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Queen - You Take My Breath Away|宝箱から見つけたセレンディピティのような不可思議なバラード

Queen を聴き始めたのがつい最近なので、聴いていない曲のほうが多い。

だから Queen の曲をランダムに取り出して聴いていると、なにか屋根裏部屋で発見した古い宝箱を開けて、中にごちゃっとはいっている様々な不可思議なあれこれを取り出して、見比べているような楽しさがある。

今日は、この曲をみつけた。ふふ…っ。

Queen - You Take My Breath Away|宝箱から見つけたセレンディピティのような不可思議なバラード

Here: https://note.com/matsunoya_note/n/n64d80325ef55

https://note.com/matsunoya_note

matsunoya_note_バーコード2

Queen - You Take My Breath Away (Official Lyric Video)
(Mercury) via @YouTube Queen Official
"Taken from A Day At The Races, 1976 and Forever, 2014."
https://youtu.be/v_wLNqUz7pM

アルバム "A Day At The Races" (1976) に収載されている2番目の曲です。
フレディ・マーキュリーらしさが溢れるユニークで美しいピアノの旋律。
ひたすら高音だけを使うソロのボーカル、そしてコーラス。

男声合唱団がソプラノで歌ってピアノ伴奏がついている雰囲気の楽曲なのですが、「フレディ・マーキュリー」だからとてもソフィスティケートされた仕上がりになっている。

Wikipedia "A Day at the Races (album)" によれば、
"All of the vocals and piano were done by him"
とあるので、ほぼ、フレディだけで出来上がっている楽曲です。

Source: A Day at the Races (album)
From Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/A_Day_at_the_Races_(album)

"A Day At The Races" (1976) は、"A Night at the Opera" (1975) の翌年に発表されたアルバム。

華麗なるレース ユニバーサル  via @amazonJP
https://www.amazon.co.jp/dp/B004HHAR1O/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_vGfBEbNS2N943

フレディの作詞作曲した曲が何曲も入っている。それぞれユニークで美しいメロディに彼独特のポエムが寄り添うようにぴったりとのっていて、彼の卓越した吟遊詩人としての才能をこれでもかと惜しげもなく見せている。

A Day At The Races (Deluxe Edition 2011 Remaster)
via @YouTube Queen Official Playlist
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_llpuVJsDBjqUD2iCt9aYKjoK3xJLwHXyk
A Day At The Races (Deluxe Edition 2011 Remaster)
@youtubemusic
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_llpuVJsDBjqUD2iCt9aYKjoK3xJLwHXyk

のですが、残念ながら、この麗しきファンタジスタは期間限定で、この次のアルバムの "News Of The World" (1978) の後、いったん、どこか異次元の彼方へとフェードアウトしていきます。

そして、1981年以降、フレディが惜しげもなく見せてくれるのは、ライブでの素敵な上半身と、ライブ後半での素敵な素足の方に重点が置かれる傾向が出てくる。

それは、それで悪くはない。


ただ、フレディがなりたかった吟遊詩人としてのファンタジスタでいることは両立できなかったことだったのだろうか、とわたしはふと、まるで、「何でもかんでも全部ほしい人」のように、思うのです。

この曲、"You Take My Breath Away" 、神秘的で夢心地のような高音の美しいヴォーカルとコーラスの後、印象的なピアノのメロディで始まります。

この完成度でメランコリーなメロディにのせたバラードを書けるのなら、普通に考えると、それだけでいいような気がします。

このバラードがクイーンの曲の中で有名な曲かどうかは、調べてもわからないし、ファンクラブに入っているわけではないので知る由もないのですが、きっと、聴いているときのテンションが、スタジアムでのライブ向きではないので、目立たないのではないかな。

小さなランプを灯して、お家の中で独りっきりで膝を抱えて、このバラードを何度も聴いている人は、意外と多いかもしれない。
メディアに露出しにくいですよね。そういったシチュエーションは。ていうか、ほぼ、ジャズのバラードとかクラシックの曲を聴いているテンションですから。ロックだって言っても結局クイーンではあるのですし、カテゴリの上位は「クイーン」ですから、ロックじゃないとかそう硬く考えなくていいのではないかと思う次第です。

前衛的な手法を取り入れているし、40年以上経て今聞いても新しい感じがします。
旋律の美しさと、フレディ独特の鉱物のような硬質な妖艶さにねっとりとした質感を加えたファンタジーな歌声が、このバラードの小品に、懐古趣味と前衛芸術を融合したような上質な歌曲としてのマテリアリティと神秘性を与えています。

レコードに収載する前に、Queen の 1976年のハイドパークでのコンサートで、フレディはこの曲 "You Take My Breath Away" をライブで歌っている。演奏前、若きフレディが観衆に向かって話しかける声と、彼が歌い終わった後の観衆の「イエーイ!」と拍手が入っているライブ録音がありました。この雰囲気のコンサートが(半永久的に)あって良い気がする。

伸びやかさが美しいフレディのヴォーカル。貴重だ。

You Take My Breath Away (Live In Hyde Park / September 1976)
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/rwSkGZNvUGI


