインすると、ひたすら芍薬の花を買いまくるほどにハマってしまいました。

魅力1:5~6月の開花シーズンしか出回らない希少性

例えば、バラの花の旬は春と秋ですが、真夏でも真冬でも、いつ花屋に行っても手に入ります。しかし、芍薬は4月~6月頃しか手に入りません。芍薬の花が好きで、この季節を選んでわざわざ結婚式を挙げる人もいるほどなのだとか。私も初夏に結婚式をしていたら間違いなく使っていた花材でしょうね。(真夏に挙げたので、似たような八重咲のバラやトルコギキョウで装花をお願いしました……)

魅力2:赤子の握りこぶしのような可愛いつぼみ

丸っこいのです。ころんとした、まるで赤ちゃんの握りこぶしを思わせるフォルムの可愛らしいつぼみ。固いつぼみだと、直径1センチぐらいでしょうか。つぼみは緑色のガクの中に包まれながら、ちょこっと花びらの色が見えて、一体どんな花を咲かせるんだろう?と期待が高まります。

魅力3:日に日につぼみが綻んでいく様子を楽しめる

小さなつぼみは日に日に膨らんでいきます。同時に花の姿への期待も膨らみます。このわくわく感が大変良いのです。購入した時のつぼみの具合にもよりますが、早いと1晩で咲くこともあります。

魅力4:かぐわしい香り

種類によってはあまり匂いがないもののあるのですが、香水にも使われる花ですから。うっとりするような、甘い香りがします。バラの香りに例えられることもあり、ヨーロッパでは「5月のバラ」とも言われているのだとか。英語名:ピオニーの香り、というとピンとくる方も多いかもしれません。あまり香水は詳しくないですが、ロクシタンのピオニーシリーズは私の中では優しい芍薬の香りを表現していると思っています。気になる方はチェックしてみて下さい。

魅力5:開花した時の存在感のある華やかさ

大輪です。満開の時の豪華絢爛さといったら!1輪でも存在感たっぷりですし、ブーケにしてもボリューミーで可愛いです。ただ、満開になると花の終わりは早いです……。

魅力6:色や一重咲・八重咲など種類も豊富

色だけでも白、綿菓子のような薄いピンク、深紅、コーラルピンク、レモンイエロー、赤紫、濃いピンク、淡い黄色……さまざまです。ふわふわとした八重咲きもあれば、凛とした一重咲きもあり。いずれもかわいらしく豪華な咲きぶりです。

魅力7:崩れる、と表現される散り際の美

花の散り際を表す言葉があります。桜は「散る」、梅・萩は「こぼれる」、紫陽花は「しおれる」、朝顔・菖蒲は「しぼむ」、菊は「舞う」、椿は「落ちる」、牡丹・芍薬は「崩れる」。本当に言葉通り、満開を過ぎると崩れるように花びらを散らします。特に八重咲きのものは、落ちる花びらの量もどっさり多いです。最後まで気高く美しい花です。

いかがでしたでしょうか。うっかりこのnoteを読まれた方は、4~6月であれば是非、花屋で芍薬をお求め下さい。たまにつぼみから開花してくれない子もいるので(つぼみに付いている蜜を拭き取ったり、つぼみを揉んだり……コツはあるのですが)、初心者は硬いつぼみのものより、まもなく開きそうな、大きく膨らんだつぼみの購入をおすすめします。手を出したが最後、芍薬シーズンが毎年楽しみになること請け合いです。

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