歌詞の内容はよく読むと、今の時代だと「普通ではない」。
けれど、幽玄さが漂うフレディらしい世界観をよく表した詩(poem)です。

Google ( you take my breath away lyrics 🔍)
Queen you take my breath away lyrics - Google 検索

メランコリーな旋律と神秘的で情感豊かな歌い方に依存するので、例えると、世界観としては、

Jazz ナンバーの "Besame mucho" に近い。例えば、これは、Diana Krall のアルバム "The look of love"の 5番目の曲 "Besame Mucho"ですが、共通する世界観がある。

Besame Mucho via @YouTube Diana Krall
https://youtu.be/KjuS8DmspBU

Google ( Besame mucho lyrics 🔍)
https://www.google.com/search?q=Besame+mucho+lyrics&oq=Besame+mucho+lyrics&aqs=chrome..69i57j0l7.603j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8

でも、アルバム "A Day At The Races" (1976) のために収録されたほうの "You Take My Breath Away" 、なんだか聴いていると、もしもフレディに一卵性のフレディ一っぽいそっくりの双子がいたとしたら、その双子の「かたわれのひと」がフレディに向かって歌っているような、不思議と哀切のある哀歌という気がしてきて切ない。

"
Don't leave me here all by myself.
I get ever so lonely from time to time.
I will find you anywhere you go, I'll be right behind you right until the ends of the Earth.
I'll get no sleep till I find you to tell you that you just take my breath away.
"

フレディは、その「愛する人(双子のかたわれ=バラードを歌う吟遊詩人である自分)」との決別を、この時すでに予感していた(たぶん…)。
そして、いまだ見えない未来への彼なりの決意を片方で固めながら、愛する大好きな自分との決別を予感しつつも、「いや、絶対にみつける。地球の果てまででも追い続ける。あなたを見失うようなことはしない。」という強い覚悟を、この時に歌いたかったのかな、とも思う。

極論を言うと、ギリシャ神話のナルキッソスの風情を表したバラードだという気がしてくる。

Source file:Narcissus-Caravaggio (1594-96) edited.jpg パブリックドメイン
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Narcissus-Caravaggio_(1594-96)_edited.jpg

💡 When you move the cursor inside the picture, click the 🔍 with the plus mark in the lens, the picture will pop up. Then, click the arrow ← □ → that appears on the left and right of the painting, and you can browse only the paintings in the content in slide show format.

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あるいは絵画に例えると、Sir John Everett Millais の有名な絵 "Ophelia" に見られるような英国的な美しさというか、悲劇的で狂気を秘めている冷たさが大きな存在としてあるのだけれど、そこに自然の煌めく美しさと一体になった生命を感じるような、劇場で演じられるドラマティカルな展開のファンタジーのような、英国エキゾチズムの風情を感じる。

Source File:John Everett Millais - Ophelia - Google Art Project.jpg パブリックドメイン
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:John_Everett_Millais_-_Ophelia_-_Google_Art_Project.jpg

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Source: オフィーリア (絵画)フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%A2_(%E7%B5%B5%E7%94%BB)

まぁ、兎に角、音楽は音楽として聴けば良いわけですから、無理に、解説する必要はないのだけれど、このバラードを聴いた際の「うろ覚え選手権」には、結構な引っ掛かりが勝手にあって、とりあえずの当てずっぽうを言ってみたまで。

ところで、ラファエル前派の英国の画家ミレーの、シェークスピアのハムレットにおける登場人物を題材にしたこの絵画「オフィーリア」は、夏目漱石が英国留学中に見た絵として有名です。
漱石は日本に帰国後もこの絵画のことがとても気になっていたらしく、複数の書籍にこのオフィーリアが登場します。

漱石の「草枕」のなかでのオフィーリアに関する描写を抜粋します。この絵に対する漱石の見方の一部が伝わるかもしれないから。

草枕

夏目漱石|via 青空文庫

(…中略…)

余は湯槽(ゆぶね)のふちに仰向(あおむけ)の頭を支ささえて、透(す)き徹(とお)る湯のなかの軽(かろ)き身体(からだ)を、出来るだけ抵抗力なきあたりへ漂(ただよ)わして見た。

ふわり、ふわりと魂(たましい)がくらげのように浮いている。
世の中もこんな気になれば楽(らく)なものだ。

分別(ふんべつ)の錠前(じょうまえ)を開あけて、執着(しゅうじゃく)の栓張(しんばり)をはずす。
どうともせよと、湯泉(ゆ)のなかで、湯泉(ゆ)と同化してしまう。

流れるものほど生きるに苦は入らぬ。流れるもののなかに、魂まで流していれば、基督(キリスト)の御弟子となったよりありがたい。

なるほどこの調子で考えると、土左衛門(どざえもん)は風流(ふうりゅう)である。スウィンバーンの何とか云う詩に、女が水の底で往生して嬉しがっている感じを書いてあったと思う。

余が平生から苦にしていた、ミレーのオフェリヤも、こう観察するとだいぶ美しくなる。

何であんな不愉快な所を択(えら)んだものかと今まで不審に思っていたが、あれはやはり画(え)になるのだ。
水に浮んだまま、あるいは水に沈んだまま、あるいは沈んだり浮んだりしたまま、ただそのままの姿で苦なしに流れる有様は美的に相違ない。

それで両岸にいろいろな草花をあしらって、水の色と流れて行く人の顔の色と、衣服の色に、落ちついた調和をとったなら、きっと画になるに相違ない。

しかし流れて行く人の表情が、まるで平和ではほとんど神話か比喩(ひゆ)になってしまう。
痙攣的(けいれんてき)な苦悶(くもん)はもとより、全幅の精神をうち壊(こわ)すが、全然色気(いろけ)のない平気な顔では人情が写らない。

どんな顔をかいたら成功するだろう。

ミレーのオフェリヤは成功かも知れないが、彼の精神は余と同じところに存するか疑わしい。ミレーはミレー、余は余であるから、余は余の興味を以もって、一つ風流な土左衛門(どざえもん)をかいて見たい。しかし思うような顔はそうたやすく心に浮んで来そうもない。

湯のなかに浮いたまま、今度は土左衛門(どざえもん)の賛(さん)を作って見る。

雨が降ったら濡ぬれるだろう。
霜(しも)が下(お)りたら冷(つ)めたかろ。
土のしたでは暗かろう。
浮かば波の上、
沈まば波の底、
春の水なら苦はなかろ。

と口のうちで小声に誦(じゅ)しつつ漫然(まんぜん)と浮いていると、どこかで弾(ひ)く三味線の音(ね)が聞える。

美術家だのにと云われると恐縮するが、実のところ、余がこの楽器における智識はすこぶる怪しいもので二が上がろうが、三が下がろうが、耳には余り影響を受けた試ためしがない。

しかし、静かな春の夜に、雨さえ興を添える、山里の湯壺(ゆつぼ)の中で、魂(たましい)まで春の温泉でゆに浮かしながら、遠くの三味を無責任に聞くのははなはだ嬉しい。

遠いから何を唄(うた)って、何を弾いているか無論わからない。

そこに何だか趣おもむきがある。音色(ねいろ)の落ちついているところから察すると、上方(かみがた)の検校(けんぎょう)さんの地唄(じうた)にでも聴かれそうな太棹(ふとざお)かとも思う。

(以下、略…)

Source: 草枕 夏目漱石|via 青空文庫https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/776_14941.html

フレディのこのバラード "You Take My Breath Away" には、英国エキゾチズム的な不可思議さと冷たさ、そして、彼の智の縦糸が入ったセンチメンタリズムに由来するオフィーリアのようなユーモアがある。
そのねっとりとした硬質な鉱物のようなエロティシズムの耽美さを訝しむ。

Queen - You Take My Breath Away (Official Lyric Video)
(Mercury) via @YouTube Queen Official
"Taken from A Day At The Races, 1976 and Forever, 2014."
https://youtu.be/v_wLNqUz7pM

まるで、漱石のように。

__________

おまけのトリビア|

Queen - You Take My Breath Away の、すごーく上手なカバーをみつけた。

ピアノの旋律で繊細なニュアンスを表現できているところなど、ピアノのテクニックもうまい。
英語の発音が、フレディと違うことに気づいた。

このひとの英語、訛ってる?
(たぶん、訛ってはいない。。正しい発音だろう。よくわからない。)

Marc Martel - You Take My Breath Away (Queen Cover)
via @YouTube Marc Martel
https://youtu.be/PT9MrSnarFk

このひと、ご存知でした?

クイーンの公式コピーバンドである「クイーン・エクストラヴァガンザ」のボーカルオーディションで優勝し、同バンドでもボーカルを務めたマーク・マーテル。
ボヘミアン・ラプソディ (映画)の中で、フレディの歌唱の吹き替えに一部、マークの歌声が使用されているのだそうです。

Source: ボヘミアン・ラプソディ (映画) フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%98%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%97%E3%82%BD%E3%83%87%E3%82%A3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)

もうひとつ、検索していたら素敵なシーンがあった。
マークがセリーヌ・ディオンの前で歌って、セリーヌが感激して涙ぐむシーンのある動画。

Marc Martel - "Somebody to Love" for Céline Dion
via @YouTube Queen Celebration Live
https://youtu.be/Atb5AMkWHks

どれだけ、フレディ・マーキュリーが人々に愛され続けているかが、この動画からも伝わってきます。

そんな動画が、YouTube には溢れかえっていますけれどね。なう。

すごいな、Queen(^^♪

__________

Freddie…!
I will find you anywhere you go right until the ends of the earth.
I'll get no sleep till I find you to tell you when I've found you 

"I love you."(妄想)

(*ノωノ)

__________

あとがき|

Marc Martel の "Marc Martel - You Take My Breath Away (Queen Cover)" をみつけてから、しばらく YouTube で彼の Queen のカバーを聴いていた。

不思議に思った。彼の Queen のカバーは聴いていて心地良い。

それは、このカナダ人の好青年の明るさと健康的な仕草や素直な笑顔に起因するところが大きいのだと思う。
彼は、フレディを愛している。音楽を心から愛し音楽を楽しむ。
彼の歌やピアノから彼の健康的な「音楽愛」がひしひしと伝わってくる。

Marc Martel - Bohemian Rhapsody (Queen cover)
via @YouTube Marc Martel
https://youtu.be/QkCxE2Lh458

彼は、フレディの声と同じ声質の歌声で、フレディと同じ音域を完全にコントロールされた声質と音程で歌う。
彼は、フレディが最高スペックでパフォーマンスしたときのフレディの楽曲の歌声をライブで再現できる。

すごいことだ。

彼がロックミュージック界において見出された経緯が、ロジャー・テイラーが企画にかかわった「クイーン・エクストラヴァガンザ」のボーカルオーディションでの優勝であったというエピソードは興味深い。

My "Somebody To Love" audition
via @YouTube QueenExtravaganza
https://youtu.be/dREKkAk628I

有名なロックスターのバンドをコピーするいわゆるトリビュートバンドは多いらしい。聴いたことはない。よく知らない。興味がない。

一方で、Jazz ではプレイヤーが他の作曲家やプレイヤーをコピーすることはよくあることで、ましてクラシック音楽に至っては、新作よりはバッハやモーツアルトやベートーベンやその他の作曲家の曲をオーケストラやピアニストやバイオリニストが再現することが普通になっている。

そして、1970年代のロックバンドの隆興を経て50年という時が流れ、ロックミュージックにも、そんな時代が到来しつつあるのかもしれない。

あるいは、もっと早い時期から始まっていてもよかったのかもしれない。
ロジャー・テイラーは気づいていたのではないかしら。

最近、u-next で Queen - Live At The Rainbow - 1974 と Queen - Live at Montreal - 1981 を(見放題だったから)通しで見ていたのだけれど、Queen は、図らずもこの二つのライブにおいて、彼らの楽曲におけるテーマへの彼らのチャレンジの成果としての解法と4人の Queen というアンサンブルに関するひとつの金型(正確に言うと二つの異なる金型)を提示している。

クイーン‐ライブ・アット・レインボー (1974)
クイーン - ロック・モントリオール (1981)

U-NEXTで視聴 via @watch_UNEXT

ハナシが一旦それますがライブ映像「クイーンの伝説の証/クイーン1981(Rock Montreal)」、このライブは飽きないです。本当に面白い。

かれらはまだ若くて、そして、かれらは「レインボー」で達成したことをまるで昨日のことのように感じていてそれに誇りを感じていて、そしてそのレインボー以降のその後の彼らの音楽的な発展に確信と自信を持っていて、かれらは音楽を思いきり楽しんでいる。

かれらは何か革新的なことをしようとしている直前の緊張を感じていて、若さゆえに伸びやかに全力投球をしきっている。

Queen - We Will Rock You (Rock Montreal)
via @YouTube Eagle Rock
敢えて万人にはわかりにくい例え方をすると、助さんと格さんが登場してきたあとに、最後に水戸黄門が出てくる感じで始まる(*ノωノ)
@YouTube Eagle Rock の音質はすごくいい。
https://youtu.be/Cv5dnWZ3YyE

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Queen - We Will Rock You (Fast) - Live at Montreal
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/YPA7mhT3AAY

Queen - Let Me Entertain You (Live at Montreal)
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/4GMAjjzU9Do

この前の We Will Rock You でもそうなのだけれど、Let Me Entertain You でも、フレディのメロディアスな吟遊詩人としての歌とブライアンのギターの奏でる旋律とが、音楽専門用語で言うと、かなりの頻度でユニゾンしている。
ブライアンのギターが歌っている通りに、フレディが歌っている。いや、逆の言い方をすると、フレディが歌っている通りに、ブライアンのギターが鳴っている。

聴こえた?

このライブでは、通して、フレディ・マーキュリーの伸びやかで屈託のない歌声が印象的です。
その後のライブのどこかで一瞬感じる痛々しさ、迷いや葛藤からくる、彼が限界を感じたときのもどかしさや絶望と恐怖、何かへの深い恐怖と憎悪に負けてしまって傷つく彼の動揺を、フレディはこのRock Montreal 1981 では寸分も感じさせない。

Queen - Play The Game (Live at Montreal)
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/LS1RXZ6qpLc

フレディは、ロックシンガーとして最高のパフォーマンスをしているのだけれど、このライブ以降、彼のライブでは、アクターとしての演劇的要素がかなり大きくなっていく。このライブでは彼はまだ彼に下りてきたそれぞれの歌のキャラクターの主人公になりきって演じている。

Queen - Another One Bites The Dust - Rock Montreal
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/9E-WasNzVpI

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Queen - Another One Bites The Dust (Queen Rock Montreal)
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/7bxprqkFRHM

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Queen - Another One Bites The Dust (Live)
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/NVIbCvfkO3E

けれどこれ以降次第に彼は、被り物をしたまま、それを、そのゆるキャラのその後の活動で少し薄く汚れが着いていく着ぐるみを、人前では決して脱がなくなる。

フレディは、歌は天才的にうまくて誰にもまねのできない領域の才能のシンガーなのだけれど、少し不器用なアクターとしての才能を持っていて、例えると、彼は、ほんの少しだけロバート・デニーロで、アルパチーノなのだけれど、どちらかというと、ふなっしーによく似ている

そんな彼が真新しい着ぐるみを着て、のびのび動画に写っているライブでした。

かれらは、そう、このライブの中で痛みを感じていない。人間に対しての対人恐怖を感じていない。そして彼らは絶望によって傷つく表情を一度もしない。

1時間30分のライブの中に、かれらのその音楽的世界観の実現の中に、人間愛と芸術的な野心との調和を信じるかれらの純粋さが一本の太い光のように通っている。
まるで劇場でいくつもの場面展開があるドラマティックな演劇を見ているような、一場面、一場面、構図の決まっている絵画のような場面が次々に展開していく。まるで、なんというか、スケールが大きく贅沢な演劇を見ている劇場にいるように劇的な場面が続きます。

痛みや恐怖や絶望を感じないで全力で音楽を演じているかれらのパフォーマンスの熱さとコントロールされた演劇的で劇的な演出を、そのちょうど10年後のフレディ・マーキュリーの病死と重ならずに見ることは不可能。だけれど、その若々しい音楽への挑戦の一途さに言葉を失う。
なんという演劇的なロックコンサートだろうと感動しながら見てしまう。

Now I'm Here (Live) Queen Rock Montreal
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/zmsu5JKwJAA

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Queen - We Are The Champions (Rock Montreal)
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/hSTivVclQQ0

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Queen - We Are The Champions (Official Live Video)
via @YouTube Queen Official
https://youtu.be/KXw8CRapg7k

素敵なシーンがコンサート中にいくつもあるのですが、それは、皆さんそれぞれが見て楽しむものだから、詳しくは語らない。

わたしが一番気に入っているシーンは、コンサートの終わりのクイーンの4人のあいさつの一番最後に、フレディ・マーキュリーとロジャー・テイラーが向き合ってお互いの目を見つめ合いながら朗らかに笑って、二人で一緒に「やったーぁ!」と腕を上げて喜ぶシーンです。

その直後の、フレディとロジャーの二人で笑いあったそのままの続きでの笑顔のあどけなさが、そこまでの演奏中のかれらの集中し過ぎの全力投球しすぎの若干鬼気迫ってしまっている鋭すぎる目つきの芸術家の厳しい表情から一転して幼く素直な柔らかな表情で、ああ、可愛いな、若いな、と思う。

今更気づくことでもないのですけれど、クイーンは4人ともが、音楽的な技術の高さだけでなくその姿の佇まいの風情が美しい。
人間としての知性を感じさせ、演劇的なライブに向いている美しい姿をしている。
その美しさと伸びやかさのまま、ずっとそのまま、年を重ねていってほしいと願う、伸びやかで知性的な美しさが漂うライブです。

このライブ映像は、人間のギフトとしての知性と挑戦的で前衛的な音楽という時間芸術が私たちに与えてくれるかけがえのないもののすばらしさに気づかさせてくれる。すごい 4人組を完全な形で見せてくれている。

動画として映像が残っていることで、40年近くたった今でもそのコンサートを映像で楽しむことができることが奇跡のように感じる。すごいことです。

閑話休題

via @YouTube Queen Official Playlist
Queen Live at the rainbow
https://www.youtube.com/playlist?list=PL2tMgWgIvcWncUMPeQZrHXwbzZHEzEtGs
Queen Rock Montreal
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ma1qmuL9tRQQvuactfxNzFfwi1Jbvz6Ks

via @youtubemusic
Live At The Rainbow '74
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nUh0Sd4n_6U9jd7014F_vrLpcXBABagQ8
伝説の証/クイーン1981
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ma1qmuL9tRQQvuactfxNzFfwi1Jbvz6Ks

この二つのライブコンサートのアンサンブルを聴いていて私が思ったのは、
「虹って超えられるのかな。」
という、まるで夏休みこども科学電話相談室のような疑問だった。

彼らのレインボーでのライブショーは、それでひとつの半永久的な金型として成立するスペックのものだった。彼らは、その金型を基盤にして新たに、より遥か遠くまで飛べるような巨大なジャンプ台を建築するアプローチをとることはできなかったのだろうか。
いや、彼らは、その金型を、どこか工場の片隅にコロンと転がして、放置したように見えるのだ。

クリエイター型のプロフィールの人間の仕草としては、ありがちな態度を彼らはとった。
彼らの貴重な金型は試作品第一号として、その企画の終焉と共に、二度と繰り返し使用されることなく、舞台裏の道具置き場に置き去りにされた古びた舞台道具同様の扱いを受けることとなった。

惜しいことだと思う。その金型の上に、どのような燦然たる新たな、もしかしたら数百年に渡るクラシック音楽というカテゴリーに変革を巻き起こすような新たなジャンルの巨大な金字塔が、そびえたっただろうか。
彼らだけでは成し遂げられなかったとしても、彼らはそのフロンティアにはならなかっただろうか。

Queen - Killer Queen (Live at the Rainbow ‘74)
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/Aj5-PUXVK_w

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Queen - Keep Yourself Alive (Live at the Rainbow ‘74)
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/mzNfzkT-LeU

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Queen - Stone Cold Crazy (Live at the Rainbow ‘74)
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/nBKJjRwvEsI


Marc Martel に話を戻そう。
ロジャー・テイラーは、2011年に Marc Martel をみつけた。すでに、フレディのあまりに悲しい死から20年たっていたけれど。

Marc Martel は、ピアノの腕前と歌唱の能力において、Queen のカバーを聴く限り、恐ろしいほど才能に恵まれている。
何より、彼はフレディ・マーキュリーを、そして Queen の音楽を愛している。

Impromptu "BoRap!"
via @YouTube Marc Martel
https://youtu.be/Z8GSjeBHyao

「クイーン・エクストラヴァガンザ」のメンバーが、夕食後にホテルに戻る途中で野外にあったピアノを使って(酔っぱらったまま)その場の通りすがりの人たちのリクエストに応えて歌っている動画。

このミュージシャンにできることは、色々あるのだろうと思う。

Marc Martel - Queen Covers Playlist
via @YouTube Marc Martel
https://www.youtube.com/playlist?list=PLdJpbfpnw-Ngl-Qgxo1FnFhkkM0k3Ai6A

一般的な企業での R&D のアプローチとしては、フェーズごとに専門性の異なる担当者がプロジェクトの一部を担うのは当たり前のことで、分業体制になる。

クリエイターとして育った人間は、クリエイターとしてしか業務をこなさないし、ルーティーンの分担の人間は、ルーティーンを着実にこなす。
それが、効率的で生産性と実効性があるから、R&D プロジェクトはそうした分業体制になる。

Queen は、誰にもまねのできない新しくて質のいい音楽を、すべて異なるアプローチで大量に作った。全てが試作品第一号を原型にした新たなロックミュージックというようなローンチのやり方をして、しかも初期のそれは半永久的な基盤となりうるものだった。

技術的に再現可能な人間がいて音楽として再現できる才能の人間であったら、再現する価値のあるものだったのだろうと思う。

音楽とは不思議な時間芸術だ。

Queen が残した大量の金型を基盤にして、新たな音楽ジャンルがその基盤の上に構築されていっただろうか。それができるのは、Queen しか存在しなかったのだろうけれど、Queen はその金型を基盤にして幹を太く伸ばし枝葉をつけていく仕草を一度もしない。
試作品第一号を金型にローンチするアルバムを作るため、フロンティアを切り開き続けるのだ。まるで、エベレストの前人未到ルートを切り開いて世界一標高の高い山頂を目指し続ける冒険家集団のようである。

そして、Queen の様々な試作を施したアンサンブルは、大量の素晴らしく価値のある金型として、まるで大きな倉庫の中に雑多に置かれたよくわけのわからない大きな部品のように、積んである。

ロジャー・テイラーは、気づいたのではないかな。

彼らは彼らであることは間違いないし、彼らの音楽は時間芸術であることは間違いないけれど、彼らの音楽は、今、そこにあるってことに。

それはバッハやモーツアルトも彼ら自身では意識はしていなかったことかもしれないし、それほど関心を持つこともなかったのだろう。
クリエイターというものは、そんなものだから。

QUEEN - Live at the Rainbow '74 - Trailer
via @YouTube Eagle Rock
https://youtu.be/Je8FGVthqOQ

別に、1970年代の Queen の4人を過労死させたいわけではないけれど、彼らは本当に、

「虹を超えることはできなかったのかな。」

と思う。

振り返ること自体、陳腐な似非ドキュメンタリーへと落ち込んでいくありがちなルートではあるのだけれど、そして事実、彼らの金型を誰もトレースさえしえなかったのだけれど。

アートとテクノロジーとイノベーションとインベンションと伝統と技術伝承とパラダイムシフトとサステナビリティと回帰と再生とリピートと再現と。

彼らは成功した。Queen は成功を掴んだ。彼らの一世一代のプロジェクトは成功した。

そして、答えの出ない問いは、心の中で続いていく。

アートとテクノロジーとイノベーションとインベンションと伝統と技術伝承とパラダイムシフトとサステナビリティと回帰と再生とリピートと再現と、と。

Marc Martel のアルバム "Thunderbolt and Lightning" の紹介動画 YouTube "You Take My Breath Away - Teaser" の説明文の中で彼はこんなコメントを述べている。

You Take My Breath Away - Teaser
via @YouTube Marc Martel Playlist
https://youtu.be/eYqPg3f_-uk

以下、説明文(抜粋)

"I’ll never understand how this tune missed the spotlight in Queen’s canon of hits. I consider it to be one of Mercury’s greatest musical moments. And every time I perform it, at least in America, people always ask me if that was actually a Queen song. I sat down at my piano and learned it one day, and decided it works beautifully without any bells or whistles. I did, though, ask Brent Milligan if he would add cello to this simplified arrangement. Because who doesn’t love cello?"

私は彼を愛する。
Love him!


Thunderbolt and Lightning
via @YouTube Marc Martel Playlist
https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mu3JfAIsaR86mkgocBUrZnAo4XVB3V5RU

via @youtubemusic
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mu3JfAIsaR86mkgocBUrZnAo4XVB3V5RU

Thunderbolt and Lightning
Marc Martel via amazon
https://www.amazon.co.jp/Thunderbolt-Lightning-Marc-Martel/dp/B07JVVQNBB/ref=cm_cr_arp_d_product_top?ie=UTF8


久しぶりにTwitter アカウントのメンテナンスに入った。タイムラインでは、フォローしている日本庭園のツイートで、もう桜の花が咲いていた。

フレディは日本庭園が好きだったらしい。きっと、ロジャーも、ブライアンもジョンも、日本庭園には思い出があるだろう。
どこかでこの桜の開花を喜んでくれているかな、と思う。

カタクリの花も咲いたらしいよ。
RT 小石川後楽園 @KorakuenGarden 3月8日
https://twitter.com/KorakuenGarden/status/1236483526771396608?s=20

__________

ノイズと音楽との境界線は、どこにあるのか。

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もともとクラシックミュージックが好きで、自分で弾けるのはヴァイオリンだけだから、プレイヤーの細かい技術的な部分を感覚的に一番理解できるのは、ヴァイオリンソロです。

これは、例えば、草野球で1塁を守っている人でバッターボックスには3番目に立つ人が、同じポジションのプロ野球選手を見ているときが一番、野球としての動きが理解できるのと一緒。

ロックミュージックはほとんど知らなくて、最近、映画の「ボヘミアン・ラプソディ」を見て、実際のクイーンの映像を探して見てから、

「フレディ、すごい!」という目覚めがあり、

クイーンを聴くようになった。

ただ、耳がクラシックのどちらかというとバッハ、モーツアルトまでの弦楽合奏か歌曲までに慣れているので、それ以上に音の質が変化するとノイズに聞こえる。
一般に、ノイズは音楽じゃないので、無いに越したことはない。

ロックミュージックはノイズに満ちている。

いや、私の耳にとっては後期ロマン派の時点でノイズに満ちている。

だから、ロックミュージックの電気信号をアンプリファイする機械(アンプ)による音の増幅にあたっての音のひずみや音の遅延やエコー(Sound delay or echo)に由来する計算されていない偶発的な、音楽ではない音の集合を、私は破壊的なノイズと認知する。

「うるさくて、アンサンブルが聴こえない。ノイズは破壊音でしかない。破壊音を好きだったことはない。破壊音に興奮することはある種、人間としての感覚の倒錯である。」

クイーンのライブをふたつ、通しで聴いたというお話をしました。

それで、どちらのアンサンブルが、バランスよく聞こえるかというと、私の耳には、圧倒的にレインボーでのクイーンの4人のアンサンブルが音楽的に美しくバランスが取れてそれぞれの演奏家の個性が魅力的に光りながら調和している演奏であると認知される。音楽としての質が高い。

後者のライブでは、アンプによる音の増幅に由来するひずみが大きすぎて、それぞれの演奏家の演奏での主張がノイズに埋まって聞こえてこないのです。

それをロックンロールだというのは、そういった言葉の定義だから、それでいいのかもしれない。
機械的に増幅されてひずんだ破裂音や金属音的な何かが張り裂けるときのような音や、火薬による爆発音に、ライブの観客は(感覚の倒錯による)興奮をもらってストレスや鬱憤を晴らす。
ロックのライブに集まるオーディエンスは、破壊的な倒錯を音で楽しむ。
平和な光景である。悪いことではない。

音楽が提供される形態が変わったのだ。

音楽を欲しがるエネルギーに満ちた多くの若者は、破壊音による倒錯が欲しいのだから。

彼らは、ロココ調の家には住んでいるかもしれない。でも、彼らが欲しい音楽は、ロックンロールなのだ。ロココ調の音楽ではない。
ロックンロールという音楽の形態においては、スポンサーは、究極には、その音楽作品やライブのエンターテイメントに対してお金を払いたがっている(反社会的な倒錯を音楽だけで楽しみたいリベラルな)彼らなのだ。

彼らは、破壊的な倒錯を好む性向があるけれど、実際には、娯楽に使う時間とお金のある衣食住足りているかなりの人口を占める余暇と娯楽にお金を使う社会的に大きな幅を占めるクラスタである。

クラシックミュージックにしても、例えば、ヴァイオリンの演奏でノイズが全くない透明感に溢れたクリスタルサウンドを聴かせてくれるプレイヤーはいる。

例えば、日本の若手のヴァイオリニストだと、山根一仁がそんなヴァイオリニスト。

山根一仁
via @youtubemusic
https://music.youtube.com/playlist?list=PLiwEbVEuZDjI1Q-ZflocsDjCcq60A6_Pv

きっとすごいいい耳を持っていて、その耳のフィードバックにこたえられる演奏技術を持っている稀なひとで、一切ノイズのない美しいヴァイオリンの音色で演奏する若手がいる。貴重だと思う。

わたしは、ノイズが一切ないヴァイオリンの演奏が大好きだ。

一方で、私は、いわゆる魂系の演奏をするヴァイオリニストやピアニストに、著しい嗜好性を示す。
これは、例えば、バッハという神への祈りを音楽にした作曲家の音楽を演奏するときには、素晴らしく魅力的な個性となる。

彼らは、一般にはノイズと考えられる音や、一般には奏法として用いられない音のニュアンスを生み出すようなタッチや演奏の速度を演奏の中に取り入れる。

ヴァイオリニストで言うと、それはギドン・クレーメルであり、ピアニストで言うとグレン・グールドになる。

最も称賛されうるヴィルトゥオーゾとして有名だけれど、彼らの奏法は、異端という言葉で表される場合がある。

ノイズと音楽の境界線は、どこにあるのか。

微妙な話である。ふと、関心を持った。

ギドン・クレーメルの演奏を聴きなおしてみる。

J.S. Bach: Partita for Violin Solo No.2 in D minor, BWV 1004 - 5. Ciaccona
via @YouTube ギドン・クレーメル - トピック
https://youtu.be/FK6GAxv_x2o


Bach: The Sonatas and Partitas for Violin Solo
Johann Sebastian Bach
via @amazonJP
https://www.amazon.co.jp/dp/B000A2WF3S/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_6MwDEb6THZ9W4

ギドン・クレーメルのバッハ無伴奏は、まさに魂系の演奏で、ヴァイオリンの弓を楽器の弦にたたきつけるときのノイズが凄い頻度で入っています。
でも、この弓を弦にたたきつけるという奏法で発生している打楽器のようなノイズ音は、バッハの音楽の一部となっていて、私の耳には、ノイズではなく音楽として聴こえる。

彼の演奏するバッハは、神への祈りとして、個人的にはバッハの無伴奏の中では一番好きな演奏です。

彼は、(無伴奏なので)たった一人で自分の音をコントロールできる。だからここまでの自由度で、心の有り様を最大限表現できている。
そして、卓越した高度な技術が無ければなしえない美しい演奏です。

大抵のヴァイオリニストの場合、プロの演奏でさえ、激しい奏法によってノイズを立てたとき、それが不快なノイズとして聴こえる。

ギドン・クレーメルのバッハ無伴奏は、すごい。

どんな宗教のひとでも、宗教教育の背景がない人でも、神への祈りを追体験できる演奏です。心が落ち着く。

ノイズと音楽の境界線は、どこにあるのか。
耳を澄まして注意深く聴きとると、聴こえてくる。

そんな音楽の聴き方は楽しいし健康で豊かな時間芸術の鑑賞の仕方なのではないかと思います。

美しい自然の中で風の音や小鳥の声を聴いて、静かな環境で、よく耳を澄ませば美しい音だけが聞こえてくる環境で、子どもたちには育ってほしいと思います。

アスファルトの道路をドリルで掘り返す騒音や、壁やドアを殴りつける気が狂った乱暴者の怒声を聴きながら子供が育つと、その子の耳に聞こえる音は、どんな嗜好性をもって、どんな認知を持って聴こえるのだろう。
あるいは、音はその音の持つ正確な情報を付随した形で認知されうるのだろうか。

静かな住環境を奪う侵入者、インベイダーのいないところで、子どもには育ってほしい。野生の類人猿として、その自然界にある音とその音に付随する正確な情報の認知を最大に羽ばたかせて育ってほしいと願います。

音楽は彼らのもの。

__________

YouTube Music|

ギドン・クレーメル - トピック
via @youtubemusic
https://music.youtube.com/channel/UCMDhBCQu65F0nPSFB_QYUvw

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神への祈りの曲と言えば、この曲は外せない。

モーツァルト 《レクイエム》、J. S. バッハ 《マタイ受難曲》

意外と、YouTube Music は音質がいい。最近の人たちは、モーツアルトのレクイエムをYouTube Music で聴くのね。
2020.03.21現在の視聴回数が172万回。
Wow!

@youtubemusic
モーツァルト 《レクイエム》全曲 カラヤン指揮/ベルリン・フィル(1961)
https://music.youtube.com/watch?v=qllREi8QMp4&feature=share

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@youtubemusic
J. S. バッハ 《マタイ受難曲》 全曲 ヨッフム指揮/コンセルトヘボウ
https://music.youtube.com/watch?v=bTnXpaR_wmw&feature=share

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From A Day At The Races, Queen

via @YouTube Queen Official
Queen - Somebody To Love (Live at Milton Keynes Bowl, 1982)
https://youtu.be/v8L3TCXsyX4

"
And I start to pray
'Til the tears run down from my eyes
Load, somebody (somebody), ooh somebody
Can anybody find me somebody to love?
"

Google ( somebody to love lyrics 🔍)
https://www.google.com/search?q=somebody+to+love+lyrics&oq=somebody+to+love+lyrics&aqs=chrome..69i57j0l7.4431j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8

Queen - Somebody To Love (Official Lyric Video)
https://youtu.be/SrvO4baXLWI

"
Find me, find me, find me somebody to love
Anybody, anywhere, anybody find me somebody to love, love, love
Somebody find me
find me love
"

@youtubemusic
Queen - Somebody To Love (Official Video)
https://music.youtube.com/watch?v=kijpcUv-b8M&feature=share

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最後にひとこと|

自分がインドア派アウトドア派かと尋ねられたら、迷わず言えるのですが、

もしもアウトドアで、インドア的な過ごし方ができれば、

アウトドア、全然大丈夫です( ^^) _U~~

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